Takeda Pharmaceutical Co Ltd (TAK) 2013 Q2 法說會逐字稿

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使用警語:中文譯文來源為 Google 翻譯,僅供參考,實際內容請以英文原文為主

  • 長谷川 閑史 - 代表取締役社長

  • 改めまして、本日は多数お集まりをいただきましてありがとうございます。この後、高原のほうから計数の説明、それからドクター山田のほうからR&Dのパイプラインの説明がございますので、私は包括的なことを少し述べさせていただきたいと思いますが、まず、この終わりました上半期につきましては、5月の確か14日頃だったと思いますが、決算発表とともに発表いたしました本年度の業績見込みの主要項目、売り上げ、それからR&Dの費用、それから営業利益、純利益、すべて上半期分はクリアしておりますし、年間の見込みにおきましても売り上げで1兆5,500億円、それからR&Dが3,100億円、それから営業利益1,600億円、純利益は1,550億円という発表をいたしておりますが、いずれも現時点においてはそれを変更する必要がないというふうにわれわれは考えております。ということは、達成できる見込みであるということであります。

  • ただ、その中身を幾つか触れてみますと、売り上げにつきましては極めて当社の中での対照的と言いますかコントラストな状況が起きておりまして、先進国はおしなべて、残念ながら昨年度に比べると売り上げが落ちております。それはアメリカも日本も、それからEUCANと呼んでおりますヨーロッパ・カナダも含めてでありますが、先進国の中で唯一の例外は、順調に「ベルケイド」の売り上げを伸ばしておりますミレニアム社でありまして、ここは昨年と比べて20%を超える伸びを示しておりますが、それ以外の先進国は残念ながらそういう状況になっております。

  • その主な理由は想像に難くないわけでありますけれど、1つは、日本の場合ですと価格の調整といいますか、薬価の改定は2年に1回の恒例の行事でありますので当然、予測はつくわけでありますけれど、ヨーロッパの幾つかの国なんかでは当初予定されてなかったような、要は予算の厳しい状況の中で追加の薬価の引き下げを行うということも行われましたし、また、もう1つの政府としてよくとる手段でありますけれど、ジェネリックをさらに推奨・促進し代替を進める、そういう手段がとられております。それらで、新製品等の売り上げだけではカバーできなくて、そういった形になっております。

  • 一方で新興国はいずれも2桁の伸びを実現をしておりまして、その新興国の伸びで会社全体の、先進国における売り上げの減を補って、なおかつ成長をするドライビングフォースになっているというのが今の実態であります。

  • 一方、R&Dの費用につきましては3,100億円でありますが、上半期の実績から見るとそれを超えるのではないかというふうなことも、一部では質問が出たというふうに聞いておりますけれど、それにつきましては後ほど申し上げますが、私どもの今の最大の課題であります営業利益を、営業利益率を何としても今の10.3%、売り上げの10.3%という極めて低い状態から改善をしなければいけない。そのプロジェクトをスタートしておりますが、その一環でもあり、R&Dについてはタチ・ヤマダが責任者でありますけれど、必ず3,100億円の範囲内に収めるということでマネージをしていきたいというふうに考えております。

  • それから営業利益の1,600億円につきましても、必ずこれを達成するようにしていきたいと思いますし、1,550億円の純利益についても達成をできる見込みであります。

  • ただ、先ほど申し上げましたように、これは5月の14日に発表いたしましたときにも、われわれの営業利益率の低さが皆さんの予想をさらに下回るようなことであったという、ある意味での悪い意味での期待を裏切ったということでありますが、その状況はわれわれも深刻に考えておりまして、それを何とか改善をしようということで、今の目標といたしましては2014年が、今、進行中の3カ年の中期計画の最後でありますが、そのとき2014年までには何とかインダストリーの平均の下限に近いほうでありますが、20%程度までにはそれを改善していきたいという大きな、全世界を巻き込んだプロジェクトを今スタートしたところであります。

  • もちろんそういうコストカットとかいうふうな話になりますと、すぐリストラとかいう話に目が向きがちでありますが、われわれとしては当然そういったことを主眼、主目的としているわけではなくて、ビジネスプロセスの改善でありますとか、あるいはシェアード・サービス、他社と比べてもまだまだわれわれのところは十分にそのアドバンテージを取り切れていない。そういったこともありますし、また、トップラインとボトムラインにありますR&Dの費用、あるいは製造原価、Cost of goods sold、そういった部分にもきっちりメスを入れて聖域なき見直しをやるということで、より効率的で筋肉質のそういうP&Lがちゃんと出せるような体質にしたいと思っております。

  • 一方で、先ほど申し上げましたように1つだけ皆さんのほうに強調してお伝えをしておきたいのは、R&Dが3,100億円、約20%の売り上げの比率にありながら、それを最初の半年では上回るようなペースで消化をしておるといいますか、使っておるということは、パイプラインの製品が順調にいま進んでいるということでありますし、特に数多くのフェーズ3の製品を抱えております。

  • その辺については後ほどタチからまたお話があると思いますが、そのような状況でありますだけに、5月8日お約束しましたとおりボトムラインについて、営業利益についても2012年を底として20%を超える成長を2016年までの間では加重平均、Compound annual growth rateで達成したいというのがわれわれの意気込みでありましたが、それを何としても実現をしなければいけないわけですけれど、そこはR&Dとかそういった将来の投資をやりながらやることについては、それを達成することは決して容易ではありませんけれど、ここ1~2年が我慢のしどころ、経営のベルトを締めるという意味で、むしろこの機会にそれをしっかりやっておこう。そういうことによって体質強化を図っていきたい。

  • そういうふうな考えでこれからやっていくつもりでありますので、そのことを皆様にお伝えをしたい、いたしまして、私の冒頭の挨拶に代えさせていただきたいと思います。どうもありがとうございます。

  • 司会

  • それでは次に、経営管理部長、高原より、2012年度第2四半期の連結業績について説明させていただきます。

  • 高原 宏 - 経営管理部長

  • 高原でございます。ただいまより連結業績の概要についてご説明させていただきます。

  • 2012年度第2四半期の連結業績はご覧のとおりとなっております。売上高は前期から844億円、12.0%増収の7,869億円。営業利益は前期から1,025億円、48.6%減益の1,086億円。純利益は前期から159億円、11.7%減益の1,198億円となっております。

  • 次のスライドより業績について少し詳しくご説明いたします。

  • まず売上高の増減の内訳をセグメント別に表示しております。医療用医薬品事業のうち国内では、「アクトス」、「グロブレス」など既存品が減収となりましたものの、「ネシーナ」、「ベクティビックス」など新製品の寄与により、薬価改定の影響を吸収して前期から2億円の増収となっております。

  • 海外では、米欧における「ピオグリタゾン」、および「カンデサルタン」の減収などにより830億円の減収となりましたが、ナイコメッド社、URLファーマ、およびマルチラブ社の買収による増収効果が、合計で1,661億円ございましたので、海外全体としては前期から831億円の増収となりました。

  • 次のスライドお願いします。

  • 売上高の増減内訳を品目別にご説明いたします。「ピオグリタゾン」が前期から790億円の減収となったことに加え、「カンデサルタン」、「ランソプラゾール」、「リュープロレリン」といった成熟品も331億円の減収となりました。

  • しかしながらこれら成熟品以外では、ミレニアム社の「ベルケイド」が76億円の増収となったほか、国内の「ネシーナ」、「レミニール」、「アジルバ」など、新製品を中心にご覧のとおり増収となりました。さらにナイコメッド社などの買収効果が1,661億円加わっております。

  • 次のスライドをご覧ください。次に、医療用医薬品の売り上げを地域別にご説明いたします。

  • 欧州および新興国に広く事業基盤を有するナイコメッド社を買収したことを主な要因といたしまして、欧州、アジア、中東・太平洋・アフリカで増収となりました。米州においては米国での減収はあったものの、中南米での旧ナイコメッド社事業の寄与とマルチラブ社の買収により、全体では微減となっております。

  • 次のスライドをご覧ください。

  • 当社が成長ドライバとして位置づけております新興国市場の売上高はご覧のとおりとなりました。新興国市場、すなわち中南米、ロシア/CIS、アジア、中東・大洋州・アフリカ、合計の売上高は、ナイコメッド社およびマルチラブ社の買収により前期から5.5倍の955億円となっておりまして、当社の医療用医薬品全体の13%を占めるところまで成長しております。

  • なお、買収前のナイコメッド、およびマルチラブ社の前期実績を、当社の前期実績に連結させたと仮定した場合、為替のマイナス影響101億円を排除いたしますと前期から13%の増収となっており、実力ベースでも順調に伸長しております。

  • 次のスライドをご覧ください。営業利益の増減内訳についてご説明いたします。

  • 売上総利益は、売上高の増収844億円があったものの、利益率の高い「アクトス」の減収など成長品構成の変動を主な理由として、売上総利益率が4.7ポイント低下いたしましたので、前期から279億円の増益にとどまりました。

  • 一般管理販売費は、ナイコメッド社などの買収に伴う発生費用の増加や、無形固定資産およびのれんの償却費の増加により、前期から947億円増加いたしました。

  • 研究開発費は、前期に比べ開発後期のステージにあるパイプラインが充実したことなどによりまして、357億円増加しております。

  • この結果、営業利益は前期から1,025億円、48.6%減益の1,086億円となっております。

  • なお買収関連費用などの特殊要因、これが692億円ございますが、これを除きますと、除いたベースでは前期から644億円、26.6%減益の1,777億円となっております。

  • 次のスライドをご覧ください。純利益の増減内訳についてご説明いたします。

  • 営業利益は前期から1,025億円減益となりましたが、特別損益で172億円の増益要因があり、税金なども634億円減少いたしましたので、純利益は前期から159億円、11.7%減益にとどまり1,198億円となりました。

  • 特別損益のプラス172億円でございますが、投資有価証券の売却益170億円、移転価格税制に係わる還付加算金116億円、海外子会社での合理化に伴う費用114億円の純額であります。また、税金の減少634億円には、移転価格税制に係わる還付税金456億円が含まれております。

  • なお、特別損益および特殊要因を除いたベースでは、前期から394億円、25%減益の1,182億円となります。特殊要因の内訳につきましては別紙のほうに明細をつけておりますので、またご覧いただきたいと思います。

  • 次のスライドをご覧ください。

  • 当期のキャッシュフローのほうはご覧のとおりとなっております。営業キャッシュフローは1,804億円となりましたが、投資活動によるキャッシュフローはURLファーマ、およびマルチラブ社の買収に伴う子会社株式の取得による支出775億円などにより、1,302億円の支出となりました。

  • 財務活動によるキャッシュフローは、配当金711億円の支払いにより779億円のマイナスとなりました。なお7月にナイコメッド社買収に伴う短期借入金を返済するため、30億米ドルの外貨建て無担保社債を発行し、パーマネントファイナンスへの切り替えを終了しております。

  • 次のスライドをご覧ください。第1四半期の決算発表時に公表いたしました業績予想の上期実績との比較であります。

  • 後期開発パイプラインの開発活動が想定よりも進捗し研究開発費が増加いたしましたものの、米国「アクトス」の後発品参入などによる影響が想定を下回ったほか、(還流)販売費の削減により、売上高および各段階利益において上期予想を上回っております。

  • 次のスライドをご覧ください。最後に今年度の業績見通しについてご説明いたします。

  • 国内の「ネシーナ」、「タケプロン」、米国の「ユーロリック」、「デクスラント」の下方修正によるマイナス影響はございますが、米国「アクトス」、「ベルケイド」、国内の「アジルバ」に加え、ヘルスケア業務を想定を上回ることで当初公表を達成する見込みとなっております。

  • 以上で私からの説明を終えさせていただきます。ご清聴ありがとうございました。

  • 司会

  • それでは次に、チーフメディカル&サイエンティフィックオフィサー、山田より研究開発におけるアップデートについて説明させていただきます。英語にてプレゼンさせていただきますので、レシーバーと日本語の資料もご用意しております。どうぞお使いくださいませ。

  • 山田 忠孝 - 取締役 チーフメディカル&サイエンティフィックオフィサー

  • (通訳済み)ありがとうございます。研究開発におけるアップデートということで、2012年度第2四半期のアップデートを申し上げます。

  • まず、皆様方に改めて申し上げたいと思いますけれども、タケダの研究開発の意義というのはやはり、患者さんのアンメットメディカルニーズに応えるために研究開発資源を投入し、革新的な医薬品の創出に挑戦し続けるという製薬会社としての使命でございます。

  • 4つのわれわれ、行動原則の要素があります。まずは、すべての仕事は患者さんにフォーカスを当てる。そして緊急性をもって仕事をする。また、革新的なイノベーションのあるソリューションを求めていく。そしてまた、パフォーマンス評価を行い、パートナーと連携をして活動していきます。

  • 特に2つの重要な連携について、この6カ月間の進捗についてお話をしたいと思います。まずは湘南インキュベーションラボでございますけれども、これは新しい湘南研究センターの確立に重要な要素でありますけれども、外部の研究機関との提携を強める。それが私どもの研究センターのほうにお招きすることで、タケダの研究者とともに共同研究活動を実施するというものでありまして、この点に関しましてはまずブリティッシュ・コロンビア・キャンサー・エージェンシーと最初に提携をしております。そして創薬標的探索ということで、遺伝子解析を利用したこの共同研究を開始しております。非常に私ども楽しみにしております。

  • 2つ目のコラボレーションでありますけれども、インドの企業、Adbinus Therapeutics社との共同研究です。こちらの会社ですが、インド人で海外で活躍をした後、アメリカで製薬業界での経験を積んでインドに帰って会社を創業したという、そういう背景のある会社です。3カ年の共同研究でありまして、彼のほうでわれわれの標的、新規創薬標的を選択をし、非常に(ブンブカム)でありますけれども、そしてフィーに対して合意をした上で研究を共同で行っていくというものです。

  • それからごく最近完了した買収でありますが、LigoCyte社の買収であります。モンタナ、ボーズマンベースの会社でありまして、これはタケダのワクチンビジネスの大きなステップであります。今年初頭にわれわれの成長戦略の中でワクチンビジネスが非常に重要であるというお話をいたしましたけれども、LigoCyte社は特別な技術、ウイルス様粒子VLPという技術を持っています。これは特に抗原でその中の粒子がウイルスを模倣したもので、正常な免疫反応がその粒子に対して起こるというものです。

  • この会社で非常におもしろいのは、この技術の獲得をしたのみならず非常に重要なアセットであります、第2相のファースト・イン・クラスのノロウイルスワクチンも持っているということであります。ノロウイルス、ご存じない方のために申し上げますと、これはアメリカでの下痢疫病の最大の原因でありますし、またアメリカでは小児が下痢で入院をする第1の原因です。ご存じかと思いますけれども、非常によくあるウイルス、普通のウイルスでありますけれども、日々の下痢に関しましてもこのウイルスが関連をしているということで、CDCもこのウイルス対策をワクチン分野では非常に力を入れて呼びかけているところであります。また、RSウイルス、またインフルエンザ、ロタウイルスのワクチンも入っています。

  • また、前回7月にご報告をいたしまして以来3カ月で非常に積極的に活動してまいりました。今日、このプレスリリースにありますように、承認を得ております。まず、「ADCETRIS」の条件つき販売承認でありますけれども、これは難治性・再発性のホジキンリンパ腫の、それからまた、(せいしの)再発・難治性の全身性未分化大細胞リンパ腫の効能に対しての承認であります。

  • EUで「Revestive」でも承認を得ております。これは短腸症候群に対しての承認です。それから「ロトリガ」。これは日本での高脂血症に対しての承認となっております。

  • それが4つ申請をしております。この四半期の状況でありますけれども、vortioxetine、大うつ病。

  • それから統合失調症用に「ルラシドン」。

  • それから「ATL-962」、あるいはcetilistatが肥満症。

  • そして、これ日本政府の要請によりまして、興味深いことにlansoprazoleをヘリコバクター・ピロリ除菌ということで、アモキシシリンとクラリスロマイシン、もしくはメトロニダゾール併用療法ということで申請をしております。

  • 第3相まで進んでおりますのが「MLN9708」で、第3相の再発・難治性の原発性のアミロイドーシスの適応症を目指して行っております。

  • それから前のスライドでも触れましたものの詳細でありますけれども、まず「ADCETRIS」、これはSeattle Genetics社との共同開発でありますけれども、抗CD30モノクローナル抗体に抱合共有結合したADCであります。そして、ほかのCD30が陽性である他の腫瘍にも効果を有する可能性があり、ベンタナ・メディカル・システムズ社とCD30の発現レベルの確認を患者さんに行うため、分子診断キットについても開発を実施中です。

  • 条件つきの販売承認が再発・難治性のホジキンリンパ腫、それから再発・難治性の全身性未分化大細胞リンパ腫に対して獲得できました。また、自己幹細胞移植後のホジキンリンパ腫、それから再発性皮膚T細胞性リンパ腫に関しましては第3相。それからファーストラインの適応ということではホジキンリンパ腫、第1相。それからファーストラインでやはり全身性未分化大細胞リンパ腫に関しましても第1相という状態です。

  • あと2つ、非常に重要なCNS領域での進捗ですけれども、われわれにとってこの分野でのフランチャイズメーカーとなっておりますものがまず、多重作用メカニズムを持つvortioxetineという抗うつ薬であります。Lundbeck社からの導入品でありまして、10月に大うつ病を適応として申請しております。

  • 6つのグローバル第3相試験におきまして、有意な改善効果が5ミリ、ないし20ミリの1日当たりの容量範囲で見られております。13年度の日本での申請予定です。特に認知が高齢者うつ病の患者で改善をすることが期待されます。さらにこの点は臨床試験で明らかにしたいと考えております。

  • もう1つの製品が「ルラシドン」です。こちらはEUで、vortioxetineはアメリカのものでありましたけれども、こちらはEUで非定型の抗精神病薬です。大日本住友製薬との共同開発品でありまして、欧州におきましては2012年に統合失調症を適応症として申請いたしました。そして50以上の臨床試験データ、3,800例を含むデータに基づいています。米国では2010年10月、カナダでは2012年6月に承認を受けています。

  • あと、研究開発部門でのおもしろい点でありますけれども、パイプライン数ということで生産性が、これ、Pharma R&D Annual Reviewが毎年発表しているサイトラインというところのデータでありますけれども、タケダはパイプラインの数ということでは7位にランクをされております。昨年は12位でありました。また、トータルの売り上げでは13位であります。

  • 日本の企業として初めて製薬会社のトップ10に入りました。ただ、ここで示されておりませんけれども、すべての企業が、このレビューを受けた企業でありますけれども、その中でわれわれ、30%以上のアセットが、第3相という臨床開発段階にあるアセットを持っている唯一の会社であります。

  • ご清聴どうもありがとうございました。このような研究開発の進捗がありましたこと、私どもも非常に喜んでおります。

  • 司会

  • それでは、これより質疑応答に移ります。本日は東京会場、こちらの会場ですが、に加えまして、大阪会場、および電話会議からも質問をお受けいたします。それではまず東京会場の皆様方からご質問をお受けいたします。時間の関係からお1人2問とさせていただきますが、よろしくご理解いただきますようお願いします。ご質問希望される方は挙手をお願いいたします。

  • 山口 秀丸 - アナリスト

  • 入ってますね。シティの山口と申します。冒頭にプレゼンテーションの中で社長がコストをコントロールしていく部分が必要だということをおっしゃいました。各社ともにそのような動きを今していて、枕詞として1ビルとか2ビルとかっていう数字を挙げながら、コストをコントロールしていくというのが結構盛んなんですけども、御社の場合にはその辺は、規模感といいますか、かなり事業も拡大してますけども、については何らかのご示唆をいただけるような状況なのかどうか、それについて教えていただけますでしょうか。

  • 長谷川 閑史 - 代表取締役社長

  • このプロジェクトについてはスタートしたばっかりで、11月にインタリングの(ほこう)プロジェクトから受け、12月ぐらいにはだいたいのメドをつけたいと考えておりますので、今の段階では具体的なメドといいますか、数字については残念ながら申し上げる段階にはございません。

  • 山口 秀丸 - アナリスト

  • ということはスタートして形になれば、そういうことも含めてもうちょっと外に出てくるというふうに理解してよろしいんですか。

  • 長谷川 閑史 - 代表取締役社長

  • まあ詳細をどこまでディスクローズするかについてはちょっとまだ、今のところ考えておりませんけれど、できるだけトランスペアレントにはしたいとは思っています。

  • 山口 秀丸 - アナリスト

  • わかりました。あと2つ目の質問でちょっと定性的な質問で恐縮なんですけども、アメリカのあのリサーチについてデボラさんにお伺いしたいんですが。ここからはじゃ、英語で。早いので英語でいきますけども。

  • (通訳済み)オフィス・オブ・テクノロジー・アセスメント、米国の政府がFDAが10年から15年の間にアウトプットを2倍にしなくてはいけないと言っています。特にアンメットメディカルニーズの領域において、製薬企業と協業しなくてはいけないと言っています。興味深いこの報告書が出ています。

  • 私の理解というのは、御社はまさにこの領域の中で仕事をなさっているということですので、それが変わっていくことなのか、あるいは実際にこういった新しい研究をしていく上で2倍になっていくということで変わっていくのでしょうか。

  • デボラ・ダンサイア - 取締役 ミレニアム・ファーマシューティカルズInc社長

  • (通訳済み)FDAはしっかりとした動きをとって、何が数多くの様々な領域の中で承認において必要かということを打ち出しています。特に高いアンメットメディカルニーズがあるところにおいてはそれが顕著です。ですから、どこにバーが設定されているのかということがはっきりしています。

  • ですから実際に様々なアンメットメディカルニーズが高いところに関してのエンドポイントに関しては、現行のものと、また新しいものというものができています。ハンブルグ長官が実際にこの領域においては導きの明かりを照らしており、われわれはFDAがコラボレーションの精神を持っているということが確認できています。そしてその道をたどっていると思います。

  • 私どもの懸念しているのは、予算の状況がどうなるかということなんです。というのもご存じのように、予算の削減が2013年の1月に実施される見込みです。一方でそれが遅れますという考えもあるんですけれども、FDAの予算は、この予算削減を受けて削減されます。そうすると恐ろしい状況になります。FDAが前進をできなくなってくるわけです。アンメットメディカルニーズが高い領域において前進できなくなるということで、われわれは注意をして見ております。

  • 山田 忠孝 - 取締役 チーフメディカル&サイエンティフィックオフィサー

  • (通訳済み)1つFDAの抱えている困難なこととして、プロセスとしてFDAが業界とコラボレーションをしていくためのものがなかったんです。数年前に設置された非常によい仕組みがあります。これはレーガン・ユーダル・ファウンデーションと呼ばれるもので、このファウンデーションはFDAの外に設置されたものですけれども、FDAが支持していますし製薬業界も支持しています。

  • そしてこのファウンデーションの主たる目的は、協業的、またインタラクティブなリサーチプロジェクトを設置して、これはしばしば創薬開発、そして承認のプロセスを強化していくものです。

  • 漆原 良一 - アナリスト

  • ええ、ありがとうございます、ご説明。2つあります。野村證券の漆原と申します。

  • 1つが、長谷川社長のお話ともつながるところなんですけれども、いろいろな変化が御社の中で今起こってらっしゃって、ワーキングキャピタルの圧縮という記事も日経さんが書かれて大きな変化があって、このままいきますと2015年3月期、2016年3月期というのは借入金を、現預金とか有価証券から借入金とか全部さっ引いて、運転資本もさっ引いていくと、お金が余ってくるステージが始まると思うんですけれども、そのときに御社としてはこのお金余ったのをどういうふうに使われるのか。もう1度M&Aのほうに使われるのか、あるいはそうではなくて、もうインフラが整ってるので株主還元策のほうに端的に言うと使われるのか。考え方をまず1つ教えてください。これが1点目です。

  • 長谷川 閑史 - 代表取締役社長

  • そんなにカネ余る。それは別にして、今、私どもがやろうとしていることは、もちろん社内のディスカッションでもいろいろやっておりまして、借入金はしてますけどグローバルスタンダードとしての、例えばマルチナショナルなファーマシューティカルカンパニーとデッドエクイティレシオ比べるのはまだ低いから、もっと借りてでも、いい投資があればやるべきじゃないかというディスカッションもありますが、今、シニアマネジメントチームとして決めておりますのは、まずはボトムラインの、特に営業利益を改善しようと。

  • それをある程度メドがついた段階で、もう1回投資の機会とかを見て考えようじゃないかというふうに思っておりますが、前から申しあげておりますようにわれわれのM&Aはギャップ・フィリング・ストラテジーでありまして、そういう意味ではもう、インフラのギャップはほぼ埋め尽くしたというふうに思っております。

  • あとはパイプラインということになりますけれど、パイプラインの獲得についてはもう先ほどタチの話にも出ましたし、その前にも今年の初めに行われましたIntellikineとか、いろんなそういうところを見つけて買収は今後もやっていくと思いますが、それはとうてい100億円台の後半のほうとか、そういうマグニチュードにはならないというふうに考えてます。

  • それで、株主の還元につきましては、今の段階では年間180円の配当をできるだけ少なくとも維持はしていって、大幅に利益の改善が出た段階でそういう投資機会とのバランスを見ながら、どちらが株主の皆様にショートターム、ロングタームでリターンがもたらされるかを考えて判断をしたいと思ってます。

  • 漆原 良一 - アナリスト

  • わかりました、ありがとうございます。2つ目が研究開発のところなんですけれども、ただこれも最終決定権持ってらっしゃる社長にお伺いしたいんですけれども、「TAK-875」という薬がありますよね。この申請のタイムラインというのはアメリカでだいたい2015年の前半とお伺いしてるんですけれども、CVテストの試験が始まってものすごくお金がかかるステージに来てると思います。

  • ここの、今までのお話でいきますと、コスト削減であるとかR&Dのバジェットのところで、御社単独で開発を続けていかれるのか、あるいはパートナーを見つけていって、開発費とか事業リスクの分散をしながら加速をさせるという考え方、あるのかどうか。この点を最後、2点目お伺いしたいんですけど。

  • 長谷川 閑史 - 代表取締役社長

  • 本当はタチのほうがふさわしいんですが、私ご指名でありますから私がお答えいたしますが、これも社内でさんざん論議をいたしました。その結果、やっぱりこの製品の、まあこういうことを言うのはちょっとあまり言いたくはないんですけど、ブロックバスター・ポテンシャルだというふうに考えておりますから、多くの企業からぜひ一緒にやらせてほしいとかいうアプローチがたくさんありましたし、今もありますけれど、今の段階ではもう独自で開発をすると。

  • それから、その「875」の開発費用を含めて、中期の計画の中に織り込んでいる範囲でマネジャブルだというふうに考えておりますし、それで最大限のスピードでできるというふうに思っておりますから、今の状況が大きく変わらない限りはその方針を保持したいと考えてます。

  • 漆原 良一 - アナリスト

  • わかりました。ありがとうございます。

  • 司会

  • どうぞ。

  • 村松 - メディア

  • 日本経済新聞の(村松)です。長谷川社長に2点お尋ねいたします。まず1点目なんですけれども、一般論、マクロ経済として最近、新興国の景気の減速といいますか、拡大ぺースの低下といいますか、が言われていますけれども、いわゆる御社にかかわるヘルスケアセクターでその新興国の今後について、いわゆるやはりマクロ経済同様に減速は減速としてこれ、ご覧になっているものなのか。それともヘルスケアセクターはそれとは別だと考えるべきなのか。それがまず御社の今後の新興国戦略にどんな影響を与えるか、お教えください。

  • 長谷川 閑史 - 代表取締役社長

  • 一般論で言いますと、製薬産業は景気の変動にあまり左右されないというふうに言われてますし、その一般論的な、は、新興国にも私は当てはまるというふうに思っています。

  • 例えば中国は十数パーセントの成長を続けていたのが今は7%台ぐらいになってますけれど、いったんヘルスケアのサービスを提供しだしますと、それを、特に中国のような国でカットするということは、それでなくても政府に対する様々な不満から年間10万件以上の暴動が起きているような国が、それをやるということはなかなか考えにくいし、また難しい。

  • 中国の場合は健康中国2020年プランとかもつくってやっておりますから、かつてのような20%を超える成長を毎年続けるとは思いませんけれど、10%の半ばから後半の成長はここしばらく続くであろうと思いますし、それと同じマグニチュードとは言いませんけれど、ロシア、ブラジルのようにわれわれが強いプレゼンスを持っているところについても、マクロの経済との関係からいけばおおむねそういう傾向で判断して、そう間違いはないと判断してますけど。

  • 村松 - メディア

  • 2点目なんですけれども、今まさに、こう並んでおられる方も相当国際色豊かになられましたけれども、いわゆるボードメンバーにノンジャパニーズが増えられたのもだいぶ定着したように思うんですけれども、社長ご自身、ノンジャパニーズの方が増えたことによる御社のガバナンスであるとか意志決定に変化は出ているのかということと、今後さらにこの傾向は強まるのか。これについて教えてください。

  • 長谷川 閑史 - 代表取締役社長

  • まずガバナンスとか意志決定については、より活発な論議ができて、なおかつ最終的にはいい判断がスピーディにできるようになっているというふうに思います。

  • 今後その傾向が続くかどうかについては今の段階では申し上げられませんけれど、われわれがもう、いわゆる何て言いますかね、ポイント・オブ・ノーリターンって日本語で何て言うの。引き返すことができない地点をもう越えてしまいましたから、グローバル化という点では今後も強く進めていくことになると思います。

  • 村松 - メディア

  • ありがとうございます。

  • 司会

  • 少々お待ちいただきまして、今、大阪本社会場のほうからご質問がございます。大阪会場よろしくお願いいたします。

  • 藤原 - メディア

  • すみません、産経新聞社経済部の(藤原)と申します。よろしくお願いします。1点なんですけども、今回の直接、4-9月期の決算のことではなくて大変恐縮です。

  • 関西電力が先だって値上げの発表をされまして、御社も関西に事業所、拠点等をお持ちになっていらっしゃると思いますけど、今回のその関電の値上げ方針の発表に対するご見解と、それから今後考える対策がもしございましたら教えていただけますでしょうか。以上です。

  • 長谷川 閑史 - 代表取締役社長

  • 見解はユーザーの立場からいけばないほうがいいに決まってますが、特に関電さんのお立場を考えると、ほぼ50%を原発に依存しておられて、大飯を除いて再稼働のメドがついてない段階で、今のままでいけば年間2,000億円を超えるような赤字がずっとたまっていって、来年には、来年、再来年ぐらいですかね、債務超過にもうなりかねないというふうな状況の中で安定供給を続けるということを考えれば、今の規制庁がそう早く動けるとも思えませんので、値上げを訴えていかれることについてはやむを得ないというふうに、ある程度やむを得ないと考えます。

  • 一方でわれわれはそういったことによる、場合によっては、極端な場合は計画停電も考えられるということから、ガスエンジンの自家発電機をもう2機購入をしておりまして、それによって相当の部分は補えるような形になっております。

  • ただ、そのガスエンジンについては今の売電との関係からいけば若干高くなるように、私の記憶では思ってますが、値上げとのバランスでそちらのほうがコストコンペティティブになれば、そちらを活用することによって少しでも節電と経費の削減を図るということを、代替策として実行できるようには準備はしてます。

  • 藤原 - メディア

  • ありがとうございました。

  • 司会

  • はい。それでは東京会場に戻りまして。2列目の方。

  • 小野塚 昌之 - アナリスト

  • JPモルガン証券、小野塚ですけれども2点お願いしたいんですが、1点目が国内売り上げについてで、通期のご予算、全体としては変えていないんですけれども、入り繰りが変わっていて、見えているところだけ計算すると国内の医療用が135億円減額。海外が同額増額になっているんですけれども、この点に関して、もともと「ネシーナ」等の予算が意欲的すぎたのでこういう結果になったのか、それとも相対的なディテールのシェアとかが落ちているとか。どのように御社としては分析をされているのか教えてください。

  • 岩﨑 真人 - 取締役 医薬営業本部長

  • 私のほうからお答えしますけれども、「ネシーナ」の計画についてはかなりアンビシャスに立てていたというのは実態だと、それは事実だと思います。現在でも、そのターゲットに向かってわれわれは走っているわけですけれども、実を言いますと当初よりも、当初予想していたよりも開業医さん、特に開業医さん市場での採用率がちょっと進歩が遅いというところがあります。

  • もう1つは、実は「ネシーナ」はインスリンとの併用の効能を持っていません。「ジャヌビア」はその点を持っていまして、これはまあ、われわれの読み違いだったというふうに認めざるを得ないんですけれども、その部分がちょっとネガティブに働いているところは事実です。

  • しかし、もともとのDPP-4の市場の特性からいきますと、より軽症のところから当然、市場は受け入れるべき薬剤だというふうに私は考えておりまして、そういう観点からいくとまあ、まだまだ市場はあると思ってます。

  • いいほうの話からいきますと、はっきり申し上げますとわれわれが狙っているターゲットがいく、いかないというよりは、その時期がいつかというふうな考え方を私どもはしてまして、実は日本でのブロックバスターである「ブロプレス」ございますけども、「ブロプレス」と同じ立ち上げのところのカーブまでは、もうすでに今来ております。

  • それが1つと、それからDPP-4そのものの全体市場の伸びよりも、「ネシーナ」の進捗は10%、20%のレベルで上を走っておりますので、少し遅れているというのは事実でございます。

  • 1つのファクターは、うーん、あれもあるんですよね、「アジルバ」が出た時期が5月の28日。そこから、非常にまあそういうことを言うと「アジルバ」のほうの評価はすごく高いんですけれども、私どものMRそのものもちょっと市場、先生方からの問い合わせですとかいろんなところに走った部分があって、数カ月間「ネシーナ」のちょっと伸びが少し鈍化したとこがあります。今は「ネシーナ」に対するフォーカスはだいぶ戻ってきてますので、そういう意味では少し遅れてはいますけれども、いい方向に行くんだと思ってます。

  • それからもう1つ、私どもが唯一持っております「ネシーナ」と「アクトス」の合剤ですね、「リオベル」ですけれども、だいぶ専門の先生方のところでその有用性の評価が固まってきてまして、「リオベル」そのものへの関心もだいぶ高まってきてますので、そういう意味でいくと「ネシーナ」ファミリーとしては、少し進捗はスピードは遅いですけれども、大きな問題があるというふうには私どもは見ておりません。

  • 小野塚 昌之 - アナリスト

  • わかりました。もう1点がR&Dのところで、幾度となくR&Dの予算3,100億円に収めるというお話がありましたけれども、これは下期に何らかのアクション、優先順位づけ、パートナリングの加速化、何らかのスケールのアジャストメント等がかなり大きなアクションとして必要なのか。それともたまたま前倒しになってスムーズにいってるので、自然体ではまあちょっと難しいかもしれないですけど、自然体に近い形でもうきちんと収まるのか。どのようなお考えでしょうか。

  • 長谷川 閑史 - 代表取締役社長

  • 私は自然体と言いたいところですが、タチはそうじゃないと思ってますからタチに答えてもらいます。

  • 山口 忠孝

  • (通訳済み)数字を見ますと、実際に使った額は年額の半分もいっておりません。ですから下期はだいたい同じ額を支出するということになると思っています。

  • いつの年でもより下期のほうが多かったり、上期のほうが多いということがあります。通常は下期のほうが多いわけですけども、ですからわれわれは上期は少なくしたわけです。

  • 今年、しかしながらより多く使いました。その理由は非常に活発な後期の段階にある「875」、「9708」、「TAK-700」、「438」といったプログラムがあったからです。それがかなりの支出を要しました。そしてこれが安定した形で継続すると見ております。

  • そしてわれわれがとったアクション、つまり優先順位づけがありましたので、後期のプログラムに焦点を当てることができました。そしてきちんとR&Dのパイプラインの活動を予算内で収めていくことができると思っています。

  • 司会

  • 2人目の方ですね。

  • 酒井 文義 - アナリスト

  • クレディ・スイスの酒井です。社長の、営業利益率20%ということでちょっとお聞きしたいんですけれども、2014年、もともと中計で設定されてた水準は14%ぐらいじゃないかと思うんですが、ちょっと手元に数字がないんではっきりしないんで、多分そのくらいじゃなかったかなと。ですから6%の改善ということですよね、そこから。

  • これ、IFRSを導入すると(承継)が300ぐらい吹っ飛びますから、自然にそこはもう改善してくる。

  • 長谷川 閑史 - 代表取締役社長

  • よくご存じですね。

  • 酒井 文義 - アナリスト

  • ええ、計算するとそうなりますよね。そうすると、あんまりパーセンテージで言うと改善の余地って3%かそのぐらいですよね。あんまり胸を張って言える数字じゃないと思うんですが、いかがですか。

  • 長谷川 閑史 - 代表取締役社長

  • まあ、それは主観の問題でありますけれど、3%といえども、そう簡単に達成できる数字ではありません。特に私どものビジネスポートフォリオが変わりまして、やはり相対的には非常にプロフィッタブルではありますけれど、プロフィタビリティという点では先進国のパテント・プロテクティッド・プロダクト比べると低い。

  • 新興国であれだけの売り上げの伸びを実現してますし、それが牽引力として使うとすると、相対的なSG&Aの比率は少し上がらざるを得ないということも当然ありますから、それらを含めて考えますと、その数パーセントの部分について、決してわれわれとしてはイージーターゲットというふうには思っておりませんし、あの発表の、冒頭の挨拶でも申し上げましたように、インダストリーのノームのまあ下の限、下限ぐらいのところ、トップのレベルの会社のですね。そこまでには14年にたどり着きたいと。

  • ただ、そこから先もまあ、その先のゴールは持ってるわけですけれど、今の段階であまり先まで発表してもしようがないし、具体的には先ほど質問がありましたときにちょっと、十分お答えできなかったんですが、マイルストンとしては11月の末とか12月がありますけれど、来年の5月に決算発表し、中期計画を発表するときに、できるだけ皆さんにおわかりいただけるような形で発表することを考えていることを申し添えておきます。

  • 酒井 文義 - アナリスト

  • わかりました。それとちょっと関係する2番目の質問なんですけれども、いわゆる新興国にはこれから投資をしていかなきゃいけないと。コストもかけますよと。マージンはただ、改善していきますということだと思うんですが、その中で、これは新聞報道ですけれども、例えばURLのジェネリック事業を売却するようなニュースも出ていたと思うんです。

  • こういうファインチューニング、そのための、マージンを改善するための。今後何か具体的に出てくるのか。それとも結構まだ今、Adbinusとかいろいろなところの、アメーバ的に提携されてますけど、こちらの動きが先に先行してくるのか。この辺、経営として今どうお考えなんですか。

  • 長谷川 閑史 - 代表取締役社長

  • いや、それはですね、オポチュニ、チャンスが出てきたときに、そのときどういう優先順位をつけて考えるかということであるのと同時に、われわれ自身は今そういうインライセンス、プロダクト・アクイジション、あるいはM&Aに使えるキャッシュはどのぐらいあるかということを常に追っておりまして、それをじゃあ、POCCの以前のものと、それから以後のものにどのぐらいの割合で投資をするかということも、シニアマネジメントチームの中でさんざん論議をした上で、だいたいのメドは決めております。

  • その範囲の中で、BDがオペレーション部門とディスカッションをしながらチャンスを探してきているという状況なので、どちらに移動するかということは今の段階では申し上げかねます。

  • 最初のほうの質問については、フランク、(通訳済み)彼の最初の質問のほうにお答えになりますか、モリッヒさん。

  • フランク・モリッヒ - 取締役 チーフコマーシャルオフィサー

  • (通訳済み)われわれが今見ているのでは、新興国の利益率というのは、やはり基本的にはその規模の関数になっているということで、多くの市場で、すなわち大きなところ、ロシア、ブラジル、こういったところで利益率が市場の伸び以上に伸びている、改善しているということが言えます。短期的に見ておりますと、まあ明らかにこれは、ですから機能しているということが言えると思います。

  • 一方で、国としてまだ相対的に小さな国にも投資をしています。ではありますけれども、平均の新興国におけます利益率ということで言いますと、われわれこういった国の市場には後から参入をしているわけですけれども、すでに今非常にいい状態だということが言えると思います。

  • 司会

  • ありがとうございます。時間も迫ってまいりまして、あとお2人ぐらいでご質問とさせていただこうと思いますが、先ほどから大阪のほうで質問がございますので、先に大阪のほうをご案内いたします。

  • 安藤

  • すみません、長谷川社長にお伺いします。すみません、日刊工業新聞の(安藤)と申します。長谷川社長にお伺いいたします。

  • 決算とは直接関係なくて恐縮なんですが、御社、海外を含めて製造拠点整備されているかと思うんですけれども、一方で日本国内の医薬品の外部委託生産が市場拡大しておりますが、御社の外部委託に対するお考え、簡単にお聞かせいただけるでしょうか。よろしくお願いします。

  • 長谷川 閑史 - 代表取締役社長

  • 国内における外部委託のことだというふうに思いましたが、私どもは、例えば中間体の外部委託につきましては、国内だけではなくて全世界的に最も品質と、それからコストを考えて、理想的な相手先を考えて委託をしております。

  • 国内につきましては、光工場のほうに製剤の工場を、最も進歩した技術、ステート・オブ・アーツの工場を作りましたので、そこの稼働率を上げることによってできるだけコストを下げるということで、従来はあきらめておった3交代制も導入をするということでコストダウンをやり、インドにも対抗できるという形を一応目標にしてやっております。

  • その稼働率を上げるために今、委託をしておるところからもわれわれのほうに、計画的、段階的にあまり向こう様に迷惑をかけない形で、話し合いをしながら進めているのが実態でありますので、ここ当分はそれを何と表現するのか、人によっては引き戻しと言っておりますが、そういうことをやっていくことになると思います。

  • 司会

  • 長谷川のほうから、もう少し質問をお受けするようにという指示がございました。他社さんにおけます決算説明会、今日はないようでございますので、引き続き質問をお受けさせていただきます。最前列1番向こうの方。

  • 藤本 - メディア

  • じほうの(藤本)と申します。海外展開のお話が多いんですが、改めて国内の医薬品事業の位置づけというのを、改めて会社として教えていただきたいのと、実際国内の事業だとスペシャリティの領域で強い外資のほうが着実に業績を上げています。その中で今後、中長期的に見て武田薬品はどんなふうに対抗していくのか。改めてその辺りの展望、課題、教えてください。

  • 長谷川 閑史 - 代表取締役社長

  • 一般論といいますか、マクロの観点からの話は私がして、具体的な外資と国内でどう戦っていくかについては岩崎のほうからちょっと後ほど話をさせたいと思いますが、基本的に私どもは、ナイコメッドを買収しなかったらおそらく国内の売り上げが5割に達するような、そういう状況にここ数年、といっても3~4年か4~5年の間になるような予想を内部ではしておりました。

  • それはやっぱり日本の、今は相対的に見れば先進国の中で2~3%の成長でも結構な成長だということは言えるわけではありますけれど、先進国とも比べてもそういったところにあまり大きく依拠することは、やっぱり事業のポートフォリオ上のリスクが多いということから、外を伸ばすことによって相対的な比率、中では伸ばしながらも相対的な比率を下げていくことが将来の事業バランス、あるいは安定性からいってもよろしいのではないかということで、そういうことを考えており、今の趨勢でいきますと先ほどは言いませんでしたけど、例えば新興国は今、うちの全体のポートフォリオのうちの、多分今年の終わりぐらいで14~15%ぐらいになると思うんですが、それがあと3~4年のうちには20%を超えるという形になると思います。

  • 一方、その分、国内の比率が相対的に減って、多分30%の半ばか後半ぐらいまで、これ輸出を含めるかどうかによってちょっと違うんですが、実力ベースで見れば30%台の半ばぐらいにまで相対的に、そういう意味での、中のポートフォリオでは下がっていくの ではないかと思います。

  • で、後半の質問については岩崎のほうから。

  • 岩﨑 真人 - 取締役 医薬営業本部長

  • ご質問のときにちょっとコメントのありましたように、外資はスペシャリティエリアが非常に強くて、私どもはどっちかっていうと生活習慣病のところに頑張っているというイメージがあるかもしれませんが、確かに生活習慣病全般はやっぱりタケダのコアの部分でありまして、今の「ネシーナ」、それからこれからパイプラインにあります、週1回型のDPP-4ですとか、「875」、それから「アジルバ」、それからつい先日ですか、公表しました「ATL-962」という抗肥満薬の申請も済ませてますので、それから「ロトリガ」という中性脂肪の改善薬ですね。

  • これら全部合わせてターゲットの患者さん、それからドクターもだいたい似たようなところにいきますので、そこはトータルでこれからもずっと追っかけていくことになるんですけれども、じゃあスペシャリティエリアを私ども弱いかというと、実はそんなこともなくて、「ベクティビックス」で見ていただいたように私どものやり方で、スペシャリティに特化していくやり方でないやり方で、結局「ベクティビックス」も同じカテゴリーの中では先行薬を抜いてもっと強いポジションに来てますし、例えばRAのエリアでいけば、ファイザーと一緒にはやってますけれども、「エンブレル」では患者ベースではもう1番売れているふうな薬剤になっておりまして。

  • 私ども別にジェネラル体制で全部やっているわけじゃなくて、がんとイムノロジーのエリアはスペシャルコーディネーターというふうな、スペシャリティに特化したようなメンバーも置いてきています。

  • これから出てくる製品も、がんにおけるパイプラインはかなり多くのものが、すでにもうご覧になっていただいているようにパイプラインにずいぶんありまして。それから、これから出てくる、ファイザーとこれも一緒ですけれども、JAKのインヒビターですとか、スペシャリティエリアを決して、われわれの不得意領域というふうには考えていません。

  • 司会

  • ありがとうございます。それじゃ真ん中辺かな、挙げてらっしゃいます。カッターシャツの方ですね。

  • 水野 要 - アナリスト

  • 東京海上アセットマネジメントの水野と申します。1つだけなんですけども、ワクチンなんですけども、御社、LigoCyteを買収されましたけども、このフェーズ2にあるものの商品化に向けての時間軸のイメージと、あとワクチン事業はグローバルに展開していく上には、参入障壁として製造設備の整備というのがあると思うんですけども、これについてどのように今後ご計画を立てたんでしょう。

  • 山田 忠孝 - 取締役 チーフメディカル&サイエンティフィックオフィサー

  • (通訳済み)ノロウイルスワクチンで2相にあるもののことをおっしゃっているのでしょうか。

  • 1つ重要な違いがあります。ワクチンと医薬品に関してですけれども、ワクチンの販売のされ方ですけれども、米国を例に出しますと、最も重要な方法というのはCDCが接種義務を宣言するということなんです。そうするともちろん使われるようになります。ほとんどの開業医、小児科医が使います、CDCの宣言によってです。

  • いったんすべての子どもが受けなくてはいけないという宣言がなされますと、それが実現化します。アメリカでロタウイルスの接種率の上昇も非常に短時間にありましたし、ヒトパピローマも同じです。CDCがノロウイルスに関しても接種義務を宣言すると、われわれとしてはその接種率の上昇というのが短期間に起こると想定しています。

  • 参入障壁は開業医向けの製品と比べると異なっており、低いです。多くのMRが訪問して、そして医療パターンを変えてもらって、処方を出してもらわなくてはいけません。

  • 製造に関しては外部委託を考えています。おそらく外部委託で生産をすることに、製造することになると思います。

  • 水野 要 - アナリスト

  • ちょっと補足なんですけども、将来ワクチン事業、さらにこの1品目じゃなくて、さらに広げていく場合にも、製造というのはそういった形で外注というふうになっていくんでしょうか。

  • 山田 忠孝 - 取締役 チーフメディカル&サイエンティフィックオフィサー

  • (通訳済み)重要なのは、われわれ社内の製造拠点も光にあります。ルーチンのワクチンも、インフルエンザのワクチンに関しても持っています。日本政府がサポートしているワクチンです。私どもは様々な種類のワクチンを持っております。

  • ですから、われわれのワクチンの既存の設備での製造、そして外部委託の製造という判断はどういったチャンス、そしてどれほどの数量のドーズが最終的に供給されなくてはいけないかということによって決まってくると思います。

  • 司会

  • 後方のほうでもう一方、手を挙げてらっしゃいます。

  • 岡田 - メディア

  • 東洋経済の(岡田)です。社長と山田さんにお聞きしたいんですが、資料の中でパイプラインの数が世界で第7位というようなことが書かれているんですが、実力としまして何位ぐらいにあるというふうにお考えなのか、ちょっと何か非常に変な質問で恐縮ですが、専門家でもあります山田さんのほうから、今まで就任してから、どの辺に問題があって、どういうふうにこの辺改善してきたのかを含めてお聞きしたいということが1つです。

  • あと社長には、逆に山田さんに今のポジションになられ、起用されて、どのように改善が図られてきたというふうに評価されているのか、ちょっと教えていただきたいんですが。

  • 山田 忠孝 - 取締役 チーフメディカル&サイエンティフィックオフィサー

  • (通訳済み)私の、もちろん今後の希望としては1番になりたいわけです。ですので7位というのはいいんですけれども、もちろん1位になったほうがよりいいということで。ただ問題はどのぐらいの期間かかるかということです。

  • タケダは非常に強力なベースがあると思います。研究のサイエンティストも優れた人たちがいますし、強力な開発の組織もありますし、またCMCも非常に卓越した組織があります。ですので、私のGSKでの、前職での経験から言いましても、タケダが本当に主要なリード企業、研究開発ということでなれる、その障壁は特にないと思います。

  • われわれは恵まれておりまして、非常に強力な後期段階のポートフォリオがあります。最近多くの製品で承認も得ておりますし、また、この3年、4年で進んでくるものもずいぶんあります。それを構築していくには時間がかかりますけれども、しかしその周期的にも考えましても新しい製品が研究開発から出てきますし、またパートナーとの提携ということでも出てきます。われわれ積極的にそれをやっていこうというふうにしております。

  • ですので、ポートフォリオは非常に持続可能な状態になっていると思います。後期の段階のものが非常にいい。また、それはあるし、また長期的にもいいと思います。また、多くの分野で生産性を上げています。

  • ニーズについては承知をしております。いろんな形で手を打ちまして、例えばAdbinusと提携をして、これはわれわれのスライドの中にも1枚あったと思いますけれども、そういった活動もわれわれが生産性を改善しようということを活動しているということを反映しています。

  • パートナーシップによりまして、現在のタケダのコストに関しましてもその分散化が図れます。それで生産性の改善も図れるということで、パイプライン自体は非常に強力でありますし、またいろんな成長機会が近い将来にもあるというふうに考えています。

  • 長谷川 閑史 - 代表取締役社長

  • 若干関連するんですが、私どもの組織は私の目から見ても、過去の成功体験にある意味ではおごっているとか過信をしてて、世の中がどう変化をしているか、自分たちはよそと比べて本当にトップを走っているのか、いろんな意味でですね、そこのところが謙虚さが足りなかった部分が今、いろんなところでひずみとして出てきているように思います。

  • 岩﨑もあまりは言いませんでしたけど、営業本部もその例外ではないと思っていますが、研究本部について言えば、ただ、まあ1つの救いはタチのような人だとか、あるいはドクター・イズモという人が来てることは皆さん、どこまでご存じかわかりませんが、そういう、海外で非常に経験を積んだ人が来てもらってわれわれの研究所を見ても、質は非常に高いということは言ってくれてます。

  • したがってそれは、私としてはある意味では安堵であると同時に、逆に言えば、じゃあその人たちを十分に有効に使い切れてないという部分でマネジメントに問題があったのではないかなということも、また思わせるわけでありますが、タチやポールや、それからドクター・イズモのような人が来てくれて、いろんな過去の経験の引き出しの中からアプローチを提供してくれてます。

  • 例えばさっき出てたAdbinusなんていうのは、研究所の中では、何であんなとこにあんなことをやらせるんだという反対があったぐらいですけれど、きちっと理屈を説明して、そうやることによって力仕事の部分は安いところでやっても、それでフリーアップしたキャパシティをもっとクリエイティブなところに使おうじゃないかということをきちんと理解をさせたり。

  • タチはいませんでしたけど、今まで例えば領域ごとにセグメントされてて、その領域では必ずしも初期の目的を達成するような効果が見出せなかったものでも、ほかの領域ではどうかということを見るために、彼自身は物置プロジェクトと彼自身がつけた名前でありますけれど、今シェルフに残ってるやつのサルベージをどうやってやったらいいかとか、わざわざクロスファンクションで見るための、またファンクションを作ったりとか、様々な形のアプローチをしてますし、さっき言ったオープンイノベーションも彼やポールが来てからやり出したことでありますし。

  • そういったことをやることによって、若い人たち、あるいはリサーチャーのモチベーションを上げる。で、結果が出てくればよりよい形になる。

  • その1つ、もう1つの例がターゲットのセレクションから(NB)までの間が私どもは、言うのも恥ずかしいんですが、グローバルスタンダードのベストのレベルから比べると倍以上も期間がかかってて、彼らに、研究者に言わせれば、それなりの重厚なチェックポイントを設けることによって、より確率の高いものが出るんだという論理のもとでやってたんですが、そうじゃないやり方でより早く、よりいいものを出しているところもあるということをちゃんとした事実で見せることによって、みんなもう1回考え直すということで今、プロジェクトが何とかそれを、じゃあわれわれも実現しようということで方法を見出しつつあるようなこともありますから、そういった点で私は今、効果が表面に具体的な形で出てくるのはまだ少し時間かかるかもしれないけれど、内容の面でおいてはもう十分にそういうショックウェーブが下のほうまで伝わってきつつあるというふうに感じてます。

  • 司会

  • ありがとうございました。10分追加いたしましたQ&Aの最後、とってもいいクロージングの質問で終わらせていただこうというふうに思っております。

  • 本日は本当にたくさんの皆様方、また、たくさんの質問をいただきましてありがとうございました。今後ともよろしくご支援のほどお願い申し上げまして、本日の説明会を終了とさせていただきます。どうもありがとうございました。

  • 注-- このトランスクリプトで(通訳済み)と注釈がついている部分は、イベント中にライブで通訳者によって通訳されたものです。通訳者はこのイベントをスポンサーする企業によって提供されました。