使用警語:中文譯文來源為 Google 翻譯,僅供參考,實際內容請以英文原文為主
長谷川 閑史 - 代表取締役社長
改めまして、当社の決算発表に多数ご参集いただきまして、ありがとうございます。最初のスライドを出していただけますか。
タケダとナイコメッド社が先月10月1日に正式に1つの会社になりました。このことを皆様の前でこうしてご報告できることを、心から喜んでおります。クロージャー、本当はもう1カ月ぐらい早くやりたかったんですが、いくつかの国のアンタイトラストのクリアランスが少し手間取りまして、最終的にはまったく問題なくできたんでありますけれど、結果としては当初の予定どおり9月末ということになりました。
タケダは革新への挑戦とダイバーシティへの推進を含めた活力ある企業風土の創造を通じて、持続的な成長を実現していくという経営方針の実現に向けて、着実に歩を進めているところでありますが、このたびのナイコメッド社の統合が当社が真のグローバル企業に向けて、新たなタケダへの変革を加速するものということを強く確信をいたしております。
買収終了後の10月1日から統合に向けたプロセスが本格的にスタートいたしました。向こう3年間かけてすべての統合プロセスを完了する予定でございますが、このスライドにお示しをいたしておりますように、そのプロセスを3つのフェーズに分けております。
第1フェーズは、Transition Management and Planningということで、買収完了まで、9月末までのフェーズであります。それは予定どおり終了いたしました。
10月1日より第2フェーズ、Respect & Learn、買収完了後の12カ月間にわたりまして当社のビジョンでありますとか、バリューでありますとか、そういったものと先方のビジョン、バリュー、そういったもののすり合わせを行い、お互いの強さを生かしながら新しいものを作り上げていくということでありますが、もちろんのことではありますけれども、ミッションにつきましては、これはいわゆるノンネゴシアブルという当社がどういう形態になれ今後も変えていかない、守っていくべきものでありますので、その範囲の中においてビジョンでありますとかバリューをこれからすり合わせを行っていくということであります。
それから第3フェーズは、それが終了した後、Fine Tuningをやりながら、さらにインテグレーションを進めていく。そういうプロセスを考えております。次、お願いします。
5月のナイコメッド社の買収公表以降の統合準備期間、あるいは10月以降の統合プロセス開始後に、私どもはナイコメッド社が当社が期待していだ以上に優れた会社であることを確認をすることができました。
先月の半ばにも当社の主要シニアマネジメントメンバー、全部チューリヒに行きまして、アドバイザリーボードをそこで開催すると同時に、ナイコメッド社の新興国のビジネスのアップデートレビューも行ってまいりました。
そのような経験を踏まえまして、特に例えばロシア、ブラジル、中国といった急激に成長する新興国市場における伸びを、市場の伸びを大きく上回る成長が実現できていること。さらにはさまざまな経験やバックグラウンドを持ち、グローバルに通用する多くの優秀な人材を当社に加わってもらったこと。それから、迅速な意思決定に加え、常にチャレンジし、リスクをとることを恐れない、いわゆる企業家精神、アントレプレナーシップといいますか、それにあふれた組織であること。シンプルで効率的な組織体制に加えて、キャッシュリッチな事業運営をしてきた当社とは異なる厳格な資金管理を実施していること。当社でも少しでも早く借入金を返済すべくネットワーキングキャピタルの削減等に本格的に取り組んでいるところではございます。さらには新興国における競争力を担保するローコストかつ多品種の生産体制と能力。
これら当初の想定以上のナイコメッド社の強みを確認でき、買収合意時の非常にエキサイテンィグな気持ちが改めて間違っていなかったという思いを強くしているところでございます。
グローバルに、グローバルマーケットにおける成長ドライバーが、何度も申し上げておりますように、先進国から新興国にシフトする中で、ナイコメッド社の地域別売上高を見ますと、新興国市場の割合が増加しており、同社の強みであります急成長する新興国市場における、市場の伸びを上回る売上高の伸長が同社全体の業績を牽引していることが、このグラフを見てもおわかりいただけるとおりであります。
一方で「パントプラゾール」の特許切れ、ジェネリック参入によるヨーロッパの売り上げ減少はかなりスローダウンをしておりまして、いずれ近いうちに下げ止まるのではないかというふうに見ております。
一例といたしまして、ロシア/CIS市場におけるナイコメッド社の状況について見てみますと、ナイコメッド社がロシア/CIS市場に進出してほぼ20年になります。すべて自らの手で作り上げたオペレーションでありますが、同社は競合他社を上回るスピードで成長を実現してきておりますが、現在ではこのロシア/CIS市場においてリーディングカンパニーの一角を占めるに至っております。
売り上げランキングで見れば8位ぐらいに位置しているようでありますが、上位の数社との売り上げの差はほとんどないに等しい状況でありますので、近いうちにもう少しランクは上がるものというふうに考えております。同市場におきましてこのようなナイコメッド社の強力な事業基盤を生かしまして、その上に当社の既存製品やパイプライン製品をスピーディに上市をして付け加えることによって、さらなる成長を実現していきたいというふうに考えております。
組織統合における考え方は、このスライドにお示しをしているとおりでございます。すなわち、ナイコメッド社のいわゆるビジネスモメンタム、事業の勢いを維持することを最優先といたしております。
また、コストシナジーではなく力強い成長モメンタムとグローバルな販売体制の構築を目指しております。人材の高度化、多様化、研究開発、生産性向上、マーケティング力の向上強化などによる経営の質的な向上を目指しつつ、量的な成長を併せて目指してまいります。
グローバルカンパニーとして、次の世紀にわたって継承していけるような持続的な強みを有する企業の構築に力を注いでまいります。
さて、新たなタケダに向けて、私が個人的に考えてるビジョンを簡単にご紹介を申し上げます。これは8月の後半にナイコメッド社を訪れた時に、先方での、当地でのタウンホールミーティングというのをやりました時に、私が使いましたプレゼンテーション資料から抜粋をしたものでありますが、これらはナイコメッド社とタケダの従業員が今後とも切磋琢磨し、業務に邁進していく上で、非常に重要なことであるというふうに考えております。
まず第1はEmpowermentでありますが、すべての階層の従業員が自らタイムリーな意思決定を行える組織となるために、Empowermentを推進してまいりたいと考えております。
次がValuing Diversityということで、1人1人が持つ能力を最大限に発揮することができる環境であり続けるために、多様な人材とアイデアを尊重する企業風土を醸成してまいります。
次がLearn & Growということで、個人の成長が会社の成長に直結すると信じることができる、そういう環境であるように、社員がお互いをRespectし、学び合うCultureを築き上げてまいります。
最後がOwnership & Prideということでありますけれど、1人1人の従業員が自分たちが多様性にとって重要な存在であり、患者さんのクオリティ・オブ・ライフ向上に貢献していると誇りを持てる環境を築き上げていきたいと考えております。
最後にナイコメッド社との統合を通じた当社の業績見通しにつきましては、少し確認をしておきたいと思います。
統合後の2013年における事業の見通しは、同社の買収を公表した本年5月19日から、為替影響などの特殊要因を除き、基本的に変更はございません。ナイコメッド社統合およびシナジー創出により、持続的な成長軌道への回復を確かなものにできると確信をいたしております。
これらについては、後ほど高原のほうから少し本年度の見通しにナイコメッド社の下半期分といいますか、を加えたものを発表することによって、詳細に説明をいたします。
配当につきましては、5月19日の買収合意公表の際にもお約束いたしました今中期計画期間、2011年から13年度の1株当たりの配当180円の維持の方針に変わりはございません。なお、ナイコメッド社統合後の2012年-14年、ローリングアウトの中期計画は2012年の5月に公表をさせていただく予定でございます。
以上で私のほうからの説明は終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
司会
それでは次に取締役のフランク・モリッヒより、ナイコメッド社についてご説明させていただきます。
フランク・モリッヒ - 取締役
(通訳済み)こんにちは。私から、ようこそという言葉を皆様に差し上げたいと思います。タケダの上半期の結果の決算報告、来てくださってありがとうございます。近い将来は日本語で発表したいというふうに思っていますけれども、今日は英語でお話をさせていただきます。
私、数分少し、はじめにというスライドを使ってお話をしたいんですが、よく私が聞かれる質問があるんです。
本当に統合は迅速に早く進めるのか、その場合のナイコメッドの1年目の成績はどうなのかとよく聞かれるんです。1枚目のスライドをお願いします。最初のスライド、お願いします。
ここに挙げていますのが、私の発表のタイトルです。ナイコメッド、タケダの1社と書いてあります。今日の発表を聞いていただいても、われわれがナイコメッド社はもうその存在をやめたと。そして数週間前に発表しました。私はタケダの役員として仕事をします。もうナイコメッドのCEOではありません。このことからも、組織の面からも、非常に迅速にナイコメッドがタケダに入っているということがおわかりいただけるかと思います。
ナイコメッドの人間とここに来る前に電話会議を持ちました。この変化をみんなが歓迎しています。非常にうれしいことだと喜んでいます。したがって、ナイコメッド・ア・タケダカンパニーではなくて、私たちの会社はタケダなんです。これが非常に大事なんです。次のスライド、お願いします。
これ、とても大事なことです。長谷川社長もおっしゃいましたけれども、タケダとナイコメッドは統合しました。それぞれがユニークな強みを持っています。それが一緒になって1つの会社として動き始めたということです。
法的な理由から、われわれは統合作業はその買収の終了までは始められなかった。なので、10月に入って初めて、すなわち統合のプロセスが始まったのは1カ月強なんです。でも、すでにもうたくさんのことを成し遂げています。とても私たち感銘深く見ています。組織の構造の発表がありました。また、経営幹部の選定もなされました。ほとんどの経営陣が残っています。そして同時にこれ、すべてがレガシー、旧ナイコメッドのその成績にネガティブな影響を与えることなく、こういった変化が起きているからなんです。
私、このことがまた1つの証拠になると思います。われわれが真剣に統合を考えているということ。そして、迅速かつスムーズに統合したいと思っているんです。
統合のターゲット、これについてはまた後でお話をしたいと思います。
このスライドで示していますのは、ナイコメッド社の2011年度売上高の見込みです。上半期、下半期、そして通年を示しています。
2011年売上高、これはいずれも前年同期を上回る成長を見込んでいます。上半期が3.6%、そして下半期は7.5%ということで、成長のモメンタムを引き続き加速させていきたいと考えています。決して成長のモメンタムは減速はしていないということです。先ほども社長がおっしゃったとおりであります。次のスライド。
これは私どもにとっては最も重要なスライドかもしれません。これを見ていただきますと、主要な財務上のパラメータが出ています。ナイコメッド社がタケダの2011年度の成績にどれだけの貢献ができるかということでありまして、これは売上高も、また主要なパラメータを見ましても、すなわちEBIT、EBITDAを見ても、買収公表時の予想を上回るものになると見込んでいるということです。これは非常にいいことだと私は思っています。
これが1つの根拠になるかと思います。われわれのその分析、そして投資の決定が健全なものであったということを、この数字が示しています。
なぜそうなのかということなんですが、長谷川社長がもうすでにお話になっておられます。非常に興味ある市場のプレゼンス、ナイコメッドの場合には非常にユニークなプレゼンスを持っている。タケダのプレゼンスとナイコメッドのプレゼンスは違います。
これ、2011年度上半期の売上高を地域別に見てるんですが、新興国市場の売り上げが全体の45%を示しておりまして、これから下半期さらにこの数字が増えることになっています。
製品ポートフォリオも多岐にわたっています。これは各国や地域の市場環境、それに応じたものです。なので、ナイコメッド社の社長を支えているのが、実はこの戦略にあるということを、この図が示しています。
売り上げを地域別に見てみます。お気づきのように、欧州、カナダ等の成熟市場では、「Pantprazole」の後発品参入により、ネガティブな影響が見られます。これはもちろん予想されたもので、もうすでに底打ちをしています。この底打ちも予想されたものです。
先ほども申しましたように、これらの地域において専門医向けの製品が伸長しておりますので、下半期は前年度比で減少幅は上半期より減少傾向にあります。
これにはいくつか戦略的な理由があります。欧州の市場におきまして、ナイコメッド社の売上高は6億1,600万ユーロです。これが加わることで、当社の売り上げにおける売り上げは2倍以上になります。すなわち、22億ユーロになるということなんです。この地域で6位になります。これ非常に重要なことです。
カバレッジを見ましても、30カ国にプレゼンスが拡大されます。北欧や東欧も含めた欧州にプレゼンスが拡大されるということであります。これを実現するのは、実は新しいタケダになって、われわれの両方のパイプラインを統合することによってであります。それによって初めてです。さまざまなライセンシング、その他の活動によって、こういった数字の達成が可能になるのです。
じゃあ、新興国市場はどうでしょうか。ナイコメッドのビジネスの半分は新興国市場におけるものです。新興国市場の動向は成熟市場とは違っています。すべてのサブリージョンで2011年度上期において、対前年同期16.6%と売り上げは好調に推移しております。下期も対前年同期20%を超える成長を見込んでおります。
ここでもこれがすべてのサブリージョンで見られています。これが直近の状況であります。
次のスライドには統合のプロセス、再度ちょっと戻ってお話をしたいと思います。これも長谷川社長がもうすでにお話になったとおりであります。
買収完了後、10月から速やかに統合プロセスを実行しています。両社がこれまで達成した、その統合プロセスは順調に進んでいます。実際には24カ月(sic-プレスリリース参照)調整作業を経て、その後24カ月で統合が完了する。したがって、全部で36カ月ということになります。
統合プロセスにおける最終的な目標というのは、タケダに変革をもたらすことです。両社の従業員の能力、そしてさまざまな才能を1つにまとめることで、タケダに変化をもたらすことができます。
これを達成するためには、タケダとナイコメッドの両社員が相互に尊重し合い、1つのチームとして仕事をしなければなりません。うれしいことに、これはもう行われています。そして共通の価値観、共通の目標を持って進んでいかなければなりません。この態度があって、われわれは統合のプロセスを進めることができ、そして価値創出の計画を実行することができます。次のスライド。
さて、新たなタケダにとって将来の成長を担保するための要因がいくつかあります。以下に挙げたもの、これが特に重要だと私どもは考えています。
まず、われわれは成長著しい市場においてプレゼンスを拡大する必要があります。これからも新製品、革新的主力製品への集中的な資源投下を行います。と同時に、われわれはエリアへの権限委譲により、各市場に最適な戦略の立案および製品ポートフォリオの構築をしていくということであります。これは各エリアの患者様にとっても非常に重要なことです。これらを実現することで、タケダは真のグローバルプレーヤーとなり得ると考えています。
最後に皆様ご関心がおありかと思います。われわれ、その相乗効果として、シナジーとして何が達成できるのとかいうことです。ここにリストアップしていること、これは私たちにできるだろうと思っていることです。
ナイコメッドのヨーロッパ、そして新興市場における強力な営業のインフラを使って、タケダの、ここに挙げたようなパイプラインのプロダクトを患者さんや医療職、世界中の人々に届けることができます。それによって、売り上げにもシナジーをもたらすことで持続可能な成長ができます。
まだ1カ月と数日しか統合以来たっておりません。なので、ここで強力な見積もり、推定を出すことはできません。しかしながら、できる限りそれを早い時点でやりたいと思っています。
このプロセスに入って4週間、5週間ですが、しかしながら少なくとも私たちが確認できていることがあります。それはコストシナジー、3億円(sic-プレスリリース参照)のコストシナジー。これが2014年には達成できるということです。
最後になりました。新しい、そして真なるグローバルなそのボード、そしてタケダのビジョンをとって、そして今日発表された新しい経営陣の構造を持って、そしてナイコメッドの有能な経験のあるマネジメントを含めたその組織の中で、われわれは確実にタケダが強力なグローバルな製薬市場における強力なプレーヤーになることを信じてやみません。どうもありがとうございました。
司会
それでは引き続きまして経理部長の高原より、2011年度第2四半期連結業績の概要について、ご説明させていただきます。
高原 宏 - 経理部長
高原でございます。それでは第2四半期の業績について、ご説明いたします。大変企業結合会計の結果につきましては遅くなりまして、この場を借りてお詫びしたいと思います。
初めに前年同期との比較でございますけども、売上高は為替の円高によるマイナス影響が287億円が非常に大きく響きまして、前期から115億円、1.6%減収の7,025億円となりました。為替を除く実質ベースでは、171億円の増収でございます。
営業利益、経常利益、純利益、いずれも減益でございますけども、スライド右端に為替の影響が書いてございますが、もう大部分は為替の影響だというふうにご理解いただきたいと思います。次のスライドをご覧ください。
次に、第1四半期の決算発表時に公表いたしました業績予想との上期の比較であります。こちらも想定よりドルで5円、ユーロで6円、円高が進みましたことによりまして、売上高、利益とも上期予想から減収減益となっております。次のスライドをご覧ください。
ここからは、第2四半期の連結業績を少し詳しくご説明いたします。
まず、セグメント別の売上高の増減でございますけども、医療用医薬品事業のうち、国内での売上高は「ベクティビックス」や「ネシーナ」など、10年度以降新発売した製品の伸長によりまして、前期から124億円の増収となっております。
一方、海外での売上高は「ピオグリタゾン」や「ランソプラゾール」の減収はあったものの、「デクスラント」や「ベルケイド」などの伸長がこれをカバーし、現地通貨ベースでは増収となっております。為替の円高によるマイナス影響285億円が大きく、前期からは235億円の減収ということであります。次のスライドをご覧ください。
地域別の連結医療用医薬品の売上高はご覧のとおりです。米州、欧州では減収、日本およびアジアほかでは増収となっております。次のスライドをご覧ください。
主要製品5品目の売上高の状況につきましては、ご覧のようになっております。「ピオグリタゾン」につきましては、主として為替の円高影響により246億円の減収となりました。「ランソプラゾール」は米国で後発品との競合によりシェアが低下していること、および為替の円高影響により129億円の減収となっております。
「カンデサルタン」、「リュープロレリン」、「ベルケイド」はいずれも為替の円高影響を吸収し、増収となっております。次のスライドをご覧ください。
営業利益の増減の内訳についてご説明いたします。
売上総利益は主に円高に伴う原価率の上昇により、売上総利益率が1.6ポイント低下いたしましたことから、205億円の減益となりました。一方、一般管理販売費および研究開発費は、減価償却費などの湘南新研究所関連費用の増加はありましたけども、為替の円高影響や昨年実施した米国子会社の人員削減に伴う経費圧縮などによりまして、合わせて99億円減少いたしました。結果、営業利益は前期から106億円、4.8%の減益となりました。次のスライドをご覧ください。
純利益の状況でございますが、営業利益の減益に加え、外貨建て債権債務の評価損益などで、営業外損益が53億円悪化したことなどから、前期より86億円、5.9%の減益となりました。次のスライドをご覧ください。
キャッシュフローの状況でございます。営業活動によるキャッシュフローは1,617億円のプラスとなりましたが、当期末のナイコメッド社の買収に伴い、投資活動によるキャッシュフロー、財務活動によるキャッシュフローが大きく動いております。
ご覧のとおり、子会社株式の取得による支出といたしまして、1兆300億円のキャッシュアウト。そのために必要となった借り入れによるキャッシュインが5,700億円となっております。これらの結果、当期のキャッシュフローは4,680億円のマイナスとなり、期末のキャッシュ残高は4,047億円となりました。
ナイコメッド社の買収は9月末にクロージングいたしましたので、貸借対照表にはこの第2四半期決算で連結されますけども、損益計算書のほうは10月以降となります。
次のスライド以降でB/SおよびP/Lへの影響をご説明いたします。
次のスライドでございますが、本スライドでは買収金額の各資産項目への配分内容を示しております。
51億ユーロ相当の借り入れと45億ユーロ相当の手元資金を元手に、96億ユーロを買収金額として支払いました。企業結合会計では、買収日現在でナイコメッド社の各資産を時価で評価し、96億ユーロの支払額を各資産に配分いたします。そして各資産への配分残をのれんとして計上するということになります。
ボックスの右側に示したように、製品在庫などの棚卸資産へは10億ユーロ、製品などにかかる特許権や販売権等の無形固定資産といたしまして64億ユーロ、のれんには残りの33億ユーロを配分しております。
次に各資産の時価評価に伴う損益計算書への影響でございますが、右端に示しております基準で償却いたしました金額が費用計上されます。次のスライドをご覧ください。
9月末の貸借対照表への買収影響を示しております。資産合計では買収影響で8,286億円が加わり、トータルで3兆4,993億円となりました。負債合計は借入金調達などによる買収影響で8,843億円増加し、トータルでは1兆4,542億円となりました。
資産合計から負債合計を差し引いた純資産合計は、トータルで2兆451億円となりまして、自己資本比率は56.8%と3月末との比較では18.3ポイントほど低下しております。次のスライドをご覧ください。
次に11年度の業績予想についてご説明いたします。表の一番左に7月の第1四半期発表時の予想、右に今回見直した予想を掲載しております。
売上高は1兆4,500億円から900億円増の1兆5,400億円、営業利益は1,200億円の減少、純利益は800億円の減少となっております。
ここで今回の修正の内訳を既存事業の業績変動、ナイコメッド社の10-3の業績、企業結合会計の影響の3つに分解してご説明しております。
まず既存事業のほうでございますが、売上高で800億円、営業利益で550億円、各々下方修正いたしました。修正要因は為替の円高が売上高では800億円のうち530億円、約3分の2を占めております。これを除けば、「アクトス」の売り上げを若干下方修正いたしましたけども、実質これらの要因などによりまして、実質270億円の減少ということになります。
なお、営業利益以下への影響といたしましては、当初は償却しない前提としておりましたのれんの影響が130億円入っております。
次にナイコメッド社の10-3の業績でございますけども、売上高で1,700億円、営業利益で120億円の11年度連結業績への貢献を見込んでおりまして、5月の買収合意時に当社が想定しておりました業績を上回っております。なお、このナイコメッド社の業績予想には、現在検討中のシナジーおよびリストラコストの見通しは含んでおりません。
最後に企業結合会計の影響でございますけども、棚卸資産の評価替えに伴う原価の増が、売上原価の増が570億円今期は効いてまいります。無形資産やのれんの償却費をさらに計上いたしまして、ナイコメッド関連では営業利益で770億円のマイナスインパクトがあります。
なお、のれんの償却費合計では、先ほど申し上げました既存事業で当初は償却しない前提としておりました130億円に加えまして、ナイコメッド分を合わせてトータルで210億円の影響が入っております。
表の一番下に特殊要因除きのEPSを掲載しておりますけども、ナイコメッド社の損益が24円寄与いたしまして、最終的には348円、13円の微減に当初予定から留まっております。
なお、営業利益の特殊要因は1,500億円今期の予想には入っておりますけども、スライドの右下に要因を分解しておりますので、後ほどご覧いただきたいと思います。
なお、為替はこの下期はドルを75円、ユーロを105円と想定しておりまして、足元の為替の水準からいくと堅めに見ておるということであります。
為替の1円変動の影響は、ナイコメッド社が入りました関係で少し変わりまして、売上高でドルで60億円、ユーロで23億円、営業利益でドルで17億円、ユーロ5億円となっております。
次のスライドでございます。このスライドは11年度上半期と下半期の地域別の売上高を比較しております。
ご覧のとおり、この上期から下期にかけて、ナイコメッド社を統合した関係で大きく変動が出ております。欧州では894億円、126.7%、下期は上期に比べて増加の1,600億円、アジアでは245億円、181.4%増の380億円となっております。欧州、アジアの売上高の著しい増加によりまして、全体の売上高が上期との比較で下期は20%増加するということであります。
注釈に記載の新興国で括ってみましても、売上高で10倍の953億円となる見込みとなっております。
5月19日のナイコメッド社買収合意公表時にご説明いたしました欧州における販売基盤の強化、新興国市場におけるプレゼンスの拡大、およびスライドの右端に記載いたしました中期財務指標の改善に向けまして、順調に収益構造の変革が始まったということがご覧いただけるかと思います。次のスライドをご覧ください。
最後に、ナイコメッド社の買収に伴う借り入れの状況でございます。および、この借り入れに関する返済見込みについてご説明いたします。
ナイコメッド社の買収資金として、5,700億円の円建てブリッジローンを9月末に実施いたしました。ブリッジローンの期間は最長1年でございますんで、通貨構成や調達手段を検討の上、1年以内に長期負債に切り替える予定にしております。
返済見込みにつきましては、ナイコメッド社の統合後も潤沢なキャッシュフロー、これは配当および年間3,000億円のR&D投資を行った上で、5年間でだいたい6,000億円程度の資金余剰を見込んでおりまして、想定どおり5年で返済できると考えております。
なお、10月末に300億円ほど借入金返済いたしまして、現時点では5,400億円になっております。
以上で私からの説明を終わらせていただきます。ありがとうございました。
司会
それでは、引き続きまして取締役の山田より、研究開発におけるアップデートについて説明させていただきます。
山田 忠孝 - 取締役
(通訳済み)こんにちは。私もこの発表を英語でやらなければなりません。私はフランク・モリッヒのように、その言い訳はできません。日本生まれ、日本育ちではありますけれども、50年以上海外に生活をしてまいりました。なので、あまり日本語はうまくありません。しかも今日、この仕事、CMSOになって1日目です。今日は皆様にご発表ができますことを非常にうれしく思っています。
今日お話しさせていただく内容ですが、ご覧のとおりです。今日、まず研究開発、生産性の向上に向けて。そしてどういった課題があるか。最近のステージアップ。そして米国での承認予定時期に関して。主要な資産の承認予定時期に関して。そして近い将来、有望なパイプライン、成長ドライバーの確実な承認取得ということでお話をしたいと思います。
業界どこでも研究開発、生産性の向上、これがカギであるという話があります。この課題、どこの会社も直面しております。われわれもそうです。
でも、これは非常にタケダにとって重要なイニシアチブです。ほかの製薬企業も同じことを言ってるでしょう。これには何の秘訣もありません。製薬業界のモデルが破綻したと言う人もいますけれども、私はそんなことは信じておりません。
われわれのパイプラインにはたくさんの資産があります。ダイヤモンドのように磨けば輝くものがたくさんあるんです。でも、磨かないと光らない。それがダイヤモンドです。真の価値を見いだすためには磨いていかなきゃいけません。
まず、われわれのR&D組織、研究開発組織の強みがどこにあるかというと、やはり創薬研究を行っているということなんです。会社の研究者は優れた創薬研究を行っていかなければなりません。タケダの研究者は業界のほかの会社をとっても引けをとらないというふうに考えています。
そして、その研究者のその能力を維持しなきゃいけない。モチベーション向上しなきゃいけません。そしてリスクを取って、自分で独立していろいろな創薬研究をしていかなければいけません。あまり官僚主義にとらわれてはいけないということです。
同時に研究者はこのINDだけじゃない、創薬をするのだということのアカウンタビリティを持たなければいけません。POCまで、それを取っていく必要があります。POC、そしてCの確立まで関与しなければなりません。
単に分子を作ればいい、単に創薬すればいいということではなくて、それが商業的に成功するところまで持っていく。これが研究者の仕事であります。
また、多くの製薬会社に例を劣らず、タケダの場合もそうなんですが、臨床中期のパイプラインが弱いということが多いんです。創薬はなされる、そしてたくさんの分子が生まれるんです。導入をしたり、いろんな資産を取り入れて、後期のパイプラインはしっかりと太くできる。ところが臨床中期のパイプラインがなかなか難しい。長期の持続可能な成長のためには、ここをどうてこ入れするかが大事なんです。
タケダの場合には幸いです。われわれの方針、これはさまざまな積極的な導入活動を行っています。それによって臨床中期パイプラインを強化することができています。
また、ナイコメッド社のパイプラインの早期取り込みによっても、またこの臨床中期のパイプラインの強化ができると思います。創薬研究からも、またこういった活動からも、臨床中期のパイプラインにしっかりと製品を入れていける、分子を入れていけると思います。
そして次に、臨床後期のパイプラインで価値を最大化していかなければいけないのです。そうすることで、われわれの資産が真のその能力が発揮できるようにしなければいけない。そしてそれをわれわれの開発プログラムを着実にしっかりと遂行していくということに、われわれはコミットしなければなりません。次のスライドです。
このスライドでは、7月以降のパイプラインのステージアップを示しています。たくさんリストには挙がっていますけれども、2つだけご紹介をしたいと思います。
まず、「TAK-875」。これはGPR40のアゴニストです。非常にいいのは作用機序なんです。いわゆる脂肪酸受容体、β細胞にある脂肪酸受容体に働きます。この機序、これによってインシュリンの分泌が刺激されますが、しかしながら糖があって初めてインシュリンが分泌されます。SUとは違って、SUの場合には低血糖を引き起こしますが、この機序は低血糖を引き起こすことなくインシュリンの分泌を促します。2相のデータも素晴らしいデータが出ています。そして、すでに3相のプログラムが始まっています。
次が「TAK-438」です。これは新規のアプローチで、酸の分泌を阻害しようということで、PPIです。ハイドロジェンポタシウム、ATPase、これに働きかけをします。非可逆的な阻害を行い、それによって長期に阻害を行います。さらにポタシウムにも結合し、酸の分泌の可逆的な阻害を行います。そうすることで、持続的に酸の分泌を抑える作用があります。24時間酸の分泌を抑えることができます。現在、2相の試験を行っておりますが、非常にびらん性の食道炎の回復が早いということがわかっています。
また、長期にわたるより大きな効果が見られると思っています。これは日本用に開発されたものではありますけれども、これはさらに他の国向けにも開発が進むのでないかと期待しています。
12月24日、クリスマスイブですが、この日には「TAK-491」「イダービ」が高血圧症適応として「クロルタリドン」との合剤が承認されることになっています。なぜ合剤なのかというと、大半の人はARBを服用している際に「クロルチアザイド」、「クロルタリドン」が多いんですが、と併用している人が多いからなんです。
それから「ベルケイド」です。「ベルケイド」もミレニアムの素晴らしい製品です。真に新規な治療薬ということで、多発性骨髄腫の新しいオプションになっています。そして1月23日には、皮下注射製剤の承認も予定されています。
「ベルケイド」につきましては、非常にいい知らせが最近入ってまいりました。SNDAが認められました。そして、49%5年生存率が改善するということ。これが認められました。これはとてもユニークなアウトカムスタディです。このスタディからわかるように、がんにおいてはこのような大きな効果というのは非常に珍しいんです。
「SYR-322」、「ネシーナ」、もう日本では承認が下りていますけれども、そして「ペルフィデート」として、アメリカでは2012年1月25日に承認予定です。単剤として、そして「アクトス」との合剤として承認がなされることになっています。
最後、3月27日、「Peginesatide」、これも承認予定であります。ペプチドアナログでして、慢性腎不全に伴う腎性貧血の治療薬として適応されます。
これで最後ではありません。ここにありますように、本当に安定した製品がこれから先次々と承認取得し、市場に出てくると考えられています。2011年には「ネシーナ」、「ベルケイド」の皮下注射製剤、「イダービ」、そして非常に重要なナイコメッドの製品である「ダクサス」です。
12年には「アドセトリス」、これは「SGN-35」としても知られています。シアトルジェネティックスとのパートナーシップです。「Peginesatide」、これも先ほどお話をしました。それから「デクスラント」です。これはデュアルディレードリリースの製剤です。
13年。非常に興味ある、そして素晴らしい抗うつ剤が出てまいります。ルンドベックとのパートナーシップで、「Lu AA21004」です。そして「TAK-700」、17-20リアーゼ阻害剤。これは特に前立腺がんの中でもホルモン療法に抵抗性を示す前立腺がんのファーストライン治療薬です。
2014年、15年には、先ほど申し上げた「TAK-875」があります。「MLN0002」、これはα4β7インテグリンモノクローナル抗体です。炎症性腸疾患に適応となります。「MLN9708」、第2世代のプロテアソーム阻害薬ということで、「ベルケイド」の後継品です。「TAK-438」、これも先ほどお話をしました。そして「ルラシドン」。これは非定型抗精神病薬です。もうすでに米国では承認は下りていますけれども、いま欧州用の開発が進んでおります。
このように会社は本当に素晴らしい時期を迎える、そしてそこにナイコメッドが入ってまいります。
これまで日本とアメリカ中心の会社でしたけれども、真のグローバルな会社になります。これがさらにわれわれのR&Dのポートフォリオにも強力な力となることを信じてやみません。
司会
それでは、これより質疑応答に移ります。東京本社会場の皆様、および大阪本社会場の皆様より質問をお受けいたします。
それでは、まず東京本社会場の方でご質問のあられる方は挙手をお願いいたします。質問に際しては会社名とお名前をお願いいたします。どうぞ。じゃあ一番最初に。
山口 秀丸 - アナリスト
シティグループの山口と申します。全体の業績についてちょっとおうかがいしたいのですが、今回為替とアクトスとナイコメッドで下方修正されたわけですけども来期以降の数字については正確には来期ということになりますが、もともとご覧になっていた来期がボトム、その後は会計利益的でも増益基調になるという見方がありましたが、これについては変わらない。あるいは、来期場合によっては増益も見えてくるんですか、今期の下方修正によって。これはいかがでしょうか。
高原 宏 - 経理部長
5月に公表いたしました地域計画ですね。これの基本的なところというのは、まだ変更ありません。変える必要ないというふうに思っております。
来期以降は、1つは為替の変動要因っていうのはこれは当然あるとして、今期は少し原価率が先ほど申し上げました570億円の一時的な在庫の影響で上がって、利益率が通期では71%~72%になると思っておりますけども、来年以降は75%ぐらいに戻るっていうふうに考えておりまして、今のところ損益構造で修正を要する点はないというふうに考えております。
山口 秀丸 - アナリスト
その点で1つだけ確認なんですが、570億円についてはあくまでも今期の一時的な要因で、来期以降はイヤー・オン・イヤーで見ると増益要因になるというふうに考えてよろしいですよね。
長谷川 閑史 - 代表取締役社長
売上原価への影響は今期だけの一時的な要因かと、こういう意味ですね。
山口 秀丸 - アナリスト
そうです。
長谷川 閑史 - 代表取締役社長
はい、そうです。一時的な要因と考えていただいて結構です。
山口 秀丸 - アナリスト
わかりました。あと、山田さんにもしよろしければおうかがいしたいんですけども、今日プレゼンされたのは初めてなのですが、GSKのヘッドをやられたりして、グローバルなR&Dをずっと見てこられているんですけども、その流れの中でいうと、現在のタケダのやり方に2つ課題があるのかなというふうに思うんですが、それについてコメントをいただきたいんですんけども。
1つには、パーソナライズドヘルスケア的な部分が今のところあまり出てきてないというのが1つ。もう1つは、わりとリサーチがセンター化してると。湘南が大きくて、あまりグローバルアロケーションが起きてないような気もするんですが、その辺を含めて、グローバルなR&Dのトレンドとタケダのトレンドには差がありますか。それともあまりありませんか。
山田 忠孝 - 取締役
(通訳済み)ご質問どうもありがとうございました。まずパーソナライズドメディスン、個別化医療に関してですが、確かにこれは将来の方向、特にがん治療の方向だと思います。大半のがん治療はマーカーを明らかにして、そして特定の医療に奏効する患者を見つけて治療していくという方向になっているかと思います。
確かにGSKはファーマコジェネティックス、パーソナライズドメディスンに投資をしてまいりました。これはほかの側面でも医療の将来の方向性だというふうには考えております。
今の時点でタケダ、まだパーソナライズドメディスンにはそこまでの投資はしていませんけれども、これから先数年間を考えたら、これはわれわれにとっても非常に大きな注目を向けていく領域だと思います。
山口 秀丸 - アナリスト
(通訳済み)じゃあ、今度はタケダの研究所、センター化していることはどうでしょうか。
山田 忠孝 - 取締役
(通訳済み)はい。2つの要素があると思います。1つは地理的な配分、もう1つは社外開発対社内開発ということです。
地理的な配分、サイトとしては湘南があり、十三があります。非常に日本ではセンター化が進んでいると思います。素晴らしいラボです。でも、ボストンにはがんの素晴らしい研究所があります。そしてサンディエゴとイギリスのケンブリッジにもあります。
しばらくの間、それ以上に研究所が増えていくことは社内では考えられませんけれども、ただもう1つ今おっしゃった質問に関連して、われわれの研究をどこまで社内でやり、どこまで社外でやるのかということです。この点では今の時点でタケダは社外の研究も使っていますけれども、そういった研究も進んでいくと思います。われわれとても幸いなことに、長谷川社長のコミットメントがありまして、社外の研究にも予算の配分をいただいております。
司会
引き続いてご質問ありますでしょうか。じゃあ。
村松 - メディア
日本経済新聞の(村松)です。社長とモリッヒさん、山田さんに1問ずつ、すみませんが日本語で質問をさせていただきます。
まず社長の1問目なんですけれども、今回新しいタケダへの変革というプレゼンテーションのタイトルでしたので、若干漠とした質問で恐縮ですが、オールドタケダというのがプレゼントタケダ、現在のタケダにおいて最も変えるべきところ、弱点といいますか、課題といいますか、それは何で、ニュータケダではそれがどう克服されるのか。これが社長へのご質問です。
それぞれ山田さんとモリッヒさんには、CCO、CMSOとしてのご自身のミッションが何であるとお考えになって、現時点のコミットメント、何をどこまでなさるのか。これをお教えください。
長谷川 閑史 - 代表取締役社長
それではまず私のほうからお答えをいたしますが、多分私の答えの一部は山田さんにフォローアップしていただくということになると思いますが、われわれ、私の目から見て3つの変革が求められていると思います。
1つは、これは常にネバーエンディングストーリーの課題であります、R&Dのプロダクティビティをいかにして上げていくかということでありますが、それについては山田取締役に今度チーフメディカル・アンド・サイエンティフィックオフィサーに就任していただくに当たって、私と話をして、どういうデリバラブルズといいますか、クリティカルリザルトをどのぐらいのタイムフレームでやっていただきたいかということは、きちっとお互いに確認をしておりますので、それについて少し後ほど補ってもらいたいと思います。
それから2番目が何度も、私のプレゼンテーションでも申し上げましたが、今の世界の経済の、あるいは薬品業界のパラダイムが完全に新興国にシフトをしておりまして、ここ当分を見ても新興国が途上国よりもはるかに高い率で成長し、医薬品産業全体の最低でも6割、場合によっては7割ぐらいの伸びは新興国で創出されるという状況が続くということを考えれば、そこにプレゼンスを確固としたものを持ち、そこに自社の製品あるいは導入したものを売っていかなければ、こと能力を持たなければ、世界の成長をキャッチアップするということをギブアップしたに等しいわけでありますから、今回そういうインフラを手に入れたので、それを最大限に活用していくということが2番目。
それから第3番目は、これが一番難しいかもしれないんですが、タケダ薬品を本当のグローバルのファーマシューティカルカンパニーにするということでありますが、これについてはオペレーションだけを見れば、ミレニアムでありますとか、ナイコメッド、今度チーフコマーシャルオフィサーという名前でのフランク・モリッヒのリーダーシップの下に、X JAPANをすべて見るということになっております。そこに任せておけば、多分ビジネスモメンタムは維持され、それで売り上げも利益も伸びていくっていうことが実現できると思いますが、やはり私は日本発の企業として初めて、初めてではないんですが、日本の企業としての本当のグローバル化をやってみたいという強い願望があります。
いずれ2020年ぐらいをメドにして、トルーリー・グローバル・ワンカンパニーにしたいと。オペレーションの面でもそういうふうにしたいということを今、話し始めようとしているところでありますが、それをやるためにはタケダ・ジャパン、TPCそのもの、タケダ・ファーマシューティカル・カンパニー・ジャパンが本当にグローバル化をしていかなければいけないと。
これはすでに3年前からわれわれのグループに入っておりますミレニアム、今度入ってきましたナイコメッド、そういう人たちの力を借りて、タケダのTPCのグローバル化と、それから日本人の人材の育成をやっていきたい。この3つが変革の大きな要素であります。
フランク・モリッヒ - 取締役
(通訳済み)私の展望からのお答えは、現在最も大きなアジアの本部を持つタケダは、企業であるというふうに思っています。そして長谷川社長がおっしゃったように、この地位を単に維持するだけじゃなく、さらにこれを大きくしていきたい。そして、競争力のあるグローバルな会社にしていかなければなりません。古いパラダイムから、タケダというのはこれまで歴史的に非常に日本で強い、そして米国で強い会社でした。そして主要なヨーロッパ市場においても、ヨーロッパの国においても強力ではあったんですが、ナイコメッドが参加したことによって、われわれは一足でほとんどの国にアクセスができる。そしてほかの人たちが将来、成長を予想しているところにアクセスがしやすい立場にあります。
したがって、これを1つまとめて1つの会社になったら、もうタケダは確かに日本に本社のある会社ではある。日本に根ざした、日本発の製薬会社ではありますけれども、われわれにとって大事なことはその会社が、私も申しましたけれども、われわれのスキル、われわれの能力、そして2社が持つそういった力を1つにまとめて初めて、われわれ本当にタケダが長期的な観点から、世界でもグローバルな主要なプレーヤーとしてこの業界に残っていけるというふうに考えているんです。
米国でもどうやれば、その予算をどうするのかとか、さまざまなディスカッションしてまいりました。そしてヨーロッパでは、どうやればコスト削減ができるのかといった話もしてまいりました。
もう3極の時代ではないんです、今は、しかしながら。確かに日本、欧州、米国というのは大きな市場ではありますけれども、それだけではない。やはりたくさんの需要の、新しい需要の中心があります。
また、必ずしも昔のタケダが持っていた、その製品を必要とするのではなく、別の製品を必要とする市場も出てまいります。これがパラダイムの変化だと思うんです。これをしっかりとうまく管理していく。そしてこれらの市場で成功するための才能を育て、そして過去のそのタケダの成功と、そしてこれからの才能をうまく混ぜることで、タケダの競争力をこれから先10年間維持していきたいと思っております。
2020年のタケダ。私はもう信認してるんですが、アジアの製薬会社として2020年もやはり第1位として存在しているであろう。でもその姿は今とはまったく違っていると思うんです。
山田 忠孝 - 取締役
(通訳済み) とっても難しい、面白い、でも難しい質問をいただきました。まず、私は医師です。医師として私の願いは、人々の苦しみを緩和することであり、それを助けるためのお手伝いをするためのお薬を作っていくことです。アンメットメディカルニーズに応えていく。それが私の夢です。
それから私は日本人ではありますけれども、仕事はずっと海外でやってまいりました。でも、この機会をいただいてまた日本に戻ってくることができた。それはとても私、感謝しています。しかも、日本発の素晴らしい製薬会社、そして真にグローバルな製薬会社に入ることができたことをうれしいです。
第3に、私はビジネスマンです。なので、やはりわれわれの責任として、タケダの従業員にも、またタケダの株主にもリターンを提供しなければなりません。R&Dのリターンというのは、やはりこういうふうに考えなきゃいけないと思うんです。
1ドル投資をしたら、それに対してやはり株主に価値を返さなければいけない。その投資額を超えるリターンを提供しなきゃいけない。これが、まだ私たちはそこには至っていない。これが私の大きな願いです。
舛添 憲司 - アナリスト
ドイツ証券、舛添です。社長におうかがいしたいんですけども、今回ナイコメッド買収して、グローバルで、あと新興国の市場にもリーチが届くっていうか、手が届く、ディストリビュートできるようになったんだけども、何か僕なんかは思うんですけども、ディストリビューションカンパニーっていう形に見えるんですね。そうすると、製薬会社っていうのは多分2種類に分かれて、ディスカバリーをする会社とディペロップメント・アンド・ディストリビューションする会社でいいんじゃないかなと。そうすると、タケダが創薬をやる必要は僕はないんじゃないかなと。
ここ数年間の、いま社長が開発のプロダクティビティと言われたんだけども、どう見てもやっぱり面白いものあまり出てこない。「イダービ」も売れないし。そういう考えると、創薬はもうやめてディベロップメントでやる、いくというのは考えられないんですか。
長谷川 閑史 - 代表取締役社長
私が社長をやっている間は、限りは変わりません。やはり、自社の研究開発からアンメットメディカルニーズをアドレスするような薬を出すというのが、われわれの使命であり、私のコミットメントであるというふうに考えておりますから、金さえ儲かればいいというのであれば、もちろん例えばオーファンインディケーションだとか、レアディシーズにいくというのも1つのやり方でありまして、さまざまなやり方があると思いますが、決してそのようには考えておりませんので。
そこがやっぱり一番大事なミッションの、本当にどこまで会社の中で真剣に浸透させて会社経営をしていくかということにつながってくるわけでありますので、私どもはディストリビューターシップで金を儲けるという希望も意図もまったくございませんで、この考え方を今後も続けていって、それで先ほど来申しておりますように、2020年には日本の製薬企業としては少なくとも最初の本当にグローバルで、なおかつハイプロダクティビティで、なおかつ本当に世界中の患者さんにアンメットメディカルニーズを満たすような製品を届けていくという、そういう会社にしたいというふうに考えてます。
舛添 憲司 - アナリスト
あと、開発品のほうで2つ質問があるんですけども、「TAK-700」、前立腺がんですけども、今朝メディベーションのほうのリリースが出たかと思うんですけども、デボラ、どうですか。今日のニュースを聞いたインプレッションは。
デボラ・ダンサイア - 社長兼CEO
(通訳済み)今日、メディベーションが発表しました全生存率、前立腺がん、転移性のがんに対する治療薬、患者にとっては非常にいい成績が出ているということで、全生存率が非常に上がったということです。
「TAK-700」でわれわれ狙っているところ、それは「MDV3100」と「TAK-700」は違う。作用機序が違うということです。潜在的には組み合わせる、併用する可能性もあります。でも、その前に同じような生存率に対する効果が「TAK-700」でも出ているということを出す必要がある。3相試験は非常にうまくいっています。
それからマイクをいただいている間に、先ほどの質問にもちょっと答えたいと思います。
患者さんの生存を伸ばす、そしてその生活を変えるということが大事です。その知らせが入ってきました。
これは「ベルケイド」の知らせです。5年生存率が非常によかったということで、sNDA、これが6週間、申請後6週間で認められたんです。中央値として13カ月全生存率が伸びています。全生存期間が伸びています。
こういった革新的なプロテオゾームインヒビターとして最初のお薬がこのようになってきた。われわれの化学、われわれのイノベーションがヒトの疾患を変えているということで、本当に意を強くいたします。
舛添 憲司 - アナリスト
(通訳済み)ファイリングのタイミングはどうでしょうか、「700」の。
デボラ・ダンサイア - 社長兼CEO
(通訳済み)今、転移性の前立腺がんの3相試験、2つ走っています。1つが加療後、化学療法失敗後、無効例に対してです。それからもう1つは転移性の疾患で、ホルモン抵抗性の患者に対する3相試験です。この2つ、いま登録は非常にうまくいっています。おそらく申請が2013年になるだろうというふうに考えています。これらの治験によってです。
舛添 憲司 - アナリスト
(通訳済み)もう1つ試験があります。「MLN」です。トリコロール2です。これについてはどうでしょうか。申請日、それからどうでしょうか、潰瘍性大腸炎について。それからクローン病に対してはどうでしょうか。
デボラ・ダンサイア - 社長兼CEO
これらの3相試験、もうすでに登録は終わっています。組み入れは終わっています。そして2番目のクローン病の導入試験。これもいま始まっています。最初のデータのリードアウトが2つの3相試験について行っています。これ維持療法の部分、ちょうど2012年の半ばにこれが出てまいります。
そして申請に関しては、おそらく2012年末、もしくは2013年の頭ということを考えておりまして、いま規制当局とも話をしています。特にFDAと話をしているんです。FDAと話をしながら、実際にある程度その投与期間を決めるのに何人必要かということで見ています。もう少し時間を見る必要があるのかもしれない。実際に患者数、必要な患者数がはっきりとするまで、そして治療期間を少し長くする必要があるかもしれません。
というのは、インテグリン阻害剤です。α4β7です。これはトレサブリとはまったく違うんです。したがって、素晴らしい非臨床、それから臨床の成績が出ていまして、PMLは起きないということがわかっています。
FDAとしては、しかしながら治療を少し長くしたほうがはっきりとした成績が出るのかどうかということで、今そのこと、まだ結論が出ていませんので、それによって申請の時期が変わってまいります。
司会
次のご質問、どうぞ、酒井さん。
酒井 文義 - アナリスト
クレディ・スイスの酒井ですけれど、すみません、ちょっとナイコメッドのことで確認含めていくつかお聞きしたいんですが、まず96億ユーロ、これの邦貨換算はどこか数字出てますか。
高原 宏 - 経理部長
お答えいたします。96億ユーロは平均レートが111円でヘッジいたしましたんで、1兆650億です。これがナイコメッド買収に要した対価であるというふうに考えております。キャッシュフローのほうは、それから300億ほど小さい数字が出てると思いますけど、これ買収した後にナイコメッド社の持っておりましたキャッシュが想定よりもちょっと300億ほど多かったものですから、この影響が出てるっていうふうにご理解ください。
酒井 文義 - アナリスト
わかりました。高原さんのプレゼンの11ページのとこなんですが、この一番右下の特殊要因っていうところで、無形固定資産の償却720億円というのが出てますが、これ多分9ページのところの無形固定資産、ここに該当する数字が、これ半年分ですよね。半期分720億円ですよね。
高原 宏 - 経理部長
これ通期で(複数の発言者)。
酒井 文義 - アナリスト
来期の話をすると、いくらぐらいの数字をですね。あくまでこれノンキャッシュだから、実際の収益には関係ありませんけれども、会計上どのぐらいのインパクトがあるかってことは教えていただけますか。
高原 宏 - 経理部長
720億円の、これ内訳をちょっと申し上げなきゃいけなかったんですけども、内訳を申し上げますと、まずナイコメッド社以外の今まで行いましたミレニアムでありますとか、TAPですね。この関係の無形資産の償却費っていうのが、この年間ベースで470億円入ってます。
それからナイコメッド社関係で、ナイコメッドの単体のほうに160億円ほど入っております。これはアルタナとか過去に行った買収の償却している部分です。それに加えて、今回当社が評価増した部分ですね。この影響額が、これ下期分だけですけども、80億円ほど、正確にいうと84億円なんですけども、入っております。
ですから、いま申し上げたナイコメッドの単体で負担してる160億円、それから今回増分として計上した84億円、これは半期分というふうにご理解ください。
酒井 文義 - アナリスト
わかりました。この84億円は、そうすると単純に倍すればいいんですか、来期辺りは。当然、何ていうか、寝てくると思うんですけども。
高原 宏 - 経理部長
ええ。倍したら結構です。為替要因を別にしましてですね、はい。
酒井 文義 - アナリスト
わかりました。あと、すみません。ナイコメッドの組織のこれからの運営の仕方がちょっとよくわからなかったんですけども、つまりミレニアム形式のようにホールディングカンパニーというのは変な言い方ですけど、つまりインディペンデントでやるんではなくて、完全にタケダの組織の中に組み込んでオペレーションをしていくと。そういう理解でよろしいんですか。
フランク・モリッヒ - 取締役
(通訳済み)完全に統合されてタケダに入ってということになります。これははっきりと申し上げました。来週の月曜日から、ナイコメッドの経営陣についてもタケダの経営陣の中に統合されるということになりますし、60人のカントリーマネジャーなどについても各国を検討しながらシナジー効果ということを検討していきます。20カ月が終われば、あるいはもう少し早めに、もう本当にしっかりと同化した形でタケダの組織の中に入っていくと思います。
ただ、いくつかの特殊要因というのが国によってはあります。ナイコメッドのブランドが非常に価値があるという時には、それを維持します。しかし、タケダの会社ということでやっております。で、ナイコメッドのブランドということです。
酒井 文義 - アナリスト
ミレニアムを買収した時のインターナルレートリターン、9%だったと思うんですが、間違ってますか。ナイコメッドもそのレンジですか。
長谷川 閑史 - 代表取締役社長
あれですか、割引率の。
酒井 文義 - アナリスト
そうです。
長谷川 閑史 - 代表取締役社長
ナイコメッドは9.5%をハードルラインとして評価いたしまして、結果はもっと高くて10%を超えた割引率の想定になっております。
酒井 文義 - アナリスト
わかりました。あと最後に、今日中国の話はあまり出てませんでしたが、ナイコメッドを買収したことで中国の売り上げが、確か100億円ぐらいになるんじゃないかと思うんですが、今後中国をどういうふうにオペレーションしていくのかですね。合弁を100%に子会社化して力を入れていたところだと思うんですが、いろいろ中国、問題今ありますけれども、その辺含めてどういう形で中国をマネージされるのか。アイデアがあったらちょっと教えていただけますか。
フランク・モリッヒ - 取締役
(通訳済み)われわれの中国におけるそのオペレーションですが、3つのレガシー組織が存在する。ナイコメッド、タケダ、そして合弁会社ということです。タックプールです。そして、われわれ最近の数字では、これ2011年度、タケダの2011年度、われわれ売り上げは2,000万ドルを超えるというふうに考えています--、失礼、2億ドルを超えると考えています。これ、非常に大きな数字だと思うんです。
したがって、私たち、はっきりこの中国での活動、そしてナイコメッドの中国での活動から大きな利益が得られると。したがって、中国でのこれまでの10年からジャンプすると。2億ドルですか、2億ドルを超えるです。2億以上の売り上げが上がるということです。これは2011年度です。タケダの会計年度、2011年度です。
長谷川 閑史 - 代表取締役社長
ノースアジアの責任者であります平手コーポレートオフィサーの下で、今年の春に設立いたしましたホールディングカンパニーの下にそれらがぶら下がると。そういうことになります。
司会
ありがとうございました。どうぞ、前の方。
関 篤史 - アナリスト
バークレイズの関と申します。ご説明ありがとうございました。
すみません。3点おうかがいしたいんですけども、まず1点目が高原様におうかがいしたいんですけども、コストシナジー300億円のところがちょっとまだクリアじゃないのかなというふうに思っておりまして、これ2012年、今期、来期、または再来期の数字の見通しなどありましたら、教えていただけますでしょうか。
フランク・モリッヒ - 取締役
(通訳済み)私が覚えている限りでは、シナジーコストについては今回の買収というのは単にコストシナジーだけではないということは話をしていました。買収が完了して1カ月と4日ということで、チームのほうではいろいろとコストシナジーの検討、算定をしています。
前に申し上げましたように、発表されているコストシナジーは少なくとも到達できると思います。3年かかるでしょうということを、ここでももう1回繰り返します。
トップラインの売り上げについては、まだそれほど進んでいません。それぞれの国にとって、いろいろと状況が違っていますし、いろいろとほかのところに依存しなければいけないというところもあります。
しかし、コストシナジーということについては、もちろん実現していきますし、またこの売り上げのシナジーについてははっきりとわかったと確信が持てましたら、皆様にご報告していきたいと思います。今、データ集めているところです。
関 篤史 - アナリスト
(通訳済み)モリッヒさん、どのぐらい従業員がそのまま残っているか、その辺りの情報をアップデートください。
フランク・モリッヒ - 取締役
前にも申し上げましたけれども、これまでのところほとんど異動した人はいないということなんです。外から見ても、非常に公正なプロセスでカントリーマネジャーを選んでいます。重複しているところがあれば、そこはトップマネジメントのほうで1人の人にオファーを提供するということにはなるんですけれども、幸いにして、本当に幸いにして、その入れ換えも問題はありませんでした。ナイコメッドの中からも入れ換えることもできました。
したがって大きな、国によって人がいなくなったとか、そういったところはないんです。ちゃんとそのみんな理由がわかっています。この合併買収のその理由をしっかり社員も知っていますので、社員自体もこういった機会が得られたということを非常に喜んでいます。なので、私、本当に社員の反応にも私のほうが驚いているぐらいで、元のナイコメッドの社員たちは今回の動きに対して非常に支持的なんです。
関 篤史 - アナリスト
新しいタケダへの変革ということを幾度となくお示しいただいているんですけども、その長谷川社長の理念というのがあらゆる従業員の方々に浸透しているというふうにお感じですか。
長谷川 閑史 - 代表取締役社長
まだしておりません。これからやります。
関 篤史 - アナリスト
ありがとうございました。以上です。
司会
ありがとうございました。そろそろ時間が迫っております。次の方で最後ぐらいにしたいと思いますが。じゃあ、一番最初の方。
小野塚 昌之 - アナリスト
すみません。JPモルガン証券の小野塚ですけれども、1点だけお願いしたいんですが、ナイコメッドに関して、新興国が非常に重要だということはわかるんですけれども、過去3クォーターの売り上げ動向を見ていると、新興国の売り上げは330ミリオンぐらいでフラット化しているように見えるんですが、この状況で下期の売り上げが従来のイヤー・オン・イヤーの数字よりも加速化している数字が出されているんですが、この背景は、タケダの傘下入りをしたことで販促費の投入が増えるとか、MRが大量に増えるとか、何か変わらないとこの加速化というのは難しいのかなっていう印象があるんですけれども、この背景を教えてください。
フランク・モリッヒ - 取締役
(通訳済み)はい。新興市場で一番成長源となっているところは、旧ナイコメッドの組織でということですけれども、ロシア/CISです。ロシア/CISはあまり詳細にはここでは言いませんけれども、ナイコメッドだけではなく、ほかの会社もこちらの市場においては卸しの統合という、そういう状況がありました。
しかし、これまでの状況を見ますと、この傾向がいま逆になっているということです。いろいろな数字をこれまでのところで見ますと、下期については非常によい数字が出てくるだろうと。ここに示した数字は達成できるだろうと思っています。これは景気の影響ということです。
基本的な新興市場の成長のダイナミックスというのは、特にブラジル、ロシア/CISというのは本当に堅調です。数量、売り上げ、伸びています。ロシアは6億ユーロ近くということですし、ブラジルについては2億ということですので、これは新興市場の貢献がいかに大きいかを示していると思います。
長谷川 閑史 - 代表取締役社長
ディスコネクションというか、誤解があるとあれですが、今300億ユーロ、300ミリオンユーロぐらいの話をされましたよね。ところがナイコメッドの売り上げは、約3ビリオンで、そのうちの45%がいま新興国でございますから、そういう意味からいくと、少しちょっと数字が違っておりまして、私のスライドでお見せしましたように、去年の4月から9月の売り上げが14億400万ユーロで、それのうちの40%が新興国だったのが今年の4-9では14億5,400万ユーロになって、45%が新興国ということでありますので、どこかちょっと少し数字のあれが、把握の仕方が違うと思いますので、改めてちょっと確認を後でさせていただければと思います。
フランク・モリッヒ - 取締役
(通訳済み)私のスライドにちょっと戻します。新興市場のスライドです。2011年度上半期、前年度比16.6%の伸びを期待している。下半期は22%です。これは新興市場に関してです。
長谷川 閑史 - 代表取締役社長
先に手を挙げておられた一番向こうの、ええ、だからあとお1人だけちょっとそうして。
司会
まだ時間少しございます。どうぞよろしく。
伊藤 - メディア
すみません。日経BPの(伊藤)と申します。2点、すみません。
ナイコメッドなんですけども、御社のパイプラインを見ると、今後がんとか中枢が発売になるかと思うんですけども、かなり専門性が高いと思うんですが、何かやっぱり営業のほうでてこ入れがかなり必要になってくるかと思うんですけども、いかがでしょうか。
フランク・モリッヒ - 取締役
(通訳済み)はい。これ旧ナイコメッドの仲間にも言わなければなりませんけれども、例えばロシアで売っていますバイオジェン・アイテックのポートフォリオを販売しています。商業的にも非常に、その販売の面でも強い。そしていろんな製品、いろんな企業とのパートナーシップでやっております。非常に複雑な製品ですから。
したがって、より大きな組織が複雑な製品の営業には使われると思います。例えば短腸症候群だとか、「ダクサス」はそんなに簡単なお薬ではありません。ファーストインクラスのお薬です。
したがって、私たちそれを売っていくわけですけれども、それらの国の営業をあまり低く見積もってもいけないと思うんです。非常に質の高い人たちもいます。しかも、幸いなことにミレニアムの同僚からいろいろな専門知識に基づくサポートをいただいています。ミレニアムから派遣をしていただいて、私たちの営業の指導もしていただいております。もうこういった活動が始まりかけています。また、コメントをいただきたいと思うんですが。
デボラ・ダンサイア - 社長兼CEO
本当にうまくいっていると思います。ありがとうございます。非常にうまくいっていると思います。
残念ながら、最初の上市、新しいオンコロジーの製品、これが「アドセトリス」です。これは極めて大きなプロフィールとベネフィットを持っているものなんです。その中でベストのMRを集めると。そして専門品に対するその専門性を1つの国で構築をしていって、それを資産としてさらに必要な才能を集めていく、人材を集めていくということになります。
伊藤 - メディア
あと1点、パイプラインなんですけども、DPP-4の「SYR-472」。これフェーズ3、入ったんですけども、この間お聞きしたところによると、1週間に1回製剤ということで、逆にいうと低血糖とか、そういう起きた時にウォッシュアウトができるかどうか。特に、SU剤との併用のデータというのはお持ちなのかなというところを教えていただけますか。
企業側発言者不明
1週間1回製剤で今、フェーズ3に入りました。ウォッシュアウトのことについては、いろんなケースを考えながらフェーズ3のプログラムを組んでおりますので、現段階でその懸念はあまりしておりません。もともとDPP-4そのものが血糖が高くない時にはインシュリンを分泌しませんので、単独に使う分にはあんまり大きな問題にならないと思うんですね。
先ほどご指摘のあったSU剤との併用等については、慎重に見ていく必要はあると思います。ただ、もともとが併用というふうな部分の位置づけを非常に全面的に出していくタイプの薬剤ではなくて、1週間1回の強みを生かして、例えば「322」を使っていて安定している患者さんを「472」に切り替えていくとか、それからもう少しアーリーステージの部分の患者さんの糖尿病を悪くさせないというふうな概念のところに位置づけをしておりますので、もちろん慎重にその開発プランは組んでいきますけれども、位置づけ的には今、そんな大きな心配をしているような状況ではありません。
伊藤 - メディア
これは長いんですけども、腸管循環するわけですか。
企業側発言者不明
いや、血中に留まっている期間が長いです。腸管循環をして長く残っているわけではありません。
伊藤 - メディア
ないんですね。はい、ありがとうございます。
司会
ありがとうございました。まだまだご質問を受けたく思いますが、そろそろの時間になってまいりました。本日は皆様方、お忙しい中お集まりいただきまして、ありがとうございました。今後とも武田薬品、よろしくお願い申し上げます。
注-- このトランスクリプトで(通訳済み)と注釈がついている部分は、イベント中にライブで通訳者によって通訳されたものです。通訳者はこのイベントをスポンサーする企業によって提供されました。