使用警語:中文譯文來源為 Google 翻譯,僅供參考,實際內容請以英文原文為主
長谷川 閑史 - 代表取締役社長
冒頭に私のほうから、簡単な10年度の振り返りと、それから11-13の中期計画についてお話をさせていただきますが、次のスライドお願いします。
当社は昨年の中期計画を3年間に短縮して、サイクルを3年短縮して発表いたしました時にも申し上げましたように、15年度における業績を10年度のレベルにまで回復させるということが、当面の中期の目標ということで、それ以降は持続的な成長に向けて、引き続き昨年掲げました戦略の3つの柱でありますInnovation、Culture、それから成長、Growthという基本戦略を今回の中期計画にも同様に追求をしてまいりたいと考えております。
そういった中で、本日は特に次の3点を皆様に少しお話をさせていただきたいと思います。
1点目は、重点疾患領域における積極的な研究開発投資と、当社の使命であります画期的新薬創出への挑戦でありますが、そのためには新しい研究所のフルの活用でありますとかも含めた社内外のリソースを有効活用。その結果、研究開発の生産性の向上を何としてでも改善を図っていきたいというふうに考えてます。
それから2点目は、大型成熟製品を中心とした製品構成が特許切れによってモデルを変えざるを得ない状況になってきておりますので、これはこれからはブロックバスターはなかなか難しいという状況の中で、新製品の中小型の新製品を効率よく販売していくというそういうモデルに変換をしていきたい、いきますということが2点目。
それから3点目は、日・米・欧の3極に加えて、新規進出国・新興国における販売基盤の強化によって、さらなるグローバル化を進めると同時に、ご承知のようにこの業界では、産業では、いま世界の医薬品の伸長、伸び率ですね。ビジネスの毎年の伸び率の半分以上がそういう成熟国ではなくて、新興国を中心とした市場で弾き出されているという、そういう状況を考えると、マーケット全体の成長をキャッチアップするためにも、そういうところできちっとしたプレゼンスを持って、成長のパイを勝ち取ってこざるを得ないという状況にあるという背景の下で、そういうことを考えているということでございます。じゃあその次、お願いします。
昨年の5月に公表いたしました10-12中期計画では、この期間を過去の成功体験と決別し新たなタケダへと変革する期間と位置づけ、革新への挑戦と活力ある企業風土の創造を通じて、持続的な成長を実現するという新たな経営方針の下、先ほど申しましたように、15年度には10年度のレベルに戻して、以降は10%程度の持続的な成長を目指す。そういったビジョンを描いたわけであります。
本日公表いたしました11-13中期計画においても、その目標に変更はございません。次、お願いします。
詳細は、10年度のまず実績でございますけれど、詳細につきましては後ほど高原経理部長のほうからの説明がありますが、ここで見ていただいたらわかりますように、計画は、公表いたしました計画は売り上げでも営業利益でも達成はできましたということであります。次、お願いします。
基本戦略の進捗についてでありますけれど、まずInnovationにおいては、グローバル研究体制の中間となる湘南研究所の竣工に加えまして、CNS領域を中心とした共同研究を積極的に推進し、いくつかのディールについてもサインをし、発表をしておるところであります。
また、将来の成長に寄与する有望なパイプラインの導入も、CNS以外でもかなり積極的に進めております。
それからCultureにつきましては、組織・国境の壁を意識しないオープンで率直なコミュニケーションの推進と、協力体制の構築にも努めてまいりましたし、本日発表いたしました新しい取締役も、新たに社内の取締役として外国人2名をボードに加わっていただくという形での国際化といいますか、ダイバーシフケーションも進めている、その1つの証左であります。
それから成長につきましては、先ほど言いました大型製品の特許切れから中小型製品をしっかりと売っていかなければいけない、そういうモデルに変更しつつありますが、アメリカにおきましてはそういった背景を受けて、大幅なセールスソースの削減を、リストラクチャリングをもう昨年やりまして、それで販売のやり方についてもそういったモデルに合った形にもうすでに変更をしております。
その中で、「ユーロリック」や「デクスラント」、それから「EDARBI」という新製品もついこの間出しました。それらをこれからしっかり伸ばしていくということにフォーカスをしますし、日本についてはまた後ほど少し述べますのであれですが、新製品、昨年たくさん出しましたので、それをしっかりその市場に定着、浸透させていくということになります。
中期計画でありますけれど、13年度までの当社の計数見通しは、ここにお示しをしているとおりであります。米国における「アクトス」のジェネリック参入が12年の8月に単品の、単体の参入、それから12年の12月にはコンビネーションを含め参入が今のところ予定されておりますので、そのフルイヤーインパクトが13年度に会計年度としては初めて出てまいります。
したがいまして、13年度が当社の当面の将来、近い将来では業績の底になるわけであります。昨年は12年度までしか公表しておりませんでしたが、本年はお約束どおり3年をずっとローリングしていくという形での中期計画のやり方に変えましたので、13年の数字をこうやって公表させていただいているところでございます。
なお、株主還元についてもそこに書いておりますように、この間、キャッシュフローはこれ180円でやりますと1,400億円強のキャッシュフローアウトに配当だけでなりますが、その分はちゃんと営業キャッシュフローの中から稼げる数字でありますので、その配当はこの13年までは少なくとも継続をしていくという考えであります。
次にInnovationについて少し述べますが、当社はアンメットニーズがより高くてより大きな成長が見込まれる領域にフォーカスするとの考えに基づき、Innovation、すなわち疾病予防と根本治療に貢献する画期的新薬の創出と治療パラダイムの転換、いわゆるゲームチェンジャーの創出に挑戦をしていきたいと考えております。
従来の、これまでの重点疾患領域でありました代謝性疾患、糖尿病、肥満を中心とするですね。それと癌、それから中枢神経疾患に加え、新たに免疫、それから炎症性疾患も重点疾患領域として付け加えておくというか、置き換えております。
それから、それらに経営資源を投下して、関節リウマチや潰瘍性大腸炎などにも優先的に取り組むとともに、癌プログラムのこういった免疫・炎症性疾患への同じ製品をそちらにも応用できまいかというか、拡大できないかと。そういった試みもミレニアムと共同をして進めております。
なお、肥満症につきましては、承認ハードルははなはだ高いわけでありまして、私どもの肥満症に対するこれまでのいろんなチャレンジ、結果としては死屍累々ということではありますけれど、生活習慣病を引き起こす最も川上、最上流の要因でありまして、有効かつ持続的な体重減少ならびに明確な安全性プロファイルを有する薬剤がない。したがって、アンメットニーズが極めて高い領域でありますので、当社としてはこれに継続して挑戦をしてまいりたい。
ただ、過去の失敗から学んで、新しい少し違うアプローチをしてまいりたいと考えておりますが、もしご関心があれば、後ほど大川のところ、Q&Aのセッションでまたお答えをさせて補わさせていただきたいと思います。
それから、次に後期開発品の状況でありますけれど、それぞれの地域における上市の見通しであります。これはご覧のとおりであります。
当社では経営上の重要事項について審議を行う業務執行会議、Management and Operations Committeeという会議体を設けておりますが、R&Dに関するその業務執行会議、Management and Operations Committeeの3という位置づけにしております。
その議長に、当社の現在、現時点ではアドバイザーを務めておりますドクター・タチ・ヤマダを議長として、すでに3月から就任をしてもらっておりますが、ご承知のように、本日発表いたしましたのでご承知のように、6月にはタチ・ヤマダは当社の社内取締役として就任をしていただく予定にしております。彼のこれまでの経験と知識、判断力、そういったものを十分に生かして、そういった優先順位づけだとか、キーマイルストーンのジャッジメント、デシジョンをより効率的かつ迅速に行えるような体制を、実現を目指してまいりたいと考えてます。
それから本スライドでは、ポテンシャルの高いパイプラインというものを紹介しております。これはパイプラインですから、これから上市のものであります。もしご質問がありましたら、Q&Aで補わさせていただきます。
それから研究開発の生産性の向上でありますけれど、これについては引き続き最重要課題として取り組んでおります、いきます。当社、インダストリーの平均から比べても、売り上げに対する研究開発投資の比率はかなり高いほうにありまして、だいたい3,000億円ぐらいを毎年投資を続けております。
もちろん、それを株主さんにもっとインダストリーの傾向のように減して、効率化して株主さんに還元しろというお考えもあるかとも思いますが、私としては自社の研究開発から何としても継続的にものを出せない限り、製薬、研究開発型の製薬企業としての将来はないというふうに考えてます。
ただ、従来のように自社にあまりこだわるだけではなくて、いわゆる最近の言葉でいうオープンイノベーションというふうにも言われてますけれど、そういったリサーチアライアンスについても積極的に行い、つい最近までだいたいリサーチのコストといいますか、バジェットの10%ぐらいをアライアンスに使ってましたけど、それを近い将来には25%ぐらいにはできるだけ早く上げていきたいというふうに考えてます。
また、この2月に竣工式を行いました湘南の新しい研究所におきまして、新しい体制でスタートするわけでありますが、それを契機にタイミングを合わせてドラッグディスカバリーユニットという疾患領域を担うグループ、だいたいリサーチャーで100名から150名ぐらいでありますけれど、そこの重点4領域にそれぞれユニットを作りまして、そのリーダーにヒト・モノ・カネ、あるいは外部のリソースの獲得、そういったことまですべての権限を与えまして、それによって迅速かつ効率的な研究開発、あるいは研究がうまくいかなかった場合の外部のそういうリソースの獲得までを迅速に進めるという体制を構築をいたしまして、それを具体的な成果に結びつけたいと考えてます。
それからCultureでありますけれど、お話ししてきたInnovationへの取り組みにはそれに挑戦する人材と、それからそれをバックアップするといいますか、創造性をサポートするような企業風土の醸成が極めて重要でありますが、これはなかなか難物でありまして、今いろんな取り組みをしております。
昨年の10月から、ドクター・ポール・チャップマンが研究本部の本部長になり、そこに新しくエクゼクティブコミッティというものを作って、キーエクゼクティブが常にそこでディスカッションをしながら方針決定をし、それが迅速に組織の中に浸透していく。そういった体制を作っておりますし、それらの成果が出てくるには少しは時間かかるかもしれませんけれど、方向としてはかなり改善された方向に進みつつあるというふうな感触を持っております。
それから次は成長の部分でありますけれど、これまでの大型製品から中小型にシフトせざるを得ないということでありますけれど、これは販売の面あるいは開発面でのコスト増でありますとか、あるいは販売の面でのセールスフォースの効率性が落ちるとか、いろんなそういうチャレンジングなファクターがありますが、一方では特許切れによる、大型製品の特許切れによるいわゆるパテントクリフというものは、その度合いは緩和されていくわけでありますから、そういった意味では、今ちょうどインダストリーそのものが技術革新の壁にぶち当たってて、例外を除けば、ごくいくつかの例外を除けば、いわゆるブロックバスターで何千億円も売れるような薬がなかなか出にくいという状況の中で、われわれも当面はこのモデルをしっかりと追求して持続的な成長に結びつけていかざるを得ないという状況の中で、こういった形を追求してるということであります。
それから、もう1つは中長期における持続的成長のためには、必要なInnovationの源泉であります高いレベルの研究開発投資を今後も私どもとしては、先ほども若干触れましたが、継続をしてまいります。
加えて、将来の成長に対する、寄与する製品パイプラインの導入および企業買収の機会も継続して追求をしてまいります。M&Aの実施基準としては、重点疾患領域におけるイノベーティブな製品パイプラインや創薬基盤の面でのシナジーが獲得できる、あるいは新興国を含めたグローバル市場における販売基盤強化につながる。そういったものをスクリーニングの対象として、常に継続的にチャレンジをしているわけでありますが、なかなか相手のあることでありまして実現には至っておりませんが、今後も継続してその機会を追求してまいります。
それから、もちろんこれはこれまでもやってきたことでありますけれど、研究開発投資だけではなくてM&Aの原資をできるだけ捻出をするということからも、オペレーションのスリム&ミーンなオペレーションをさらに追求をしていって、それらから捻り出した金を研究開発あるいはM&Aのほうに振り向けていくという方針は変わっておりません。
続いて、主要地域における販売施策について簡単にご説明しますが、国内については「ネシーナ」の長期処方解禁を契機に売り上げを伸長させることで、早期に糖尿病フランチャイズ全体で1,000億という年間売り上げを達成を目指しております。
また、新しい疾患領域であります癌、中枢神経、免疫疾患についても、癌や中枢神経ではすでに導入品でありますが、上市をし、確たる実績を上げているものもありますし、これからしっかり育てていかなければいけないものもありますし、免疫疾患についても「エンブレル」に続いて、ファイザーの「JAK3」という製品を日本で共同開発、販売をさせていただくという契約も発表しているとおりでありますから、それらを通じてこれらの、われわれにとっては新しい領域ではありますけれど、しっかりと開拓をし、存在感を確立していきたいと考えております。
これによりまして、2015年度の国内医療用医薬品売上高に占める新製品の割合が、だいたい当面の見通しでは45%ぐらいに2015年ではなるんではないかというふうに考えております。それを実現することによって、国内シェアナンバーワンの地位は堅持をし、盤石なものにしていきたいと思っております。
アメリカのTPNA社においては、「ユーロリック」と「デクスラント」に加えて、4月より最強のARBのレベリングを獲得いたしました、ブランドネームは「EDARBI」という製品のプロモーションを開始をいたしました。TPNA社では2010年に5,000人から3,600人に人員削減を実施しましたが、これを機にプロモーションの効率性を高めることで、これらの新製品を着実に市場に浸透させていく努力を続けております。
また、ミレニアム社では「ベルケイド」をさらなる成長ステージに押し上げるために、多発性骨髄腫におけるファーストラインセラピーの一層それに浸透させると同時に、つい最近安全性に優れる皮下注射製剤の承認を申請しましたので、これを承認を獲得次第、さらにこれをミレニアムの「ベルケイド」の成長に貢献を寄与させていきたいというふうに考えてます。
それから新興国の中で中国だけちょっと申し述べますが、中長期的な観点からプレゼンスの拡大が喫緊の課題であります。インダストリーのマーケットの規模も、もう日本の半分を超える状況になってますし、もう20%を超える成長がずっと続いてますし、今後もしばらくは続くと。
そういったまさに急激に拡大をしている市場で、われわれは少しもたもたしてバスに乗り遅れた、船に乗り遅れた感がありますが、それを一挙に取り戻すべくは昨年入社をしてもらいました平手コーポレートオフィサーを中心に再建計画を立て、それの実施をいま始めたところであります。これから数年間で数百億円の先行投資を行って、現在年間30億ぐらいの売り上げを2015年までにはその10倍ぐらいにはしたいと考えております。過去にそういったことを実現したマルチの先行例もいくつもありますので、決してできない話ではないというふうに考えております。
そのためには、現在250人程度のMRの数も900人に増やす。それでかつて日本、われわれタケダとしてはやったこともない、いわゆる中国におけるナショナルセールスミーティングというのもつい数週間前、4月の中旬に行いまして、私もそこに行って檄を飛ばしてまいりました。
それから新興国の問題でありますけれど、2008年以降に13カ国の地域・国に新規進出をいたしました。今年度以降は2012年の世界市場カバー率90%を目指して、新規進出を引き続き進めることに加え、新規進出地域および成長著しい新興国において、旗を立てたばかりのところもありますが、早く実際の営業活動を開始して、それが当社のまずはトップラインに、そしてボトムラインにも貢献できるような形でのグローバル化を実現していきたいと考えてます。
これまでお話ししてきましたInnovation、Growth、Cultureの基本戦略について、引き続きこの新たなローリングの中期計画の期間も着実に実現をしていくことで、2015年には必ず2010年のレベルには戻したいというふうに考えてございます。ご清聴ありがとうございました。
司会
それでは次に経理部長の高原より、「2010年度連結業績の概要 11-13中期計画 業績見通し」について、説明させていただきます。
高原 宏 - コーポレートオフィサー経理部長
高原でございます。ただいまから、連結業績の概要および業績の見通しにつきましてご説明させていただきます。
まず、10年度の連結業績の概要でございますけども、売上高は前期から466億円、3.2%減収の1兆4,194億円となりました。このうち為替の円高によるマイナス影響が607億ございますので、これを除きますと141億円の増収ということであります。
営業利益は前期から531億円、12.6%減益の3,671億となっております。
管理販売費および研究開発費は減少いたしましたが、減収と売上総利益率の2.9ポイント低下による売上総利益の減益791億を吸収できず減益ということであります。
経常利益、純利益もご覧のとおりの減益であります。
次のスライドをご覧ください。売上高の増減内訳をセグメント別にご説明いたします。
医療用医薬品事業のうち、国内での売上高は新製品8品目や仕入品の寄与によりまして、前期から296億円、5.4%の増収となりました。
一方、海外での売上高は前期から799億円の減収です。為替の円高によるマイナス影響601億円と、米国での「ランソプラゾール」の減収影響のためですが、「ピオグリタゾン」、「ベルケイド」のほか、発売2年目を迎えました「デクスラント」、「ユーロリック」も伸長いたしました。
地域別の売上高、主要製品の状況、営業利益、純利益の増減内訳およびキャッシュフローの状況につきましては、スライドの4から8に書いてございますのでご覧いただきたいと思います。
次にスライドの9のほうにまいります。スライドの9は、これは10年度の連結業績を公表予想と比較してご説明しております。
スライドの右端に示しておりますように、2月公表の直近予想と比較をしますと、売上高、利益とも直近予想を上回っております。なお、灰色の網かけ部分は昨年5月に公表いたしました10-12中期計画での10年度の業績予想との比較であります。
売上高は新製品の貢献や主力品の伸長が、為替の円高によるマイナス影響が420億あったわけでございますけども、これを吸収いたしまして、当初予想を194億円上回りました。
利益面でも為替のマイナス影響を吸収し、営業利益で371億、純利益で279億と当初予想を上回っております。
次のスライドをご覧ください。ここからは、本日公表の11-13中期計画における業績見通しをご説明いたします。
まず、11年度の業績予想でございますが、前提となる為替レートはドルを85円、ユーロを120円としております。10年度よりドルは1円円高、ユーロは7円円安でありますので、為替影響はドル安とユーロ安が相殺されて、ほぼ限定的な値になると考えております。
下に為替1円変動の影響を開示しておりますので、今の足元の為替レートがドルがだいたい81円、ユーロが117円ぐらいですから、ちょっと楽観的すぎると思われる方はこれを使って修正をしてご覧いただければと思います。
まず、この11年度でございますけども、米国での「アクトス」の好調、国内および米国の新製品の伸長によりまして、売上高は10年度より2.2%増収の1兆4,500億を見込んでおります。
経費につきましては研究開発費の増加が100億程度ございますけども、10年度に実施いたしました米国TPNAでの人員削減の効果が通年で寄与いたしますので、期間経費は、研究費と管理販売費を合わせた期間経費はほぼ前年並みで推移すると見ております。
営業利益は増収による売上総利益の増加2.2%が寄与いたしまして、10年度より6.2%増益の3,900億となる見込みです。
次のスライドをご覧ください。次のスライドは11-13中期計画期間中の業績の推移について説明しております。
売上高でございますが、新製品は伸長するものの、12年8月に米国で「アクトス」の後発品が参入することによるマイナス影響を補いきれず、13年までは減収傾向となる見込みであります。
また、利益面でも13年まで減益が続く見込みであります。これは売上高の減収に加えまして、導入品、仕入品割合の増加によりまして、売上原価率が4~5ポイント上昇するというように見ております。
また、研究開発費につきましては、競争力のあるパイプライン構築のために積極的に従来水準の研究投資を継続する予定にしております。当社は12年、13年度について、これからさらなる効率化というのを図る必要があるわけでございますけども、今後とも重点疾患領域の絞り込みによる研究開発の生産性の向上、それから利益率を重視した製品、地域への販促投資など、管理販売費の圧縮も含め選択と集中の徹底を通じて、利益率の改善に全力を注いでまいります。
次のスライドをお願いします。このスライドは、昨年公表いたしました10-12中期計画と今回の数字との、今回の11-13中期計画の比較になっております。
10年度実績はすでにご説明いたしましたとおり、売上高、利益とも10-12中期計画での予想を上回っております。11年度も米国における「アクトス」の好調や新製品の伸長が為替のマイナス影響を吸収いたしまして、売上高、利益とも10-12中期計画を上回る見込みであります。
一方、12年度は新製品などの伸長はございますが、為替レートの見直しによるマイナス影響が大きく、売上高、営業利益を下方修正しております。
1点だけご説明しておく必要がありますのは、インフルエンザワクチンの事業化にかかる助成金を10-12中期計画では営業利益に含めておりましたが、今回の11-13中期計画では会計処理の方針も固まり、営業外収益で見込んでおります。この要因を修正いたしますと、営業利益は10-12中期計画を今回の中期計画は上回っているということができます。
それから、スライドのほうで原価と経費合計の値を表示しておりますけども、原価の上昇を経費の圧縮で吸収いたしまして、ほぼ横ばい、13年度では300億程度圧縮する見込みにしております。
次のスライドをご覧ください。じゃあ次に15年における10年レベルへの業績回復を考えた時に、今後の成長のドライバーとして2つございます。ご覧のとおり、当社グループの収益構造は2つの要因で変化してまいります。
まず上のチャートでございますが、10年実績では売上高の3分の2が既存の主要4製品によるものでございましたけども、新製品が売上高に占める割合は5%程度であります。この新製品の割合を15年度までには4割程度に高めていくという点が、1点目でございます。
次に下のチャートでございますけども、今後高い成長が見込まれる新興国、新規進出国での販売基盤を強化することで、10年度の売上高を100とすると、15年は新興国が850、新規進出国が1,800という値になる予想になっております。これら各国の売り上げ貢献度が15年に向けてだんだん高まっていくという期待を持っております。
なお、新製品の売上高は成功確率を考慮した値でございまして、新規進出国は現時点で自社販売拠点を設立済みの国だけを挙げております。
次のスライドをご覧ください。このような製品構成のシフトチェンジ、さらなるグローバリゼーションの推進に加えまして、ご覧の中期計画での基本戦略を着実に実行してまいります。これにより、業績の底と想定しております13年度を起点に、新たな持続的成長のステージに入り、15年には10年度水準まで業績を回復させるというのが当社の考え方であります。以上でございます。
司会
それでは続きまして研究開発統括職、大川より、研究開発活動についてご説明させていただきます。
大川 滋紀 - 取締役研究開発統括職
大川でございます。ただいまより、2010年度および2011年度の研究開発活動について、ご紹介をいたします。
当社は今後、代謝性疾患、癌、中枢神経、そして免疫・炎症性疾患領域に注力をしてまいります。
代謝性疾患領域は当社が最もプレゼンスを有する領域であり、グローバル製品を有しているだけではなく、糖尿病および肥満症では新規化合物の開発も進めております。
特に糖尿病領域では「TAK-491」、「EDARBI」でございますが、これなどの循環器系疾患治療薬との組み合わせを含めて、これまで積み上げてまいりました自社研究力を最大限に生かすとともに、導入アライアンスの機会も追求することで、疾病予防も含めまして新たな治療オプションを提供し、引き続きマーケットリーダーとしてのポジションを堅持してまいります。
癌領域はさらなる成長を目指す領域と位置づけており、特に注力する領域としてミレニアム社およびタケダグループの研究チームとの連携を一層強化し、強固なプレゼンスの構築につなげてまいります。
中枢神経領域では自社創製品の開発、パイプライン化合物の導入、外部機関との共同研究を通じてポートフォリオの充実を図ってまいります。
免疫・炎症疾患性領域につきましては、癌領域とのシナジーも検討しながら事業機会を探ってまいります。
社長長谷川よりご紹介いたしましたとおり、後期開発品の承認取得見込みをこのスライドにお示ししております。
また、今期におきましては開発後期品目で進捗が数多くございました。主なものを紹介いたします。
まず初めに自社品といたしましては、米国におきまして本年2月、高血圧治療剤「TAK-491」、「EDARBI」の販売許可を取得するとともに、日本では同じく高血圧症治療薬「TAK-536」につきまして、3月に厚生労働省に製造販売承認申請を行いました。また、ご覧のとおりアジア諸国におきましてもいくつかの品目の申請を行っております。
次にライフサイクルマネジメントといたしましては、米国では本年2月に「TAK-491」ト「クロルタリドン」の合剤を申請いたしております。多発性骨髄腫治療薬「ベルケイド」につきましては、濾胞性リンパ腫の効能追加と皮下注製剤の剤型追加をそれぞれ2月、3月に申請いたしました。
さらに導入品といたしましては、本年3月に非定型抗精神薬「ルラシドン」の欧州での開発・販売契約を締結したことに加え、アムジェン社からの導入品であります癌治療薬「AMG-479」につきまして、日本で臨床第3相試験を開始いたしております。
なお、ご覧の表には掲載しておりませんけれども、日本におきまして2月にファイザー社と関節リウマチ治療薬「Tofacitinib」のコプロモーション契約を締結いたしております。
それでは引き続きまして、研究開発のトピックスについてご紹介をいたします。
まず、昨年度に顕著な進展がございました中枢神経系疾患領域におけます取り組みについてご紹介をいたします。当領域ではアルツハイマー病、統合失調症、うつ病に注力し研究開発を行っております。また、中枢神経疾患領域の強化に向けて、提携アライアンスを加速させております。
「LuAA21004」につきましては大うつ病、全般性不安障害を対象に開発を進めており、良好な試験結果が得られれば、2012年には販売許可申請を提出できるものと期待をいたしております。
また、導入品でございます「ルラシドン」は現在欧州において臨床第3相試験段階にあり、日本では「ロゼレム」および導入品である「レミニール」の販売を開始いたしております。
また、5年以内にアルツハイマー病を発症するリスクの高い高齢者の方を特定できるバイオマーカー、「TOMM40」アッセイをジンファンデル社から導入いたしました。当社ではこの「TOMM40」を用いましてハイリスクの高齢者を特定いたしまして、「ピオグリタゾン」による発症予防効果を検討してまいります。現在、アルツハイマー病の進展を抑制し、さらにその発症を予防する薬剤が求められており、現在臨床試験結果に期待をしておるところでございます。
また、直近では創薬標的でございますGPCR、これの結晶化を目的といたしまして、ヘプタレス社との提携も開始をいたしております。
では、次にパイプラインにおけるトピックスをご紹介させていただきます。
まずは心血管系領域でございますけれども、本年2月に米国で承認を取得いたしました高血圧治療剤「EDARBI」について紹介をさせていただきます。
販売許可申請は合計5,900例を対象に実施いたしました7本の臨床試験に基づいており、「EDARBI」は米国で一般に広く処方されております「バルサルタン」および「オルメサルタン メドキシミル」の最高用量との直接比較におきまして、外来血圧と24時間自由行動下血圧測定、ABPMにより測定いたしました24時間平均血圧を統計学的に有意に低下させる降圧効果を示しました。
さらに有害事象につきましては、「EDARBI」投与群とプラセボ投与群で同等であるというテータも得られております。
当社では心疾患系領域におきまして、グローバルでの高い専門性を生かし、新たな治療オプションを提供できるものと期待をいたしております。
また、「EDARBI」と「クロルタリドン」との合剤につきましても、米国におきまして今年度後半に承認取得できるものと考えております。
続きまして、癌領域のパイプラインについてご紹介をいたします。
まずは今回臨床第3相試験にステージアップいたしました、アムジェン社創製の癌治療薬「AMG479」であります。
「AMG479」は日本では武田バイオ開発センターが開発を進めておりますインスリン様成長因子1型受容体IGF-1Rに対する、ファーストインクラスのヒト型モノクローナル抗体でございます。本薬はIGF-1Rに結合いたしまして、細胞生存・増殖経路を刺激するIGF-1およびIGF2受容体への結合を阻害することで、抗腫瘍効果を示してまいります。
日本における臨床第3相試験は、本薬の臨床第2相試験の良好な結果を受けて、アムジェン社がグローバルに実施をいたしておりますGAMMA試験に武田バイオ社が参加する形で開始をいたしております。本薬は、治療選択肢が極めて少ない転移性の膵臓癌に対する新たな作用機序になる治療薬と、期待をいたしているところでございます。
次に炎症性疾患領域でございますけれども、本年2月にファイザー社と日本における導入契約を締結いたしました関節リウマチ治療薬「Tofacitinib」について、ご紹介をさせていただきます。
本薬は関節リウマチ等の免疫調節を行う分子標的治療薬といたしまして、現在ファイザー社が開発中の新規の経口ヤノスキナーゼ、JAK阻害剤であります。既存の薬剤とは異なる新たなアプローチで関節リウマチ等の自己免疫性疾患に関与する、チロシンキナーゼでありますJAKを阻害し、炎症反応を抑制してまいります。海外では感染、クローン病、潰瘍性大腸炎でも開発が進められております。
生物学的製剤の上市によりまして、関節リウマチ治療は著しく進歩いたしましたけれども、これら生物学的製剤がすべて注射剤であるのに対し、本剤は経口剤であり、大きな医療上のニーズがあると考えております。
本提携により、「エンブレル」で築き上げましたリウマチ領域のフランチャイズをさらに強化し、本剤および「エンブレル」を通じて本疾患の治療に一層貢献してまいる所存でございます。
最後に、当社の湘南研究所についてご紹介をいたします。先ほど社長の長谷川のほうからございましたけれども、新研究所はグローバル研究体制の中核を担うだけではなく、重点疾患領域における質の高い最先端の研究をリードする施設となります。このため、本年4月より研究組織を重点疾患領域中心の体制、DDUの体制に再編をいたしました。
具体的には、創薬ユニットが各疾患領域に関する責任と権限を有し、この創薬ユニットがこの領域に関する全責任を負っていくという体制でございます。
この体制のメリットは、研究段階におけます効率性と機動性の追求。また予算管理、資源配分など広範な権限をリーダーに委譲することができること。また、各研究ステージでの意思決定スピードの加速。また、社内・社外リソースの活用によります研究課題の充実。
また、これは1つ大きな進捗でございますけれども、癌領域におけましてはミレニアム社の研究グループと一体としてこのDDUを運営していくと。このDDUのリーダーには、ミレニアム社のCSOでありますジョン・ウォーレンが就任をいたしております。
この新研究体制が、各領域における機動的な研究活動を可能にするものと確信をいたしております。
また、さらに当社では外部リソースの活用の一環といたしまして、オープンイノベーション推進にも取り組んでおります。湘南研究所のインンキュベーションラボを活用することで、研究者間の情報交換、連携を推進し、重要な研究テーマあるいは情報を得てまいります。次に外部研究機関との共同研究を強化いたしまして、パイプラインを充実させていく所存でございます。
私からの発表は以上でございます。ご清聴どうもありがとうございました。
司会
(司会の指示)それでは、ただいまより質疑応答に入ります。時間としては18時まで時間を用意しております。会場の皆様および英語の電話会議の皆様より質問をお受けいたします。
それでは、まず会場の方でご質問のあられます方は挙手をお願いいたします。質問に際しまして、会社名とお名前を頂戴できればと思います。
それじゃあどうぞ。はい、どうぞ、最前列の方。
山口 秀丸 - アナリスト
シティグループの山口と申します。今日はどうもありがとうございます。
最初におうかがいしたいのが、中計の今後の展開についてちょっとおうかがいしたいんですけども、3年コミットしてローテーションしていくということで、今期は一応最終年度をご発表になったわけですから、数字的にいうと一応今期がボトムだということで、その次あるいは次は戻っていくんだということをこう絵には書かれておりましたけども、リーズナブルにいろいろと計算された結果として、もし公表できるのであれば、1年たった時の戻った感というのはどのぐらいの数字なのかっていうのがもしあれば、ご紹介していただけるとちょっと安心するんですが。
というのは、「アクトス」のタイミングによってはもう1回落っこっちゃうっていうリスクもなきにしもあらずなので、その辺がもしあれば教えていただけますか。
長谷川 閑史 - 代表取締役社長
申し上げられますのは、高原の説明にもありましたように、その15年の時点では売り上げの40%強が新製品になってると。それらのキードライビングの製品は「ユーロリック」や「デクスラント」、それから「EDARBI」、そういったもの。それから「536」、いま申請をしました。それらが中心の製品になるし、それから「ヘマタイド」もその時点では相当の売り上げを見込んでます。
ちなみに「SYR-322」、「ネシーナ」は去年17億ぐらいしか売れておりませんけど、15年には1,000億近くグローバルではなるだろうと思ってますし、例えば「ARB-491」と「536」のコンバインでは多分1,000億ぐらいになっているだろうと思ってますし、その辺が例として挙げられるところかなというふうに思います。
山口 秀丸 - アナリスト
あと2つ目でちょっと「EDARBI」の話がいま出ましたのでちょっとおうかがいしたいんですけど、特にアメリカの「EDARBI」について統括職の方におうかがいしたいんですが、もちろんラベルがいいというのはよく理解しているのですが、もうすでにジェネリックも出ていて、既存ブランドもやや苦戦気味の中でどうやってシェアを取っていくのかと。
要するに、マルチビリオンに達成するためのメッセージをちゃんと作れているのかどうか。この「EDARBI」のアメリカでのこのシェアアップのポイントについて、教えていただけましょうか。
企業側発言者不明
(通訳済み)英語でお答えすることになって申し訳ございませんが、大川のほうからも申しましたように、主要なデータを見ていただきますと、非常にすでにまだパテントのあるその主要な競合他社と比べても優位であることが示されています。R&D組織として10カ月FDAのレビューを受けて、これを承認されたわけですが、ベストラベリングの1つであるということで、降圧剤としては最高のラベルの1つを得られたと思います。
大川のほうからも説明をしましたけれども、その安全性も確認しています。FDAからもその安全性プロフィールが優れているという評価をいただいています。
今年末までにわれわれ非常にユニークな組み合わせである「ARB」と、それからまだ十分に評価されていない利尿剤との合剤が出るということであります。これ、世界でも非常に優れたものとして使えるかと思うんです。これが1つのユニークな機会になるかと思います。ベストインクラス、そしてこの2つのベストインクラスを組み合わせて使うことができるということで、この戦略についてはアメリカで今後とも強力に推進していきます。
山口 秀丸 - アナリスト
(通訳済み)もう1点質問なんですけれども、入社をされてから3年たたられたと思うんですけれども、タケダの長期の目標というのはオンコロジーで長期的にトップ3に入るということでありますけれども、これは軌道に乗っていると思われますか。
企業側発言者不明
(通訳済み)おっしゃったように、これは非常にわれわれにとっての将来のビジョンといいますか、高い目標です。「ベルケイド」は強力に成長しています。また、「ベクティビックス」が日本で上市されます。これも短期間の、数カ月間におきましてもうマーケットシェアが、そのリーディングのマーケットシェアを取れております。これはその世界の中でも非常に素晴らしい製品の1つになっておりますので、非常に強力な成長が見られております。
それからパイプラインの状況を見ましても、非常に熱意が見られます。化合物の中には、いま第2相に入っているものがあります。それによってヘマトロジックあるいはまた固形癌でも成果は出てきています。
それから、第3相の「TAK-700」の試験、第3相の試験でありますけれども、これでもやはり前立腺癌におきましてはグローバルなパフォーマーとしては非常に強力なものになるだろうと考えております。
それから、また「SGN-35」をシアトルジェネティクスから導入しております。これは申請が今年、カレンダーイヤーでの中旬になろうかと思われます。ですので、非常に前向きのいま大きな動きがパイプライン上も見られます。
それから成熟している製品に関しまして、非常に軌道には乗っている、非常にいい軌道に乗っているけれども、まだまだこれから先やっていくこともあるということが申し上げられると思います。
それから私のほうからも申し上げますと、ちょっとわれわれの癌のフランチャイズでありますけれども、ヨーロッパでも非常に強力な状況であるということも申し上げておきたいと思います。
山口 秀丸 - アナリスト
(通訳済み)ありがとうございました。
舛添 憲司 - アナリスト
ドイツ証券、舛添です。2点あるんですけども、1点目がその癌の領域なんですけども、大手、日本でいわれる4社、御社、アステラス、第一三共、エーザイ、みんな癌ってやっているわけですよね。世界中の、例えばファイザーにしろ、メルクにしろ、GSKもみんなやっているわけですね。もっといえば、アカデミアもみんなやってる。だけど、あんまり出てこない。
という中で、例えば長谷川さんが音頭取って、ティーム・ジャパン・オールスター・オンコロジー・ジョイントベンチャー・カンパニーみたいのを作ったほうが、それで日本のアカデミアも巻き込んで癌の研究ってやってったほうが効率的だし、真の意味で癌患者のため、もっといえば子どもの癌の患者のためにもなるんじゃないかなと思うんですけども、そういうことっていうのは可能ですか。
長谷川 閑史 - 代表取締役社長
ビジネスの世界では、Everything is possibleでありますが、非常に興味深い話ではありますし、舛添さんおっしゃったように、われわれのアルティメットカスタマーである患者さんのことを考えれば、そういうアライアンスが組めれば一番目的を達するのに効率的かもしれませんですね。冗談半分で話してみてもいいと思いますけど。
舛添 憲司 - アナリスト
はい、ぜひぜひ話してください。それとあと、次にM&Aについていろいろお考えになられてるっていうことで、営業キャッシュフロー、フリーキャッシュフローを見ても、180円の配当はちゃんと払っていけるよと。となると、いま足元のところで約1兆円程度のキャッシュがあるんですけども、これを全部使う、もしくはさらにもう1兆円ぐらい借金してでも大型のM&Aの可能性もあるのか、いや、そこまでは考えないよと。手元にやっぱり5,000億ぐらい残して、アップトゥで5,000億円ぐらいまでのお買い物だったらするかもわからないけどと。何かその辺のところの数字のニュアンスっていうのはいただけませんか。
長谷川 閑史 - 代表取締役社長
ターゲットによりますが、わが経理部長の高原によりますと、1兆円ぐらいは十分すぐ調達できると言っておりますから、ターゲットによってはそのぐらいは当然シェアに入るというふうに考えてますけど。
舛添 憲司 - アナリスト
じゃあ、早めのアナウンス待ってますので、よろしくお願いします。以上です。
司会
ありがとうございます。次、ご質問ございませんでしょうか。あ、どうぞ。また最前列ですね。
酒井 文義 - アナリスト
じゃあ2つお聞きしたいんですが、クレディ・スイスの酒井といいます。 1つは、今回の日本の原発事故の影響を受けたFDAの対応をちょっとお聞きしたいんですけれども、ウェブサイトは見てます。非常にベーグな内容が書いてあって、特に医薬品よりも食品に対する懸念が強いと思うんですけれども、今後FDAが何らかの形で日本の製品に対して規制をかけたりとか、新たなルールを導入するような動きが現地で起きているのかどうかですね。これちょっと私たちからは判断しにくいとこなんですけれども、その辺、特にタケダの場合にはやはりアメリカのエクスポージャー高いですから、その辺をちょっとわかる範囲で結構ですから、お聞きしたいんですけど。
長谷川 閑史 - 代表取締役社長
現実にそのような動きを起こしてる国や地域がありますが、その典型的なのの1つがヨーロッパ、EUでありまして、それから中国ですね、大きいところでは。それらに対しては、もうすでに製薬協としての対応を表明し、いま厚労省と協力してやっておりますし、また個別企業としても、CMCのほうで要求された場合には製品をサンプリングしてちゃんと放射能を検査をして、それを追加、添付っていうか、付けるということは体制は整えております。
ただFDAについて、もしドクター・モルヒが知ってれば後でフォローしてもらいますけれど、われわれが知る限りにおいてはそういう動きはまったくありません。
ジョン・ルース大使の話を聞いていても、そういう話、たまたまちょっと2週間ほど前にあるパネルディスカッションで一緒になったことがあるんですが、そういう話を聞いていても、そういう動きはないというふうに今のところは私は承知してますけど。(英語で発言)
酒井 文義 - アナリスト
(通訳済み)じゃあ、患者として何か日本の製品に対する懸念はありますか。米国、欧州のドクターのほうはまったく問題がないようですが、一般市民の意見として、日本の製品に対する何か懸念はあるでしょうか。
企業側発言者不明
(通訳済み)まだ、今のところ現場で働いている人から、そういった日本製品に対する懸念の声は聞こえてきておりません。一般的に私の時間、かなりそれに費やしてはいますけれども、そういったものは聞いておりません。なので、非常に収まっていると。この件に関しては収まっていると言えましょう。
酒井 文義 - アナリスト
ジェネリックとの係争問題なんですけれども、新薬創出加算を目指す立場におられる会社としては、こういった形の係争が果していいのかどうか。ちょっと疑問に思うんですけれども、いま結局SU剤との併用ですか、が認められていて「メトホルミン」とのほうの併用は無効だという話でしたか。そういう理解でよろしいんでしょうかね。ですから、非常にいびつな形でのジェネリックの承認になってしまう。
それに対して御社は確か1年間差し止めというようなことを主張されているようですけれども、非常にちょっと何ていうんでしょうか、ちぐはぐな対応というふうに受け止めてしまうんですけれども、その辺はいかがでしょうか。
長谷川 閑史 - 代表取締役社長
一般論として、やはり私どもがこういうことをやっているのは、ご承知のように、アメリカにおいてはそれをきちんとジェネリックの会社と全部交渉してセトルいたしました。
ただ、日本の場合はわれわれのその考え方からいくと、虫食いの特許に対するやっぱり当局の対応が必ずしもイノベーションを保護するという、そういう立場になってないという考えもあります。したがって、やはり事あるごとに基本的にはやっぱりきちっとチャレンジをしていくべきだろうというふうに考えてますが、それは私からのコメントでありまして、あとフォローアップ、岩崎あったら言ってください。
岩崎 真人 - コーポレートオフィサー製品戦略部長
日本の場合には事前協議というシステムがございます。これは市場を混乱させないというふうなシステムでありまして、現在事前協議中ということです。
先ほどおっしゃってましたSU剤との特許、それからビグアナイドについては、これは1つの判決がそういう判決が出てるというふうなことで、アルファジライトの特許認められたという判決でありますけど、それがすべての係争に対しての結果ではございませんので、そこのところはちょっと別の1つの事例としてとらえていただきたいと思いますが。
もう1回繰り返しますけども、事前協議というふうなことで、現在協議中でありますので、その内容につきまして、先ほどちょっと具体的なお話をされましたが、その内容は交渉の過程で当然影響してくるものでございますんで、今の時点で詳細は申し上げられませんけども、事前協議を進めてるという段階だというふうにご理解いただけたらいいと思います。
酒井 文義 - アナリスト
厚生省は承認しているわけですから、出そうと思えば出てきてしまうわけですよね。そういう理解でよろしいんですか。
岩崎 真人 - コーポレートオフィサー製品戦略部長
われわれは特許としては併用も、それから合剤も当然カバーしているというふうに確信しているわけですけれども、それは私どもの問題ではなくて、他社の、他社がどういう行動をとるかですんで、私どもができる、できないというふうなことを今ちょっと申し上げるというよりは、混乱を起こさないための事前協議を今しているというふうにご理解いただいたほうがいいと思います。
酒井 文義 - アナリスト
わかりました。ありがとうございます。
司会
ありがとうございました。それじゃあ、先ほど手を挙げてらした後ろの方。
水野 - アナリスト
東京海上アセットマネジメントの(水野)と申します。2点あるんですけども、新興市場への取り組みで売り上げをこれだけ伸ばしたいというお話は理解できたんですけども、これが営業利益段階での寄与というのはどのように見ればいいんでしょうか。とりあえず、今年、来年はむしろ赤字要因になるんだよと。もしくは、もう最初から利益として寄与してくる。その辺はいかがでしょうか。
岩崎 真人 - コーポレートオフィサー製品戦略部長
新興市場はアジアからロシア、南米等幅広くなりますので、いろいろ個別に状況ございますけども、アジア、特に中国が大きなウェートを占めますので、今後の中国には200から300億円の中期的な投資をしていく予定でございます。
ただ、アジアの中で考えても、アジアでいま出せているそのリージョンの中での、その地域での利益の中でやりくりをしながら中国への投資を賄えるという状況でございますので、中国単独でいえばこの中期的な範囲で先行投資をして、特に向こう3年間ほど、36カ月ほどかけて、いま現在200名余、200名少しの営業人員を900名のMR体制、現場の諸課長も入れれば約1,000名の体制に一気に持っていくという形になりますので、それのリターンとして売り上げが急速についてくるという確信がございますので、その後のブレークイーブンというのはもう間近に来るというふうに考えております。
水野 - アナリスト
すみません。ちょっとそこで補足なんですけども、資料では御社のグローバル戦略品を今後発売していくというような形になってますけど、中国マーケットだけのための品揃えを広げていくというようなことはお考えですか。もしくは、日本でもすでに長期収載品になっているけども、まだ海外で出てないものを持っていくとか、そういったことはあるんでしょうか。
岩崎 真人 - コーポレートオフィサー製品戦略部長
グローバルに癌領域、癌以外の領域、ともに中国のみならず、これまでのどちらかといえば日本、米国を主軸にしてきた当社の流れから新興諸国、特に中国等をにらんだ開発というのを急加速しております。
新しいケミカルエンティティについては、新興諸国も含めたグローバルな開発投入というものが視野に入ってまいりますけども、残念ながらこれまで置き去りに、積み残してきたコンパウンドがまだまだ残っておりますので、それの何というか、レガシーコンパウンドというか、そういったものをキャッチアップするための遅ればせながらの治験というのも、これから動く部分もあると思います。持ってる資産は総動員して有効に活用したいというふうに考えております。
水野 - アナリスト
あと、2点目は肥満薬のところ、先ほど長谷川社長も後でQ&Aセッションでということもおっしゃってたんですけども、それも含めて取り組み、今後の取り組み方の考え方なんですけども、例えば癌ですとか中枢神経のように、とにかく研究を尽くして新たなるブレークスルーを探すんだというぐらいの意気込みなのか、それとも今それの下に残っているものをとりあえず出し尽くすまでやろうかなというぐらいのコミットメントなのか、その辺はいかがでしょうか。
大川 滋紀 - 取締役研究開発統括職
私のほうからお答えさせていただきます。何としてでも出したいというのが、われわれの意気込みです。
ご存じのようにやはり安全性、有効性もさることながら、やっぱり安全性がもうほとんど真っ白でないとなかなか承認を得られないということがありますので、前臨床、臨床を含めて、そういう特にCVの副作用に関してはもう徹底的に検討して、選んでやっていきたい。
また、そのターゲットに関しましても、やはり副作用の出にくい、中枢性の副作用の出にくいターゲットというのがございますので、私どもも従来からやっておりますオーファンGPCRを中心にしてまだまだ面白いターゲットがありますので、この辺り。それから末梢性の抗肥満薬、この辺りをにらんで研究を進めていきたいというふうに考えております。
水野 - アナリスト
ありがとうございます。
司会
はい、それでは次の。ああ、どうぞ、一番最前列。
漆原 良一 - アナリスト
野村證券の漆原と申します。2つほどおうかがいしたいんですけども、1つが抗癌剤の研究開発というものをどういうふうに効率化されるのかを教えてください。例えば先ほどお話の研究開発の生産性を上げるという点でいきますと、癌の領域を開発を上げようとすれば、メジャーな癌を攻めるのか、マイナーな癌を攻めるのか、あるいはファーストラインを攻めるのか、サードラインを攻めるかによってずいぶん変わってくると思うんですけれども、サードラインを攻めれば取りやすいんでしょうけれども、コモディティ化してるマーケットなので売り上げが上がってこないとかですね。
その癌の領域をどういうふうに強化されていくのか、御社独自の何か方策とか戦略がありましたら、可能な範囲で教えていただければと思います。
長谷川 閑史 - 代表取締役社長
デボラに答えてもらいますが、その前にちょっと一言だけ補足しておきますが、先ほど大川取締役、大川さんの話の中にありましたように、DDU、ドラッグ・ディスカバリー・ユニットというのを100名から150名ぐらいのサイエンティストで、それを4つの領域で作ってます。
そのオンコロジーの領域については、今まではリーダーは日本人がやってたんですけれど、この4月からミレニアムの研究所長でありますドクター・ジョー・ウォーレンという人が、グローバルにドラッグ・ディスカバリー・ユニットの長をする。タケダジャパンだけじゃなくて、ミレニアムだけじゃなくて、あとほかのサンフランシスコでありますとか、サンディエゴのINDエンジンも含めて、全部彼がオンコロジーのグローバルのリサーチの責任者として全部を見ていくということで効率を図っていくという、そういう具体的な動きもすでに実現をしております。したがって、彼は半分ぐらいは日本で具体的に過ごすことになります。
(通訳済み)では、デボラさんの番です。
企業側発言者不明
(通訳済み)ありがとうございます。素晴らしいご質問です。また、エキサイティングな質問でもあります。
今、私たちはディスカバリーの領域に集中しています。そしてタケダ全体、このファミリーカンパニーに存在する技術を活用し、またストラクチャーベースの武田サンディエゴでのデザインの能力、これを使って、そして新規の(プロデアアミナース)の創薬をしようと考えております。
ですので、われわれとしてはこの創薬の生産性を上げようということを、こういう形で考えているわけでありますけれども、開発におきましても戦略で、トランスレーショナルメディスンということでの効率を上げようとしています。
すなわち、患者を選択して、そしてこれはリスポンドベースで正しい的確な薬を患者さんに提供すると。ですので、ジェノミックな解析をし、またサブタイピングをして、そうすることによって、治験で患者のポピュレーションでも最も高いインパクトを薬が出せるような、そういったものを行うと。そうすると、これによってその患者さん数からもその成功、あるいはまたポジティブなアウトカムが出る確率が上がります。そうすると、承認も加速される。また、価格面での自由度も持てます。ですので、このような形でわれわれ加速化して、開発をより効率化させたいと考えております。
これまでにはその患者対象にいたしましても、すべての患者を対象に薬の開発をしておりました。そうなりますと、ベネフィットは非常に小さいわけです。どの患者が奏功するのかわからない。ミレニアムが持っているそのヘリテージを活用いたしまして、これはジェノミックスの会社です。ですので、恐らくはいま創業してから10年でありますけれども、この開発の生産性をオンコロジーの分野ではわれわれが持てるものを活用するという形でもって加速ができると思っております。もちろん、もっとまた時間がございましたら、さらに詳細はお話ができるかと思いますけれども。
漆原 良一 - アナリスト
御社独特のものではなくて、もうどの会社でもやっていることだと思うんですけれども、御社の日本国内トップの企業として、癌をどういうふうにカッティングエッジにしていくのか、そのお話をおうかがいしたいんですけれども。
企業側発言者不明
(通訳済み)はい。まず最初はその科学の質を上げるということだと思うんです。どの会社ももちろんそれをやろうとしています。人の質、そしてイコール科学の質ともなるかと思います。
また、同時に私たちは新しい分野を広げていきたい。例えばタンパクのホメオスターシスをどうするかと。今日、例えばキナーゼの研究も行われています。7年から10年前からキナーゼの研究が行われ、それによってたくさんの標的が明らかになってきた。これまでに標的にならなかったところが出てきています。それが1つのカッティングエッジになります。また、ほかの他社がまだやっていないところも狙ってくるということです。
それから、腫瘍はいろんな変異によって動かされています。したがって、やはり薬剤を組み合わせていく必要があります。なので、そのための技術をする。そして、それを非臨床、前臨床の段階で試験できるようにする。いろんな変異のパターンに対してどう作用するかを見る。そうすることで、より早く臨床へとトランスレーションしていくということです。
例えば、ゲノミックスの検査をしてくれるようなところをやる。そうすることで、すべての人を対象にした1相試験をするのでなくて、ゲノミックスを使ってスクリーニングした患者を候補にしてその試験をしていくと。そしてメニューから正しい製品をタケダがパイプラインに組み入れていくということです。これは変異によっては単剤療法になるのか、併用療法になるのかわかりません。
こういったことが、1つはパーソナライズトメディスンにもつながっていくであろうと思います。そのためにわれわれ社内で構築した技術、それからまた外部、アカデミアとの共同研究でそれをさらに進めていきたいというふうに考えております。
漆原 良一 - アナリスト
2つ目が株主還元策のところで、14年3月期までは1株当たり180円の配当というふうにお話をされたんですけれども、07年3月期とか08年3月期、かなりの自社株買いをやられたんですけれども、追加の株主還元策のオプションとして、このローリングの中計中に自社株買いというものを考えてらっしゃるのかどうか、その点も教えていただければと思います。
長谷川 閑史 - 代表取締役社長
完全にその考えを排除はするものではありませんけれど、経営者としては現在の当社の先行きの見通し、パイプラインの状況を考えれば、還元よりは製品あるいは会社のアクイジッションで問題の解決を図るほうが、中長期に見てステークホルダーの期待に応える可能性が高いと考えておりますので、可能性は低いと自分では思っております、今の段階では。
漆原 良一 - アナリスト
わかりました。ありがとうございます。
司会
ありがとうございました。あ、どうぞ、真ん中の方。
参加者側発言者不明
すみません。細かいことで恐縮なんですけども、2つお聞きしたいんですけど。まず「EDARBI」なんですが、これは単純にポテンシーが高いだけなんですか。それとも代謝なり体内動態に違いがあって、つまりリスポンダーのノンリスポンダーが今までのARBと違うということなんですか、どちら。
企業側発言者不明
ちょっとサイエンスの面からお答えしたいと思うんですけど、1つはやはり受容体に対する親和性が非常に高い。それで通常ですとすぐに乖離をするんですけれども、これは非常に長い間くっついてます。ですから、効果が非常に持続するのと、非常に効果が強い。
それから臨床の結果といたしましては、例えばアフリカンアメリカンは普通非常に効きにくい、ARBは効きにくいんですけれども、ここでも非常に作用がほかのものと比べて強いということですので、薬効面、それからサイエンス面で十分差別化ができている化合物だというふうに認識しております。
参加者側発言者不明
薬理作用には別に違いがないわけですね。
企業側発言者不明
薬理、そうですね、いま申し上げましたように、ARBという性格自体は変わるものではありませんけれども、そのポテンシーといま申し上げましたようにターゲットですね。患者層において差別化ができているというふうな解釈です。
参加者側発言者不明
2つ目は「TAK-875」なんですが、藤野さんの置き土産というかなんですけども、これ中期経営計画の上市時期で、日本では出てるんですが、欧米に出てないんですけど、これ自信のなさの表れと理解してよろしいですか。
企業側発言者不明
いえ、そんなことはなくて、1つはやはり欧米でどうしてもCVアウトカムスタディを考えないといけないと。今、イクザミスタディを行っておりますけれども、2型糖尿病のお薬につきましてはやはりそこの時間がどうしてもかかりますので、日本よりはグローバルにやっても少し時間かかるというご理解をいただきたいと思うんですけど。
参加者側発言者不明
向こう、でも治験やっておられるんですよね。
企業側発言者不明
やってます、はい。
参加者側発言者不明
やっておられるんですよね。同時進行してるんですか、ちょっと遅れてるんですか、向こうで。
企業側発言者不明
いや、同時でやっておりますけども。
参加者側発言者不明
やってるんですか。それでも上市時期は遅れますよということですね。
企業側発言者不明
はい。国がトライアルのデザインが、欧米と日本では違うと。患者さんの背景がちょっと違いますので。
参加者側発言者不明
はい、わかりました。はい、ありがとうございます。
企業側発言者不明
(通訳済み)誤解をしないように、アメリカ、それからヨーロッパに関して、これはパイプラインの中でベストプロダクトだと考えています。なので、私たちはこの「475」について、もちろん状況が少し違いますので、時間も違ってきているということです。これ「875」です。すみません。「TAK-875」に関してです。
司会
ありがとうございました。あ、よろしゅうございますか、最前列の方。
小野塚 昌之 - アナリスト
すみません。JPモルガン証券の小野塚ですけれども、1点だけお願いしたいんですが、先ほど来、新興国への進出加速化という話がありますけれども、この地域的な拡大、多様化、あるいはそのパラダイムシフトに応じて、御社の人員構成比がどういうふうに動いていくのかっていうのを知りたいんですけれども。
10年度末の日・米・欧3極プラス新興国、それぞれの地域の人員が何名で、13年度末にはそれぞれどういうその姿になっているのか。もしざくっとイメージだけでも開示できるものがあったら教えていただきたいんですけれども。
企業側発言者不明
ウーン、ちょっと(技術的問題)。
小野塚 昌之 - アナリスト
あるいは、先進国とその新興国というような区分けでもいいです。
長谷川 閑史 - 代表取締役社長
今の段階では、当社の人員1万8,500人です。その約半分が日本ですね、コンソリデートベースですから。残りの半分が海外ということでありますけれど、その中でアメリカが3,500と500と、それからミレニアムで1,200かちょっとと、それからサンディエゴとサンフランシスコで両方合わせて200ちょっとか。そのぐらいですね、アメリカが。
ヨーロッパが全部合わせて当初2,000人いたのが今1,800人位かな。
企業側発言者不明
(通訳済み)今、1800名ぐらいでしょうか、ほぼ。
長谷川 閑史 - 代表取締役社長
アジアの国を新興国として勘定すれば、残りが今そういうことです。
増やすのは、先ほど言いましたように、中国が圧倒的に増加は多い。200人ちょっと、250人ぐらいが今1,000人ぐらいに、あと36カ月ですと3年ぐらいでするということでありますし、あとメキシコやブラジルにはいま旗を立てておりますけれど、ブラジルはまだ実際に登録をして実際に販売ができるようになるまでの間に1年半ぐらいかかりますので、そのプロセスの途中でありますから、2013年の段階ではまだそういう大きな数字にはなってないと思います。
それから、メキシコは恐らく数百人の規模、もう実際に製品を許可されて売ってますから、数百人の規模になると。
そのほかの新興国については、これから例えばロシアとか、インドは会社設立したばかりでありますし、ロシアはまだその会社の設立にも至ってませんので、13年の段階ではまだネグリジブルな数字だというふうにお考えください。そんなだいたいの感じです。
企業側発言者不明
新興国の関係はほぼそういう形だろうと思います。アジアで中国ないし韓国、インド等、新しく旗を立てる、あるいは再構築をするといった部分が相当の増員の中心になってくると思います。
細かいことですけど、日本の社員数を考えると、いま社長のほうから約半分と申しましたけど、だいたい4割ぐらいが日本の人数ということでご理解をいただければと思います。
小野塚 昌之 - アナリスト
米国はほぼ変わらずという感じなんですか。
長谷川 閑史 - 代表取締役社長
アメリカについては、近未来の見通しだと。
(通訳済み)将来的にアメリカでの人数についての質問ですけれども、これは一定でしょうか。あるいはミレニアムでも少し上がるんでしょうか。あるいは同じ、一定でしょうか。
小野塚 昌之 - アナリスト
ありがとうございます。
企業側発言者不明
営業体制でご理解いただければと思うのは、日本の例えば15年、20年前ぐらいの営業のやり方ですと、やはり相当詳しく正しい薬の情報を先生方にお届けすればするほどやはり正しい情報は出てくるといった時代が長かったわけですけども、欧米では逆にMR、日本でいえばMRという存在が情報を届けるという代わりに、例えばウェブであったり、いろんなそれ以外のルートを通じて情報が先生に届くということがやはり広く進行しておりますので、そういう意味では成熟したマーケットほど営業人員の重要性、あるいはその情報を届ける現場の作業員の重要性というのが減ってきているというふうにご理解いただければと思います。
一方で新興諸国は1時代前の日本の状況に非常に似ておりますので、まだまだMRといわれる医薬情報員が情報を届けないと、薬の処方の情報が届かないという状況でございますので、やはりその性格の違いで増員をかけるべきところ、減らすべきところというのが出ているというふうにご理解いただけるのがいいと思います。
司会
はい、ありがとうございます。ご質問ございませんでしょうか。はい、どうぞ、真ん中の方。
村岡 真一郎 - アナリスト
モルガン・スタンレーの村岡です。1問だけ。
アメリカでの「アログリプチン」の売り方の、ちょっと先の話ですけど、なんですが、この間「リナグリプチン」、BIのが認可されましたよね。「リナグリプチン」がものすごい大成功したら、じゃあ御社は3番手として、実質3番手としてどういう戦略をとるのか。もしくは「リナグリプチン」が全然オンコライザーみたいに駄目だったら、御社はどういう差別化をするのか。ちょっと今のところ考えているイメージを教えてください。
企業側発言者不明
(通訳済み)もちろん、われわれ状況についてBI、リリーの状況は承知しております。これに対応して、最善の形で対応していきたいと思いますが、われわれ「アログリプチン」を上市する際には、これCVのアウトカムのスタディの結果が出てでありますけど、これはわれわれにとって大きなアドバンテージです。
有効性に関してはディスアドバンテージはないということがわかっていますし、これはもう有効性ということでトップの状況にある。それから、また安全性のアドバンテージということでも同等である。また、これは競合にはないものである。さらにユニークなコンビネーション、合剤もあるということで、われわれとしてはもうキャッチアップ、追いつくというようなゲームができるというふうに思ってます。
けれども、われわれ、反対に動いた場合ということでは考えておりませんで、むしろこのよさ、化合物のよさということを考えてでのその成功ということを目指していきたいと思います。
長谷川 閑史 - 代表取締役社長
コンビネーションも同時に承認を受けるという見通しでということですから。
村岡 真一郎 - アナリスト
どうもありがとうございます。
司会
はい、ありがとうございました。次、ご質問はございませんでしょうか。
はい、ありがとうございました。質問がないようでございますので、これにて本日の説明会を終了させていただこうと思います。(司会の指示)
どうもありがとうございました。
注-- このトランスクリプトで(通訳済み)と注釈がついている部分は、イベント中にライブで通訳者によって通訳されたものです。通訳者はこのイベントをスポンサーする企業によって提供されました。