Takeda Pharmaceutical Co Ltd (TAK) 2010 Q4 法說會逐字稿

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  • 高原 宏 - コーポレートオフィサー 経理部長

  • それでは、ただいまより2009年度の連結業績の概要および10年度の見通しにつきましてご説明させていただきます。

  • 2009年度の連結業績の概要につきましては、ご覧のとおりの結果になっております。売上高は、米国で「プレバシド」の特許期間が満了したことによる減収影響と、為替の円高によるマイナス影響が大きく、前期から724億円、4.7%の減収です。

  • 一方、利益面では前期に発生いたしました一時的買収費用である、インプロセスR&D費用、1,599億円の負担が当期にはなかったことを主な要因といたしまして、営業利益は前期から1,137億円、37.1%増の4,202億円となっております。

  • 純利益は、営業利益の増益や税金の減少で、前期の特別利益の影響を吸収いたしまして、634億円、27%増の2,977億円となりました。

  • 特別損益、特殊要因除きのEPSにつきましては、前期より21円49銭減少し、448円81銭となりました。またROEは14.4%となっております。次のスライドお願いします。

  • 当期実績の公表予想との比較でございます。直近の予想であります第3クォーター決算発表時の予想と比較いたしますと、売上高は140億円、見込みを下回りました。利益面では研究開発費が136億円、公表を下回ったことなどによりまして、経費が予想を250億円下回り、売上高の減収影響を上回りましたことから、営業利益は252億円、見込みを上回っております。

  • 経常、および純利益は各々ご覧のとおりであります。

  • 次のスライドでございますけれども、対前期の為替の影響でございますが、ご覧のとおりでございます。売上高、営業利益、純利益、各々で、大きなマイナス影響となっております。減収724億円の約9割が為替要因となっております。

  • 次のスライドにまいりまして、事業セグメント別の売上高の増減の内訳でございますが、医療用医薬品の売上高は、対前期で664億円、4.8%の減収となりました。国内は前期から横ばいとなりましたが、ご覧のとおり、売り上げにつきましては伸長しております。

  • 海外は、ミレニアム社の「ベルケイド」は、85億円の増収でしたが、主に為替の円高による影響により、「カンデサルタン」、「ピオグリタゾン」、「リュープリン」は減収となりましたことに加え、「ランソプラゾール」は、米国特許満了のマイナス影響などで大幅な減収となりました。これらの結果、医療用、海外の合計では663億円、7.9%の減収となりました。

  • ヘルスケア事業の売上高は、「ニコレット」などが減少し、61億円、9.5%の減収であります。次のスライドお願いします。

  • 次に、仕入品を除いた連結医療用医薬品の売上高の推移を地域別に見たスライドであります。当社グループ全体では、前期から594億円、4.7%の減収となりました。為替の円高影響を除きますと、米州、欧州、アジアはそれぞれ増収となり、全体で48億円、0.4%の微増収となっております。

  • 米州では、為替影響除きで15億円、0.3%の微増収となりました。「ベルケイド」、「アクトスパメニ」の伸長と、「デクスラント」、「ユーロリック」の寄与で「プレバシド」の減収影響、466ミリオンを吸収しております。

  • 欧州も、為替影響を除きますと「アクトス」の増収などで3.5%増収となりました。次のスライドをお願いします。

  • 当社の主力、主要製品の売上高の状況についてでございますが、「ベルケイド」については85億円、22.6%の増収でありましたが、為替の円高による影響が大きく、他の主要4製品がいずれも円ベースの売上高は減収となりました。

  • 為替の影響を除きますと、「ピオグリタゾン」は262億円、「カンデサルタン」は9億円の増収となりますが、「ランソプラゾール」は420億円、「リュープロレリン」は9億円の減収でございます。次のスライドをご覧ください。

  • 営業利益の増減の内訳はご覧のとおりであります。売り上げ総利益や売上高の減少と、売り上げ総利益率が円高により若干下がりましたので、679億円、5.4%の減益です。

  • 一般管理販売費は為替の円高影響が大きく、全体で250億円減少いたしました。

  • 研究開発費は、前期にインプロセスR&D費用、1,599億円を計上しておりましたが、当期はこれがないことを主な要因といたしまして、1,567億円減少いたしました。この結果、営業利益は、前期から1,137億円の大幅な増益となっております。

  • なお、右の枠内にご覧いただけますとおり、買収関連費用を除いた実質ベースでは、主に売り上げ総利益の減益により、営業利益は490億円減少しております。次のスライドをご覧ください。

  • 次に、当期純利益の増減の内容をご説明いたします。金利低下による受取利息の減少などにより、営業外損益が251円億減少し、また特別利益が減少いたしましたが、営業利益の1,137億円の増加と税金などの461億円の減少により吸収いたしまして、当期純利益は634億円増加の2,977億円となりました。

  • 税金でございますけども、前期はTAP、ミレニアム社の統合による税率上昇要因もございまして、連結実効税率は40.5%でしたが、当期はこのような要因がないこと、およびアイルランドにおきます製剤工場と製薬工場の統合に伴う税効果などで、税率は低下いたしまして、連結実効税率は27.8%となっております。

  • 次のスライドでございますが、当期のキャッシュフローの状況についてご説明いたします。

  • 当期のキャッシュフローは、ご覧のとおり944億円のプラスとなっております。

  • 次に、2010年度の連結業績の見通しでございますが、売上高につきましては、国内において新製品上市などにより、医療用医薬品が増収となりますが、昨年11月の米国での「プレバシド」特許満了に伴う減収影響および、前提為替レートが前年より円高であることによる為替の影響180億円を吸収できず、前期から660億円の減収を見込んでおります。

  • 営業利益、経常利益、純利益につきましては、減収による粗利益減少に加え、新研究所の稼働に伴う研究開発費の増加などを見込んでおり、前期からご覧のとおり減益となる見込みです。

  • また、特別損益および企業買収による特殊要因を除いた2010年度のEPSは、前期から23.8%減少の342円4銭を見込んでおります。なお、2010年の業績見通しは、米国における「アクトス」後発品の参入開始時期が2012年8月になることを、前提としております。

  • 私からは以上でございますが、2009年度配当ならびに、2010年の配当予想につきましては、社長の中期計画の方針の中で、配当方針がご説明されますので、私からは省略させていただきます。以上でございます。

  • 参加者側発言者不明

  • それでは次に、社長の長谷川より10-12中期計画についてご説明させていただきます。

  • 長谷川 閑史 - 代表取締役社長

  • それでは10-12の中期計画についてご説明を申し上げますが、冒頭に、簡単に、06-10中期計画の振り返りをご説明させていただきます。

  • 当社は2006年度より世界的製薬企業の創成を目指しまして、06-10の中期計画を実施してまいりました。ご覧いただいておりますので、2010年度の業績目標および09年度時点でのそれらの目標に対する実績でございます。

  • EPSにつきましては、特殊要因を除いて年平均成長率として7.8%、ROEについても14.4%を実現いたしました。進出地域のシェアにつきましては2.5%の達成を見込んでおりまして、これは当社の予定とほぼ同レベルということであります。

  • 一方で、自社医療用医薬品、売上高1.4兆円、2010年度ですね。それから、2015年度には2兆円を見通せるパイプラインの構築というのを、中期計画の目標および長期の目標として掲げておりましたが、最終年度1年を残した09年度時点とはいえ、かなりの規模の買収でも実施できない限り達成は困難な状況にあります。

  • 株主還元に関してましては、配当について2010年度に配当性向を45%まで引き上げることを目標としてきました。決算短信の1ページにございます、お持ちなのかな、今、皆さんは。あ、そうですか。じゃあとで配当のスライドありますから、そこでまた申し上げます。

  • それから09年度までに累計で6,222億円に相当する自己株式の取得を実施をいたしました。資本効率の向上と株主の皆様への利益還元の1つの施策として推進をしてまいったわけでありますが、買い戻した自己株式はすべて償却済みでございます。じゃ次、お願いします。その次。

  • 中期計画を新たに前倒しで立案した背景でございますが、06-10中期計画、中期5カ年計画の終了にあと1年を残してる状況ではありますけれど、外部環境の変化および自社の状況がこの1~2年、中期計画で想定したところからかなりずれて、大きく変化をしてきておりますのが主な理由でありますが、外部環境につきましては、業界全体が技術革新の壁に直面している中で、研究開発生産性が大きく低下すると同時に、研究開発費そのものも絶対額が高騰をしてきております。

  • また各国における新薬承認審査の厳格化、さらには米国におけるヘルスケア・リフォームを初めとする各国における医療制度の見直し、さらには先進国の経済および市場経済の停滞、それから新興国の急成長、こういった要因がございます。

  • また、当社の取り巻く環境といたしましては、いま申し上げたことに加えて、06-10中期計画で当初予定の成果をあげるに至らず、次期中期計画、もうすでにスタートしております3年計画でありますが、に持ち越す継続課題といたしましては、冒頭にもご説明申し上げましたような成果はありましたものの、主力製品の特許切れを補って持続的な成長を実現できるだけのパイプラインの構築は残念ながらできておりません。

  • 医薬品業界を取り巻く環境が大きく変化する中で、さまざまな取り組みを進めましたものの、5年間の中期計画の枠組みの中で、環境変化への対応は必ずしも十分とれなかったというふうに認識をしております。

  • 研究開発におきましても、生産性の低下をなんとか食い止めようといろいろ施策は講じましたが、結果としてはまだ現れずには至っておりませんし、そこを踏まえて、昨年度から方針としましては、従来、どちらかというと量、スピードに重きを置きすぎていたきらいがあったという反省のもとから、質の強化、質に重点を置いた研究開発を行っていくということに、大きくフォーカスを転換しております。

  • この中期計画期間中には、中止あるいは遅延という開発課題の停滞が相次ぎました。その結果、生産性も大きく低下しましたことを、なんとしても変えないと、われわれの将来はないという認識を持っております。

  • その点につきましては、私のあとで大川のほうから話がありますので、私は多くを述べるのはちょっと割愛をさせていただきたいと思います。

  • 06-10中期計画での成果と強化すべきものを的確に分析したうえで、今後の環境変化に柔軟に対応し、持続的な成長の路線を描くということから1年前倒しで本中期計画を始めたわけでありますし、最近の環境変化がかなりスピードが激しい、あるいはぶれが大きいということから、従来の5カ年計画のサイクルを3カ年計画に縮めたわけであります。次お願いします。

  • 10-12中期計画では、新たなビジョンを掲げ、遅くとも2015年度には10年度レベルまで業績を回復し、2016年度以降は、2020年に向けて、10%程度の持続的な成長を目指してまいりたいと考えております。そのために新中期計画を、過去の成功体験と決別し、新たなタケダへ成長する変革期と位置づけております。

  • 13年度は、先ほどの高原経理部長のお話にもありましたように、「アクトス」後発品参入の影響が、フルイヤー、通年で現れますので、当面の見通しの中では業績の底となるものと想定をいたしておりますが、落ち込みをできるだけ最小限にとどめると同時に、本中期計画期間中に、14年度以降の安定的成長路線への復帰を確実にする戦略を実行してまいる予定であります。

  • 戦略の具体的内容につきましては、以下のスライドでご説明を申し上げます。

  • 10-12年度中期計画におきましては、期間におきましては、長期にわたる持続的な成長が可能な会社への変革を目指すべく、3つの経営方針、ビジョンを掲げました。

  • 重点疾患領域を中心として、医療と患者さんのニーズにこたえるため、最先端の科学と医学における革新に果敢に挑戦をし、優れた医薬品を研究開発し、上市をしていく。それからこの革新への挑戦を、活力ある企業風土が支え、持続的な企業価値向上を目指す、というものであります。

  • これらのビジョンに向かっていくうえで、当社は毎回申し上げておりますように、コンプライアンスの遵守については、従来以上に重きを置いていく覚悟であります。次お願いします。

  • 新たな経営方針に基づく戦略、経営方針の戦略への落とし込みは、ここにお示ししてるとおりであります。

  • それでは少し、それぞれについて詳しくご説明したいと思います。その次へ。

  • ご覧の開発後期品について、10年度から15年度にかけて確実な上市を実現していくと同時に、以下に述べる施策の実施によりパイプラインの強化を図ってまいります。具体的には、大川さんのほうがかなり話をしてくれることになってるね、ここは。

  • そういうことからごくごく簡単に申し上げますけれど、生活習慣病領域におきましては、「カンデサルタン」の後継品であります「TAK-491」について、4月、FDAに販売許可を申請実施いたしました。本薬は、競合品との直接の比較対照試験により、高圧作用が統計学的に有意であったことから、多くの高血圧症患者さんにとって有用であるものというふうに考えております。

  • 「ヘマタイド」につきましては、本年半ばにフェーズⅢ試験の速報結果が公表できる見込みでありまして、2010年度中に販売許可申請を予定をいたしております。

  • 同薬は1カ月に1回の注射剤であり、患者負担の緩和という他剤との明確な差別化が可能と考えておりますし、その他の差別化ポイントについては、後ほど大川から説明を申し上げます。

  • 米国における「SYR-322」につきましては、追加臨床試験が順調に進行しておりまして、2011年秋には、中間解析に基づく追加データの提出を予定しております。

  • 本データに関わるその後の審査期間は6カ月ということで、FDAとは確認、合意済みでございます。

  • 当社のGPCR研究から創出した「TAK-875」は、インスリン分泌系薬剤として、新たなメカニズムを持つファーストインクラスの製品で、キー・オピニオン・リーダーからの期待が大きい糖尿病治療薬でございます。

  • がん領域におきましては、「TAK-700」については、「リュープリン」に続く前立腺がん治療薬として、ベストインクラスの薬剤になり得ると期待をしておりますが、フェーズⅡ試験の良好な中間解析の結果に基づき、フェーズⅢ試験に進めることを決定済みでありまして、現在準備中であります。

  • 中枢神経疾患領域におきましては、「Lu AA 21004」は、安全性面で優れた特徴を持つ抗うつ剤として期待をいたしております。次、お願いします。

  • これは、これまでの重点疾患領域を、どう今後組み替えていくかということでありますが、詳細は後ほど大川から説明をいたしますので、私のほうからは特段の説明は割愛をさせていただきます。次、お願いします。

  • さらに革新への挑戦を具体化していく戦略のもう1つのまとまりでありますけれど、研究開発生産性向上によるパイプラインの充実のために、ここに掲げましたコスト効率に優れた研究開発プロセスと、POC&Cモデル、従来のPOCに加えて、加えましたCは、いちばん下の脚注にも書いてありますCompetitivenessということでございますけれど、このモデルを使って効率的な開発を進める。

  • さらには、グローバル研究開発体制の強化を行っていくし、湘南新研究所による創薬研究の総合力の強化、積極的なアライアンスの推進を行っていくということでございますが、これらにつきましても後ほど大川のほうから、逐一詳細に説明をいたしますので、私のほうは割愛をさせていただきます。

  • 次、持続的な成長でございますけれど、新製品の投入と価値最大化ということで、各地における主な開発品の承認取得状況を、ここにお示しをいたしております。赤で囲んである、左の上のほうで赤で囲んでありますものは、承認をすでに取得済みの製品群でございますし、そのすぐ下に緑色で囲んでおります製品は、承認申請をすでに提出しておる、承認申請済みの製品でございます。

  • これら開発課題につきましては、当局とのコミュニケーションの強化や、あるいは先ほど申し上げましたような、より効率的な研究開発を推進するためのいろんな取り組みを通じて、効率的な開発を進めることによって、できるだけ早く上市に結びつけていきたいというふうに考えております。次、お願いします。

  • 新製品の投入と価値最大化について、各局ごとに簡単にご説明を申し上げます。

  • 日本国内ではまさに新製品ラッシュともいえる、多くの新製品の発売を見込んでおりますことから、日・米・欧3局の中で、この中期計画期間中では最も安定した成長を見込める事業地域というふうに考えております。

  • 患者の皆さんを起点とした医療関係者の方々の視点に立った活動を、さらに充実させるとともに、国内ナンバーワンの生産性を誇っております強力な販売体制によって、既存品の量ベースでの伸長に加え、「ネシーナ」、これはbbb4のブランドネームでありますが、あるいは「ベクティビックス」を初めとして、3年間で7つの新製品上市というかってないチャンスを着実に、成長エンジンとして育て、持続的成長を実現いたします。

  • これに加えて、ライエンツテンションとしての合剤等がさらに加わってきていることはご承知のとおりでございます。

  • これによりまして、日本国内ナンバーワンを堅持し、既存品フランチャイズを磐石に維持、強化していくとともに、われわれにとっては新領域であります、がん、中枢神経疾患領域にもフランチャイズを開拓、確立し、リーディングカンパニーとしての地位をより強固なものにしていく予定でございます。

  • 次にアメリカでございますが、TPNA社では、既存品である「デクスラント」、これは名前が「カピデックス」から変わった製品であるということはご承知のとおりでありますけれど、さらには「ユーロリック」を着実に成長させるとともに、今後の新製品であります「TAK-491」、「ヘマタイド」、「SYR-322」等を速やかに市場浸透をさせてまいりたいと考えております。

  • 「アクトス」および他剤との合剤に関わる後発品の参入時期よりも前に、「SYR-322」、「ネシーナ」ですね。および「アクトス」との合剤、「ネシーナ」との合剤が発売できる公算が高まりましたことから、既存の「アクトス」フランチャイズを、「SYR-322」の単剤、モノセラピーおよびコンビネーションセラピー、「アクトス」との合剤の早期の立ち上げ、市場浸透に十分に生かしていきたいと考えております。

  • 事業環境、製品構成に柔軟に対応できる販売・人員体制に転換していくことによって、生産性、効率性の高い販売体制を実現していくつもりであります。詳細につきましては、後ほどまた改めて少し触れます。

  • ミレニアム社では、「ベルケイド」の多発性骨髄腫において、他剤との最大の差別化ポイントでございますOverall Survival Benefitの訴求によるさらなる伸張を実現いたしますとともに、確実な効能追加の取得を通じて、成長の持続を目指してまいります。

  • 次に、欧州・アジアでございますが、欧州につきましては、ご覧のような新製品の確実な上市について、プライマリケアだけでなく、スペシャリティにも、スペシャリストにも対応できる販売・人員体制に転換を図りながら、これら新製品の速やかな市場浸透を実現してまいります。

  • アジアにつきましては、TPAsiaのリーダーシップによるプロモーション体制の強化を図るとともに、インド、韓国などの新規進出検討国を含めて、投資をできるだけ前倒しで行い、アジア地域での高い成長を確実に、当社の業績に結びつけることができる体制の構築を急いでまいります。

  • 中国における「アクトス」のファイザー社とのコ・プロモーション効果を早期に最大化させることを中心として、中国でも投資機会を改めて再検討し、必要な投資を行うことによって急成長を実現してまいりたいと考えております。

  • 武田クリニカル・リサーチ・シンガポール社では、グローバル試験の中でのアジア各国の患者の比率を高めていくとともに、TPAsia社およびアジア5カ国における、各販売子会社のマーケティング活動と緊密に連携をすることによりまして、アジア地域での開発促進と、同地域の市場ニーズに即応した、対応した承認取得を実現し、上市後の市場浸透を加速させてまいります。

  • この点、これまで当社としては、十分できていなかったという反省のもとに、この点にも十分に注意をしてまいりたいと考えます。

  • なお、「SYR-322」につきましては、日本国内での製造販売承認を取得いたしましたことから、アジア地域の一部の国では、承認取得のタイミングを早めることができる可能性もありますので、それを追求してまいりたいと考えております。次お願いします。

  • 2013年度までの、世界市場における地域別シェア、IMSのデータによりますと、ここにお示しのような形で見込まれております。

  • 米国が最大の市場であることは変わりませんが、市場伸張率は、全世界市場の伸張率よりも米国は低くなるというふうに見込まれております。次いで日本、欧州、日本という順番でありますが、日本国内と欧州は安定的には推移を、これは米国との比較ではしていく見込みであります。

  • 中国、アジア、その他地域のシェアは、いまだベースとしては大きくはありませんが、成長率としては急速に伸張していく見通しであります。市場のサイズおよび伸張率の観点から、総合的にバランスのとれた売り上げ、利益の地域ポートフォリオを早急に構築をしてまいります。

  • その戦略について、もう少し付加的に説明を申し上げますと、当社では、海外販売統轄職の傘下に、グローバルに新規進出国を検討するチームを設置することで、スピーディな進出を実現してまいりました。08年度から09年度にかけて、12カ国に新規進出することで、合計26カ国への進出を果たし、世界市場のカバー率、日本を含めて、ついても13%改善し、84%へと拡大させました。

  • この点に関しましては、これまでの説明会でも何度もご説明をいたしましたように、M&Aを実現することによって一気に解決したいという、その可能性をずっと追求してまいりましたが、なかなかそれを実現するには至っておりません。したがいまして、その可能性がどこまであるかわからないものを待って、進出を待つよりは、今できることをわれわれとしてはしっかりやっていこうと。

  • そのうえで、M&Aでさらに拡張できる、あるいは強化できれば、それはそれで上乗せとして考えるという、そういう方針に08年から転換をいたしまして、新規進出国の急速な増加を実現したわけであります。

  • 既存進出国におきましては、スタート時点で、さまざまな形態での販売活動を追求してまいります。自社だけではなくて、あるいはディストリビュートを使ってスタートするとか、パートナーと組んでやるとか、いろんなやり方を考えますが、そういったいろんな柔軟な対応をすることによって、早期の体制の確立と黒字化を実現していきたいと考えております。

  • 今後、インド、韓国、ロシア、オーストラリア等への進出を引き続き検討していくことで、12年度までに世界市場のカバー率を約90%、国の数としてはだいたい30カ国ぐらいになるのではないかと考えておりますが、に高めることを予定しております。

  • これによりまして、ターゲットとすべき、当面ターゲットとすべき国、地域の大部分をカバーしている状態が実現できるものと考えております。なお、インドにつきましては、販売拠点の設置だけではなく、製造、研究、開発、それからIT、ビジネスプロセスなど、多機能にまたがる低コスト化とアウトソーシングの事業機会もあわせて検討いたしておりまして、それらを優先順位付けした後で、段階的に実施をしてまいる予定であります。

  • 続いて、活力ある企業風土の創造について、ご説明を申し上げます。次、お願いします。あ、これですね。

  • 過去数年間の間に、当社ではミレニアム社の買収やTAP社の統合、研究拠点や進出地域の拡大によるグローバル化を急速に進めてまいりました。その結果、日本人以外の幹部の登用、日本における女性社員、キャリア社員、外国人社員の増加など、従業員の多様化が急速に進んでおりますが、まだまだわれわれが目指す世界的製薬企業というビジョンからすれば、決して十分なレベルに達してるとはいえません。この多様性の中で、グローバルに対応できる人材の育成を加速させてまいります。

  • 本年2月に完成をさせました大阪の新研究所を、これに積極的に活用してまいります。また、グローバルでの人材ローテーションや評価制度の見直しなど、グローバルに一貫性のある人事政策についても、当然検討し実施をしてまいりますが、これらは、マルチナショナルの会社では、当然すでに実施されていることでありますけれど、われわれとしては、まだそこの点では、マルチナショナルの会社に追いついておらないわけでありますし、これを実現していかなければ、先ほども申しましたような、タレントのジョブローテーション、デベロップメントのためのジョブローテーションを、本社との間で行うとか、そういうこともなかなか実現が難しいわけでありますので、これもこの中期計画期間中に実現をしてまいりたいと考えております。

  • また、特に日本タケダを中心に、組織の活力ある風土の創造をつくってまいりたいと思います。この風土改革の取り組みと、ビジョンとして掲げております革新へ挑戦する取り組み、相乗効果により、将来の持続的な成長につなげてまいります。

  • なぜ、日本タケダと申しましたかといいますと、日本タケダのダイバーシフィケーション、あるいはグローバル・マインドセット、さらにはグローバルにビジネスをマネージできる日本人の育成、そういった点でまだまだ遅れている。トータルタケダの中では約2万人の従業員がおりまして、連結ベースでありますから、タケダだけではありませんが、日本に9,000名強おります。タケダだけだと6,500人ぐらいだったと思いますが、それぐらいの人数がいるにもかかわらず、なかなかまだそういった、申し上げたようなマインドセットだとか、そういった点では必ずしもグローバルの会社になれてない点が多々ありますので、その点についての早急な改善も、われわれとしては実行していかなければいけないということであります。

  • 次に、業績の見通しでございますが、12年度までの業績見通しにつきましてはご覧のとおりであります。

  • 「アクトス」後発品の参入の遅延により、売り上げ、利益の減少は最小限にとどめる見込みであります。次お願いします。

  • 本業績見込みの前提については、主な点はご覧のとおりでございます。米国における「アクトス」後発品の参入時期については、当社は「アクトス」と他の糖尿病治療薬との併用にかかる特許の、特許期間満了が到来する2016年6月まで、「アクトス」後発品は参入できない旨、特許侵害訴訟で主張しておりまして、ジェネリックメーカーと係争を続けてまいりました。

  • また、「アクトス」単剤ならびに、「アクトス」と「メトホルミン」の合剤に関して、サンド社、オーロビンド社との和解締結をもって、現時点では合計8社のうち7社と和解契約は締結したことになります。

  • 当該併用特許の権利行使が可能であることに、当社は自信を持っております。かつFDAは、テバ社に対して、他ジェネリックメーカーと同様に、パラグラフ4の申請が必要との見解を表明しておりますことから、今中期計画の業績見込みにつきましては、米国における「アクトス」単剤後発品の参入時期の前提を2012年8月といたしました。

  • しかしながら、2011年1月以降に、「アクトス」単剤の販売を可能とする法的手段を、テバ社が継続をし、追求し、また他の第3者が法的手段を開始する可能性は否定できませんので、まだ一定の不確定要素は残っておりますが、そういう会社が現れましたら、これまでと同じように、当然訴訟手続きを開始するということになりますし、これらの訴訟につきましては、すべてニューヨーク南部連邦地裁で一括取り扱われております。

  • 和解をした理由につきましても、この審議を行っているニューヨーク地裁の判事のリコメンデーションをよく聞いたうえで、われわれとしてはそうしたほうが会社にとってもよいであろうという判断から、和解をこれまで進めてきたわけであります。

  • 今後数年間、大変厳しい業績に直面する中で、痛みを伴うコスト構造改革も避けて通れないという覚悟もいたしております。その一環といたしまして、10年度中に、米国を中心としてグローバル全体で約10%の人員削減を行うことといたしました。TPNA社ではもうすでに発表いたしておりますが、全体の約28%、それからTGR&D社では全体の20%をリストラをするということを、現地で発表をいたしております。

  • リストラによる3年間の累計のコスト削減は、効果といたしましては一時金を差し引いた、用はセパレーション・パッケージのための一時金を差し引いたネットの金額といたしましては、500億円程度を見込んでおります。

  • 米国におけますヘルスケア・リフォームにつきましては、メディケアパートDのドーナツホールに入ると、薬剤費がいったん全額自己負担となる制度にかかる費用負担、これも政府とのアグリーメントで製薬メーカーが負担をするということでありますが、半分負担するということでありますが。それから税金の拠出金負担、メディケイドにかかるリベートの支払いをダウンサイド影響として、各年度、中期計画各年度にすでに織り込んでおります。

  • 一方で、無保険者の大多数が保険対象となりますので、このアメリカの政府が発表しておりますタイムラインによりますと、おそらくこの中期計画の、越えた段階になるのではないかということから、それによるアップサイドは、本中期計画には見込んで、織り込んではおりません。

  • 研究開発費につきましては、新研究所に関わる償却費として、毎年百数十億円を見込んでおり、それを含めて3,000億円レベルで維持をしてまいりたいと考えております。次。

  • 自力成長のベースケースでは、13年度は「アクトス」後発品の影響、フルイヤーインパクトがありますので、当面の業績の底となるものと考えております。しかしながら、これまでお話をしてまいりました10-12年度の諸施策、変革への挑戦に加え、戦略的投資を積極的に推進していくことで、15年度の業績を少なくとも10年度のレベルに回復させるとともに、以降2020年に向けて10%程度の持続的な成長を目指してまいります。

  • ただし、この予測はベースケースの見通しでありまして、通常の事業開発活動によるものは織り込んでおりますが、M&Aについては織り込んでおりません。ただ事業開発活動といいましても、これからやる事業開発活動の売り上げが、この中期計画期間中に実現するということは、なかなか可能性としては低いので、予算上は通常の予算は織り込んでおりますけれど、それらの結果としての売り上げには織り込んでおらないということでございます。

  • このベースケースを、いかにわれわれが上積みできるかということが、われわれの将来にかかっておりますが、すでにスタートいたしました変革への挑戦、あるいは活力ある風土の創造、これらを早期に実現していくことによって、いかに上積みを図っていくか。いかに早く回復軌道に乗せていくかにかかっているということは、経営陣一同は肝に銘じておるわけでございます。

  • まあちなみに、先ほど申しました通常のBD費用に加えて、キャッシュベースでは、毎年度500億円のBD、新たなBD費用として積んでおります。これにつきましてももちろん、まだ機会がアイデンティファイされているわけではありませんので、当然のことながら売り上げには織り込んでおりません。

  • またM&Aにつきましては、継続して追求してまいりますことは申し上げるまでもない点であります。じゃ次、お願いします。

  • 手元資金につきましては、必要運転資金、新たにこれも、こういう状況の中で、オペレーションキャッシュがどのくらいいるかということを検討いたしまして、従来5,000億円と申してまいりましたが、現時点ではそれを3,500億円といたしております。

  • それの背景は、全世界の資金を有効に活用するための、キャッシュ・プーリング・システムというのをすでに導入しておりますことに加え、5,000億円と申し上げた時には、一応8,000億円ぐらいの金を持ってる状況でありましたが、事情が変わりましたので、オペレーティングキャッシュについてはできるだけ絞って、それを戦略的投資に回したいということから見直しをして、3,500億円という金額に到達したわけであります。

  • ちなみに、バランスシート上は、3月末には8,800億円やったかな。8,800億円の手持ち資金を保有しておりますし、後ほど申します配当金を払ったといたしましても、近々1兆円を超えるような形になってまいりますが、必要に応じて、場合によってはさらに借入金をすることによってでも、十分なわれわれの将来の成長に資するようなM&Aは追求をしてまいる予定であります。

  • 遅くとも2015年度までに、10年度のレベルへの業績の回復と、以降の10%程度の持続的成長を実現するためには、まず今申し上げたようなことをきちっと実行してかなければいけないということであります。

  • 最後に、最後じゃないか、最後から2番目だな。もう1つ、次お願いしますね。

  • 配当についてでありますが、配当方針につきましては、今後一時的に業績が落ち込むことがあるとはいえ、その後2015年に向かって業績が回復していくものというふうに、われわれとしては考えておりますし、その結果を実現することにも自信を持っておりますので、12年度までの配当性向は高くなりますものの、10-12年、中期計画における1株当たり配当金は、現状の水準、すなわち09年度予定の180円、1年間です。年間180円の配当を維持することを基本方針といたしております。

  • ちなみに、ここに右側のほうに書いてありますように、配当性向の計算は、ここで示しておりますものと決算短信で示しておりますのは、その右下にあるアスタリスクの要素によって、若干変わっております。こちらのほうが低く出ておるということだけはご了承をいただきたいと思います。

  • 最後に、これまでお話をしてまいりましたように、当社は本中期計画期間中に、新たなタケダへ脱皮をし、変革をしない限り、われわれの会社のサバイバルはないと考えております。一方で、2011年に230年を迎えることになる当社の長い歴史の中で、脈々と流れるタケダイズムというのは、どういう状況であってもわれわれの経営のバックボーンであり、最上位に位置づける経営の哲学であります。今度とも、グループ統合の象徴として、組織および個人に継承されるべき普遍の価値観として考えております。

  • また、われわれがミッションとして考えております、優れた医薬品の創出を通じて、人々の健康と医療の未来に貢献する旨の経営理念も普遍であります。

  • しかしながら、新興国への進出をいま進めておりますが、そういった環境の中ではよりコンプライアンスへの対応が厳しくなるし、難しくなるということも容易に想像できますが、コンプライアンスの遵守につきましては、申し上げるまでもなく、われわれとしてどういうマーケットの環境であろうと、厳守をしていかなければいけないものとして、今後も徹底的に追求をしてまいりたいと思います。

  • 以上で、私の説明を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。

  • 参加者側発言者不明

  • それでは、次に研究開発統轄職の大川より、10-12中期計画におけるタケダの研究開発戦略について説明させていただきます。

  • 大川 滋紀 - 取締役研究開発統括職

  • 大川でございます。よろしくお願いいたします。ただいまより、2010年から12年の中期計画におけますタケダの研究開発戦略について、ご説明をさせていただきます。

  • タケダの研究開発のミッションは、最先端の医学と科学によってアンメットニーズに応える薬剤を持続的に創出し、「人々の健康と医療の未来」に貢献することにあります。

  • ミッションの実現に向け、当社は2006年から2010年の前中期計画期間におきまして、パイプラインの充実と強化、グローバル体制の確立、研究開発力の強化を進めてまいりました。これをさらに加速・強化するために、2010年から2012年までの新中期計画を策定いたしました。

  • この中期計画では、まず現在までの成果に立脚いたしまして、世界的製薬企業として成長するために研究開発パイプラインのさらなる充実・強化に取り組んでまいります。

  • 重点方針といたしましては、当面の成長の源泉となる後期臨床プログラムを中心といたしましたポートフォリオ価値の最大化、そしてタケダの強みを生かしアンメットニーズに応える領域戦略の推進、この2点を掲げております。

  • 同時に、研究開発の生産性向上に取り組み、パイプライン強化におけるコスト効率の早期改善を実現するとともに、将来を見据え、創薬イノベーションに向けた取り組みを強化してまいります。

  • これらにより、患者さんのニーズに真に応える革新的な薬剤の創製を追求してまいりたいと思います。

  • それでは、前中期計画の遂行状況を振り返った上で、新中期計画におけます研究開発戦略の骨子をご説明いたします。

  • まず、2006年から2010年度の前中期計画の振り返りについて、簡単にご説明をさせていただきます。

  • 2006年の5月に公表いたしました、2006年から2010年にかけての中期計画に沿いまして、研究開発部門は2016年以降、継続的に毎年1品目の新製品を上市できる研究開発パイプラインの構築、そしてそれを支えるグローバル研究開発体制の確立・強化に取り組んでまいりました。

  • その成果といたしまして、7つの新製品、そして25のライフサイクル品の承認取得を果たすと同時に、インライセンス品を含めて46品目が新規に臨床入りを果たしました。 併せてグローバルな研究開発体制を確立・強化してまいりました。その成果といたしまして、複数のINDエンジンの設置によるグローバル研究ネットワークの構築、ミレニアム、武田バイオ開発センターの設置によるがん領域の研究開発力の強化、TGR&USとTAPの統合によります米国での臨床開発の効率化、そしてCSOの設置によりますグローバルレベルでの研究開発部門の連携強化を実現してまいりました。

  • また、研究開発能力の強化に向けた取り組みといたしまして、疾患領域を軸といたしましたチーム制を導入するとともに、トランスレーショナル・メディスンへの注力や、外部研究者とのネットワークの構築を進めてまいりました。

  • 次のスライドにて、パイプラインの進展状況についてご説明をしてまいります。

  • 2006年5月時点と、そして現在のパイプラインの状況をお示しいたします。

  • 生活習慣病領域では、多くの自社開発品の化合物がステージアップを果たすとともに、3つの化合物をインライセンスにより取得いたしました。期待の糖尿病薬であります「Alogliptin」、これは日本ですでに承認を得ており、米国、欧州でも第3相試験を実施中でございます。

  • また、中枢神経領域では、2006年5月時点ではパイプラインが1品目であったのに対し、自社開発品のステージアップおよびルンドベック社からのインライセンスなどにより、充実をしてきております。

  • 不眠症薬であります「ロゼレム」、これは2005年の米国での承認に引き続きまして、この4月に日本での承認を果たすことができました。

  • 続きまして、がん領域と消化器、その他領域のパイプラインの状況でございます。

  • がん領域におきましては、自社プログラムの臨床へのステージアップに加え、ミレニアムおよびアムジェン社からのインライセンスなどにより、一気にパイプラインが充実してまいっております。

  • 抗体医薬でございます「Vectibix」、そして免疫賦活薬であります「MEPACT」を上市いたしまして、その他の抗体医薬品も充実をしてきております。

  • がん領域のパイプラインにつきましては、後ほど改めてご説明をさせていただきたいと思います。

  • また、消化器その他領域では、既存開発品が進展し、3製品が新規化合物として上市を果たしております。

  • 続きまして、これらのパイプライン強化の成果として、短中期的な成長の源泉となる近年上市予定の主要製品の状況について、説明をさせていただきます。

  • これらは先ほど社長の長谷川の説明にもございましたけれども、新中期計画期間およびそれ以降2015年まで、2015年度までに承認が見込まれます主な新製品の一覧でございます。なお、アムジェン社からの導入品につきましては、承認予定年度を開示しておりませんので、ここには載せておりません。

  • 今後これら開発後期品目につきまして、臨床試験を着実に推進し、計画どおりの承認取得を目指してまいります。同時に、ライフサイクルマネジメントによります各プログラムの価値最大化、およびインライセンスによるさらなる臨床後期パイプラインの強化も追求してまいります。

  • 本日は、この中から主要な5製品、「TAK-491」「ヘマタイド」、「SYR-322」、「Lu AA 21004」および「Vectibix」につきまして、各製品の差別化要素を中心にプロファイルをご紹介したいと思います。次、お願いします。

  • まず、「TAK-491」でございますけれども、これはベストインクラスとなる可能性を持つ血圧降下剤であり、単剤および併用療法での開発が進んでおります。この表にお示ししましたように、単剤においても他のアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬、ARBに比べまして、より強い血圧降下作用を示すことが治験で明らかになっております。

  • また、併用療法でも血圧降下作用が強く、今後の高血圧治療を担っていく薬剤になると期待をいたしております。次、お願いいたします。

  • 次に「Peginesatide」、市販名「ヘマタイド」でございますけれども、このものは慢性腎疾患患者の貧血の治療薬でありまして、既存薬に比べまして安定したヘモグロビン増加、そして赤芽球癆副作用の回避、および少ない投与頻度といった特徴を持ちまして、従来のエリスロポエチン製剤などの課題を解決する薬剤になると期待をいたしております。

  • 米国、欧州、日本で第3相試験が進んでおり、2012年度までの上市を見込んでおります。次、お願いいたします。

  • 次に「SYR-322」、「Alogliptin」でございますけれども、このものは「アクトス」の後継品として開発を進めている糖尿病薬であり、既存薬に比べまして低血糖の回避、および顕著な副作用の軽減が主な特徴でございます。

  • 日本では2010年4月に承認が得られ、「アクトス」との配合剤や他薬剤との併用療法についてもすでに申請をすませております。米国におきましては、心臓血管系に対する新規治験、イグザミン試験も計画どおり進捗しているとともに、中間解析データにおいて再検討することをFDAから了承を受けておりまして、「アクトス」との配合剤とともに2012年に上市の予定でございます。

  • 引き続きまして、ルンドベックの化合物でございますけれども、「Lu AA 21004」、これは大うつ病に対して有効な薬効を持つ多重作用メカニズム型の抗うつ薬でございます。特に性機能障害、退薬症状といった副作用を回避することが可能であるとともに、薬物相互作用が少なく併用療法が容易であるなど、優れた安全性が期待できる抗うつ薬と考えております。

  • 現在、このような差別化点をより明確にするとともに、有効性と安全性の両面から最適投与量を見極めることに特化し、第3相試験を進めております。

  • 引き続きまして、「Vectibix」でございます。このものはアムジェン社から導入いたしました結腸・直腸がんに対する抗体医薬であり、日本でも今年4月に承認がされました。この製品はタケダの国内におけますがん領域の中核を担う製品になると、期待をいたしております。

  • 特徴でございますけれども、既存の抗EGFR抗体医薬品と比べまして、まずヒト型の抗体であるということ。そして、インフュージョンリアクションの出現頻度が比較的低いことから、抗ヒスタミン剤の投与が必要でないこと。また、EGFR検査が不要であること。そしてファーストライン、セカンドラインおよびサードライン治療目的に、化学療法との併用、または単剤で使用可能であること。さらに、投与回数が少ないなど、安全性や利便性の面で競合優勢を有しており、ベストインクラスの薬剤になるものと期待をいたしております。

  • 以上が主要製品の概要でございますけれども、引き続きまして、より長期的な成長に向け、今後注力していきます疾患領域の戦略についてご説明をしてまいりたいと思います。

  • このスライドは、先ほど長谷川の説明にもございましたけれども、当社は今後、アンメットニーズが高く、疾病予防と根本治療に貢献する領域にフォーカスし、がん領域、中枢神経領域、および生活習慣病の中でも特に肥満症、糖尿病、動脈硬化薬等の研究開発に積極的に取り組んでまいります。タケダ独自の強みを十分に活用することで、これらの領域で優位性のある新薬の創出を目指してまいります。

  • それでは、引き続きましてこれら3つの領域に関する具体的戦略について、お話をさせていただきます。

  • 初めに、生活習慣病の領域戦略でございます。この領域は引き続き当社の核となる領域と位置づけ、取り組んでまいります。

  • 当社は1960年代前半に、すでに肥満と生活習慣病との関連に着目をいたしまして、糖尿病治療薬および降圧剤の研究を実施してまいりました。今後はGPCR研究、G protein-coupled receptorでありますけれども、この研究から生まれました「TAK-875」など、より強力で安全性の高い糖尿病薬の開発を進めることに加え、これまでの研究実績を生かして、生活習慣病の最上流にあります肥満へフォーカスして疾病予防に取り組むとともに、下流にあります動脈硬化、この治療薬を狙ってまいります。

  • 肥満に関しましては、これまでの研究成果の活用に加え、つくばで推進してまいりましたペプチド医薬、この創製技術を活用し、ペプチドおよび経口低分子による製品の創出を目指してまいります。

  • 糖尿病薬は、つくばにおけますiPS細胞研究など再生医薬研究から得られました治験をもとに、膵ベータ細胞再生作用を有する薬物、あるいは強力なヘモグロビンのA1c低下作用に加えまして、体重減少や膵ベータ細胞保護作用を有する薬剤を追求してまいります。

  • 動脈硬化薬では、バイオマーカーやイメージングなどのトランスレーショナルメディスンと、これまでに蓄積いたしました脂肪酸カスケード研究におけます治験を積極的に活用して、研究開発を進めてまいります。

  • 引き続きまして、がん領域の戦略でございます

  • グローバルなネットワークおよび「ベルケイド」や「リュープリン」で確立した強みを最大限に活用し、がん患者さんの寿命を延ばすことができる高度に差別化された治療薬の創製を、研究開発方針として追求してまいります。

  • 「ベルケイド」のプロテインホメオスタシスの基盤、および「リュープリン」で確立いたしました前立腺がん研究などの強みを最大限に活用し、自社研究におけます新規化合物の創出を進めると同時に、2015年以降の売り上げに貢献いたします臨床開発の中・後期の化合物を導入し、ポートフォリオの早期充実を進めてまいりたいと考えております。

  • 臨床開発におきましては、ファーストインクラス、ベストインクラス、およびファーストフォロワーのそれぞれのカテゴリーで、競合優位性をもとにして優先順位づけを行い、質の高い薬剤の開発を加速いたします。その際、武田バイオ開発センターでの固形がん、抗体医薬開発の経験を活用して、開発を進めてまいりたいと考えております。

  • また、質の高い薬剤の早期の見極めのために、技術面ではトランスレーショナルメディスンの研究を推進し、バイオマーカーの探索およびイメージング技術などの成果を、研究早期から開発まで幅広く応用してまいりたいとも考えております。

  • 以上の取り組みを通じて研究開発力を強化し、がん領域でのリーダーシップを目指してまいりたいと考えております。

  • 引き続きまして、がん領域のパイプラインの状況を見てまいりたいと思います。

  • これががん領域のパイプラインでございますけれども、自社パイプラインの進捗とともに、ミレニアムの買収およびアムジェンから複数品目を導入いたしましたことにより、パイプラインは充実してきております。

  • また、こちらに示しますように、パイプラインには異なる作用機序の候補薬をそろえておりますので、これも1つの特徴になっております。

  • ただし、まだフェーズの浅いプログラムが大半を占めておりますことから、今後これらのプログラムを適切に見極めた上で、質の高いものを選んで着実にステージアップさせると同時に、インライセンスにより後期臨床開発パイプラインを充実させることが重要な戦略となるというふうに考えております。

  • それでは、これらのパイプラインの中から、「リュープリン」および「ベルケイド」の後継品としての期待が高い2つのプロジェクト、「TAK-700」と「MLN9708」について、説明をさせていただきます。

  • まず、「TAK-700」でございますけれども、これは17、20リアーゼ阻害剤で、「リュープリン」に引き続く前立腺がんの治療薬として、米国におけます第2相試験の良好な中間解析結果に基づき、第3相試験に進めることを決定いたしました。

  • 300ミリグラムBID以上の投与で、転移性の去勢療法耐性がんの患者さんの多くに奏功するなど、現在良好な臨床試験データが得られてきております。

  • 今後、この分野でファーストフォロワーな薬剤として、先行する競合品との差を詰めるべく、開発を加速してまいりたいと考えております。

  • 引き続きまして、「MLN9708」でございますが、「ベルケイド」の特許が2017年に失効いたしますことから、その後継品として第2世代のプロテアソーム阻害剤である本化合物を開発中でございます。

  • 現在、第1相試験を実施いたしておりますけれども、安定した薬物動態、そして低い用量での使用縮減効果など、有効なデータが得られつつございます。「ベルケイド」よりも有効性、安全性が高く、臨床では初となる経口プロテアソーム阻害薬として開発を進めてまいります。

  • このスライドでは、抗体医薬の現状をお示しいたしました。当社では今後の抗がん剤の研究開発における主要な技術の1つといたしまして、抗体医薬にも積極的に取り組んでおりますけれども、このスライドは当社におけるパイプラインと研究開発体制をお示ししたものでございます。

  • アムジェンからの導入品を中心に、ご覧のように承認取得済みの「Vectibix」を含め現在8品目の抗体医薬品を臨床開発パイプラインに有しております。今後、当社の抗体医薬の研究拠点でありますタケダ・サンフランシスコにおきまして、独自のファージディスプレイを活用いたしまして、質の高い創薬ターゲットを創出し、日本の研究所とのコラボレーションによりまして、それを着実にINDに結びつけることで、自社品によるパイプライン強化を進めてまいりたい、というふうに考えております。

  • また、バイオベンチャーなどからの導入も積極的に行い、自社品とともにミレニアム、武田バイオ開発センターがその経験や治験を生かして臨床開発を推進し、がん領域を中心に早急に抗体医薬の事業基盤を確立・強化いたしてまいります。

  • 次に中枢神経領域の成長戦略について、ご説明をいたします。

  • この領域では過去「セルシン」、「ユーロジン」、「ヒルトニン」、そして「ロゼレム」を生み出した実績が示しますように、四半世紀にわたって確立いたしました製薬基盤を有しております。これに加えまして、GPCR研究、タケダ・ケンブリッジでのノックアウト動物、つくばにおけますiPS研究など、研究領域における当社独自の強みを有していると考えております。

  • さらに近年、アルツハイマー病のバイオマーカー探索のコンソーシアムでありますJ-ADNIへの参加や、ルンドベック社、ヤンセンファーマ社といった中枢神経領域に強い企業との提携を通じまして、研究開発力の強化を進めております。

  • これらの研究開発基盤を生かし、短・中期的にはうつの治療薬、そして長期的には特にアンメットニーズの高いアルツハイマー病、そして統合失調症に注力して研究開発を進めてまいります。

  • 引き続きまして、研究開発の生産性向上策について説明をさせていただきます。

  • すでにご説明いたしましたとおり、06年度以降、当社のパイプライン充実強化を進め一定の成果を上げてまいりましたけれども、当社が世界的製薬企業として飛躍するためには、さらなるパイプライン強化が重要と考えております。

  • 一方、当社をとりまく環境を見ますと、当局による承認基準の厳格化、あるいは保険会社などのペイヤー、支払者の影響力の増大といった外部要因の変化に加え、「アクトス」をはじめとする主要製品の特許切れによる収益力の低下もあり、今後新製品の上市はますますチャレンジングになるというふうに予想しております。

  • このような中、パイプライン強化を進めるに当たりましては、マーケットニーズを反映し、徹底的に差別化にこだわった質の高い研究開発を進めると同時に、コスト効率の最適化を追求することで、研究開発の生産性向上をさせることがきわめて重要となります。

  • 当社では、研究開発での生産性向上策といたしまして、ここにお示ししました4つの施策を進めてまいります。

  • それでは、それぞれの4項目につきまして、説明をしてまいります。

  • まず初めに、コスト効率の高い研究開発プロセスとPOC&Cモデルに関する具体的な取り組み内容をご説明いたします。POC&Cは、先ほど長谷川の説明にもございましたように、Proof of Concept & Competitivenessの略で、臨床試験におきまして化合物のコンセプトの確認に加え、競合品との差別化の確認を徹底することを示しており、生産性改善策の柱と位置づけております。

  • このコンセプトに沿った生産性改善策の1点目といたしましては、研究、開発、CMC、そしてマーケティングの部門横断的な取り組みを強化してまいります。具体的には、各部門の連携によりますPOC&Cに徹底的にこだわった研究開発の推進。そして各部門のヘッドで構成されますパイプラインや導入候補品の評価委員会を通じました開発課題の優先順位づけや、ゴー・ノーゴー・ディシジョン、この明確化と透明性の向上。そして導入候補品に関します評価の厳格な結論、そして最適な臨床試験の実施とトランスレーショナルメディスン研究の強化、活用によります可能性の低い研究開発テーマの早期見極め、そして優先度の高いテーマへの重点的なリソース配分を進めてまいります。

  • また、長期毒性試験や治験薬製造をPOC&C取得以降に開始するなど、Back-loadedといわれるモデルの導入をしてまいります。

  • また、市場ニーズに応じたライフサイクル戦略の立案および実行を進めてまいります。 研究本部におきましては、領域戦略に沿った研究資源配分を最適化するとともに、POC&Cまで研究本部がリードする体制、そして仕組みの導入。また、病態理解の促進などによる創薬ターゲットの目利きの強化を進めてまいります。

  • 開発本部におきましては、先ほどご説明いたしました領域戦略に沿いまして、ファーストインクラスやベストインクラスなどの化合物の特徴を適切に反映した臨床試験。これを策定、試験計画を策定するとともに、FDAをはじめといたします規制当局との関係構築の強化、またクリニカルサイエンスや安全性情報管理などの社内の重要部門の強化、そしてアウトソーシングの有効活用によりますスリムで強靱なグローバルオペレーション体制の確立に取り組んでまいります。

  • これらの取り組みによりまして明確に競合優位性を持ち、上市につながる質の高い化合物をより多く創出し、開発後期の成功確率を高めるとともに、研究開発資源の効率的な活用を実施してまいります。

  • 次に2つ目の取り組みといたしまして、今ご説明いたしました部門横断的な取り組み、この一環としてグローバルな研究開発体制の下での地域間のさらなる連携を進めてまいります。

  • この世界地図は当社のグローバルな研究開発の拠点を示しており、日・米・欧・亜のバイオクラスターにそれぞれのサイトが展開していることがおわかりいただけるかと思います。

  • この体制の下で、昨年度はCSOの設置によります研究開発部門の連携強化、そして研究開発部門と米国を中心といたしましたマーケティング部門、IOオフィスとの連携強化等を進めてまいりました。先ほどご説明いたしましたパイプラインや導入候補品の評価委員会は、これらの取り組みの一環として設置し、運営を始めたものでございます。

  • 今後はこれらの体制を活用し、さらなる部門地域横断的な連携と、迅速で最適な意思決定を進めてまいります。

  • 引き続きまして、2010年度に湘南地区に設立する新研究所について、説明をいたします。

  • 当社では最先端技術と科学知識を積極的に駆使することにより、アンメットニーズの高い疾病の治療・改善へとつなげることを旗印に、質にこだわった創薬を実施してまいりますけれども、新湘南研究所をそれをリードする最先端のグローバルの研究拠点として位置づけ、創薬マインドにあふれた高い専門性を持つ国内外の研究者が組織や地域を超えて自由闊達に議論し、切磋琢磨できる風土を実現したいと考えております。

  • 具体的な取り組みといたしましては、新研究所の設立によって、つくばと大阪の研究所を統合し、薬効領域間の連携を促進するとともに、研究テーマに関する適用疾患、あるいは薬効領域の拡大と、より迅速な意思決定を実現してまいります。

  • また、構造的には廊下を挟んで、同じ薬効領域の合成と薬理のメンバーを配置し、両者の連携を強化したり、あるいはNomadといいます交流のスペースを複数設置いたしまして、研究者の出会いと自由闊達な議論の場を提供してまいります。

  • これらにより、国内研究所の研究所統合による相乗効果を発揮するとともに、海外の研究所との人材交流も従来以上に活発に行い、新研究所をグローバルな研究拠点として確立してまいります。

  • 次に、生産性改善の取り組みとして、アライアンスの推進について説明をいたします。 積極的なアライアンスを通じ、社内リソースを最大限に活用することによって、質を重視した研究開発と生産性の改善を追求してまいります。

  • 具体的には、まず研究部門におきまして、従来から実施しております共同研究、これをさらに推し進め、世界の研究エキスパティーズのより積極的な活用に向け、アカデミアとのネットワークを拡大強化するとともに、世界の研究トップエキスパートと長期的なウィン・ウィンの関係を築き、研究成果を高めてまいります。

  • また、インライセンス活動を強化し、社内の化合物とたとえコンフリクトがある場合でも、質の高いものがございましたら、これを積極的に導入をしたいと考えております。

  • また、さらに新たな取り組みといたしまして、て自社品の後期臨床試験におけるリスクの低減、およびコスト削減、さらには機会ロスをなくすという観点から、パートナーとの共同研究、共同開発を積極的に推進してまいります。

  • 最後に、将来のイノベーションに向けた取り組みにつきまして、その実例も用いてご説明をさせていただきます。

  • まず、このスライドは創薬イノベーションにおけまして、取り組みの一例として作りました。当社の強みであるGPCR研究について、説明をしたスライドでございます。

  • Gタンパク質共役受容体でありますGPCRは、現時点で市場に存在する医薬品の創薬ターゲットの約40%を占めております。そして、オーファン受容体の脱オーファン化というのは依然重要な研究テーマとなっております。

  • この研究分野におきまして、当社では多くのオーファン受容体の機能解析を行ってまいりました。この研究は1994年につくばで開始いたしまして、最近では「GPR40」あるいは「メタスチン」といった今後の新薬につながる有望なターゲットを見いだし、これらはすでに開発段階に入っております。

  • さらにこの機能を強化すべく設立いたしましたタケダ・ケンブリッジにおきましては、遺伝子改変マウスや表現型解析の強みを生かし、この分野での独自のターゲットの発掘を進めております。

  • このGPCR研究での先行は、中枢神経領域をはじめ複数の領域で優位性につながることを期待いたしております。その一例といたしまして、「TAK-875」について説明をさせていただきます。

  • 「TAK-875」は、このオーファン受容体研究から見いだしました膵臓のベータ細胞に存在いたしますオーファン受容体、GPR40をターゲットとしております。このアゴニストはこれまでの糖尿病薬とはまったく異なる作用機序を持ち、すでに糖尿病の患者さんにおいて強い血糖降下作用を確認いたしております。

  • また、作用機序が異なるために、既存薬との相乗効果が期待できる上、低血糖症などの発現リスクがなく、一般的な糖尿病治療薬でありますスルホニルウェアなどと比べて、膵疲弊のリスクが非常に少ないという利点が期待されております。

  • 最後に、創薬イノベーションに向けた研究ビジョンについて、ご説明をいたします。

  • 当社では、これらの最先端分野の実現に向け、基盤研究を強化し加速してまいります。初めに、すでに進めております抗体医薬、核酸医薬、ワクチンなどのバイオ医薬品への取り組みを強化・加速し、より効果的な薬剤の創出に努めてまいります。

  • 続いて、長期的な取り組みといたしましては、「ベイスン」の耐糖能障害の効能取得を事例といたしました予防医薬品の分野での医薬品の開発、また患者さんの特性に合わせたテーラーメイド医薬品や、今後の医療技術として注目の高い再生医薬の創製に向けた道筋をつけ、究極的には疾患症状を緩和するのではなく、疾患そのものを治癒する薬剤の創製を目指してまいりたいと考えております。

  • これらの最先端分野への取り組みにつきましては、R&D戦略の詳細を説明する新たな機会を設けさせていただきたいというふうに考えております。

  • 以上、ご説明申し上げましたように、武田薬品は2012年度までに後期臨床開発プログラムを中心としてポートフォリオ価値を最大化し、タケダの強みを生かし、アンメットニーズに応える、生活習慣病、がん、中枢疾患領域での戦略の推進、そして研究開発生産性の向上、創薬イノベーションに向けた取り組みの強化の4点に取り組み、患者さんのニーズに真に応える革新的な薬剤の創製を追求してまいります。どうもご清聴ありがとうございました。

  • 参加者側発言者不明

  • ご清聴ありがとうございました。それでは、これより質疑応答に移ります。

  • 本日、この会場の皆様、および電話回線を通じてご参加になられていらっしゃいます海外の投資家の皆様、それぞれに質問をお受けいたします。

  • まず、会場の方でご質問あられる方は、挙手ならびに会社名とお名前を頂戴したく思います。まず会場のほうから、あ、どうぞ。

  • 長谷川 閑史 - 代表取締役社長

  • ちょっと(大槻)さんね、大変申し訳ないんですけれど、多数の方がお聞きになりたい可能性もありますので、1回に1人2つぐらいにしていただけますか。いくらでもお答えはしますけど。

  • 参加者側発言者不明

  • はい。それじゃあ、お1人2題ということで、よろしくお願いいたします。では最前列、どうぞよろしくお願いいたします。

  • 山口 秀丸 - アナリスト

  • シティの山口と申しますが、2つということなので、1つ目はこの「Alogliptin」のアメリカでの売り上げというのが結構こう短期的にはキーになってくると思うんですが、なかなかアメリカで新製品が売れないという状況が今ある中で、この「アクトス」からのスイッチ率といいますか、フランチャイズの守り率といいますか、その辺は現状では、今回の決算ではどのぐらい守れるんだということを前提とされているのかというガイダンスがもしございますれば、教えていただけますでしょうか。

  • これが1つ目です。2つやったほうがいいですか。

  • 参加者側発言者不明

  • はい、どうぞ。

  • 山口 秀丸 - アナリスト

  • 2つ目は、規制当局との関係強化というのがございましたが、確かにアメリカではそういうことがずいぶん行われましたけど、具体的な取り組みとして、もうすでにどのようなことをされたのか、今後どのようなことをされるのか。具体的なことをちょっと教えていただければ、というふうに思います。以上、2点です。

  • 長谷川 閑史 - 代表取締役社長

  • 個別には、ちょっと後ほどアラン・マッケンジーから答えてもらいたいと思いますが、まず「アクトス」と「Alogliptin」の問題でありますけれど、先ほど申し上げましたように、私の説明でも申し上げましたように、「アクトス」のジェネリックの参入が遅れてくることによって、「Alogliptin」単剤、あるいは「アクトス」の合剤がジェネリックの参入前に上市できる可能性が高まったというふうに考えておりますが、基本的なまずこのフルインパクトは、中期計画以後になります。13年以降になります。

  • われわれの中期計画の「10-12」は、これは経営陣としてのコミットメントというふうに考えておりますが、13年以降につきましては、現時点ではいろんな要素もありますので、目標というふうに位置づけをしておりますので、それら、その点をまずご承知をいただいた上で、アラン・マッケンジー、Would you follow this up please?

  • アラン・マッケンジー - 取締役海外販売統括職

  • (通訳済み)ありがとうございます、長谷川さん。

  • 経口糖尿病薬、そして糖尿病薬市場をアメリカで見ていきますと、「アングリジア」(sic-プレスリリース参照)が上市されています。ただし、かなり伸びはゆっくりとしているということで、みんながっかりしているかと思うんです。これはどの新製品でも、アメリカでは起きている状況です。 ベネフィット対安全性、リスクの問題ということで、安全性のプロファイルが非常に優れた薬であっても、やはり追加のベネフィットを証明しない限り、なかなか医師は同じクラスの別の薬剤に移っていかないということです。

  • もう一つ大きな問題が、処方集における立場ということです。保険会社、それから政府の保険プログラム、新しい薬剤に対してどれぐらいお金を出すかということなんです。「アングリジア」(sic-プレスリリース参照)の場合もそうだった。特にその寿命の早い時点で、なかなか処方集の立場を確保するのが難しいんです。

  • したがって、これまでとはそのアップテークも、またピークイヤーの売り上げも違ってくる。これは処方集における立場。

  • それから、また政府のプログラム。特にメディケアのパートDが1つの障害になっています。

  • じゃあ、「Alogliptin」はどうかということなんですが、「Alogliptin」は長谷川社長も言ったように、1つの利点があります。上市される時点が「アクトス」と一部重なるということなんです。この大きな利点は、処方集での立場に現れてくるかと思います。

  • すでに1つの糖尿病薬を処方集の中に契約して入れている。そして、もう1つ重要な薬剤が投入してくると。そうしたら契約の戦略の中でシフトができると思うんです。これは同じクラスの薬剤で行われていることです。

  • したがってわれわれとしても、その契約の立場、非常に「アクトス」で強い立場がありますので、リベート、ディスカウントを含めて強い立場にありますので、それを「Alogliptin」にシフトしたいと思っています。これ、非常にいいやり方だと思います。これが1つの大きなポイントです。

  • もう1つは安全性ということです。「Alogliptin」の1つの利点、なぜこれが遅れたのか、上市が遅れたのかというと、もう膨大な安全性データベースを集めているからなんです。

  • 実際、「Alogliptin」が上市される時にはこれまでになかったような大きな無作為割り付け比較対象の試験、しかも二重盲検の試験の結果が出てまいります。なので、希望としては、われわれできるだけ早くもちろん上市して、強い処方集の立場を確保したいんですが、同時にほかの薬剤にはなかったような大規模なデータを持っています。

  • われわれ、なぜこんなに大規模な試験をしなきゃいけなかったかというと、当初の治験の中で循環器系のイベント数が非常に少なかった。ところが、実際に治験としてはある一定数のイベントの数を集めなきゃいけなかったので、非常に大きな患者数の組み入れが必要だったということで、強力な大規模な安全性のデータベースを持っています。

  • DPP4というのは、あまり有効性の面では薬と薬の間で大きな差はありません。比較的お互いの有効性が近いところにあります。

  • したがって、医師にとって使いやすいということ、処方集という観点から使いやすいということ、安全性に対する強い信念があるということが、これ1つの大きな利点になるかと思います。「Alogliptin」は、そういった意味で非常にいい立場にあると思います。

  • したがって、ほかのもちろん薬よりも後に出るということになったら、これは1つ気をつけなければいけないし、現実的にそれは見ていかなければいけませんが。こういった状況にあります。

  • 企業側発言者不明

  • 補足で説明させていただきます。レギュラトリーとの関係についてのご質問がちょっとあったかと思うんですけれども、やはりFDA、それからEMEA、PMDA、ここでどういう考え方をされて、どういうガイドラインを出されるかというのは非常に大きな問題ですので。

  • 1つ、やはりわれわれの主戦場でありますFDAの動きっていうのが、これが一番気になるところで、開発本部をシカゴに移したっていうのは、1つはやっぱりそういう理由があります。

  • これまでレギュラトリーをはじめ、各ファンクションっていうのを各地域別に運用していたんですけれども、やっぱりそのヘッドクォーターにその機能を集中して、世界的な動きはどうなっているかということを、これをしっかり見ていく必要があるだろうということで、ヘッドクォーターファンクションを作りました。

  • それからもう1つは、アドバイザリーボード。社内だけでの情報では不足がちになりますので、そのFDAの情報に詳しい方、経験者の方を集めて、アドバイザリーボードを作っております。そこの意見もお聞きしながら、今後のガイドラインがどうなるかを含めて、しっかり見て開発計画を立てていくということを考えております。

  • 参加者側発言者不明

  • あ、どうぞ、最前列で。

  • 舛添 憲司 - アナリスト

  • ドイツ証券、舛添です。同じような質問を社長にずっと昔からしてるんですけども、今日のプレゼンでもあるんですけども、いわゆるメディカルデバイスとかバイオマーカーとか、いわゆる医薬ともう1つ別のビジネスライン、これはこの3年間、もしかしたら2015年、20年見ていく時に、先ほどインオーガニックグロースの中にM&Aのことも言われてましたけども、そういうちょっと今まで社長が「ウーン」とか言ってたところの、例えばバイオシミュラーも含めて、こういうところのビジネスを始める可能性は常にあるんですか。

  • 長谷川 閑史 - 代表取締役社長

  • 可能性については、ゼロであるという否定はいたしませんけれど、今の状況から考えると、優先順位は低いというふうに考えている状況は変わりません。

  • ただ、医薬品の中ではありますけれど、特に今日は触れませんでしたが、ワクチンにつきましては今後本格的にパンデミックも含めて取り組みたいと思いますし、あるいは日本国内だけではなくて、まずはアジアを目標にしたグローバル化も考えていきたいというふうには考えております。

  • 舛添 憲司 - アナリスト

  • もう1つ、先ほどジャパン・タケダについて、グローバルとかいう話もされたんですが、社長も僕も多分すごい肉食系の人間だと思うんですけども、僕もリクルーティングやってて。

  • 長谷川 閑史 - 代表取締役社長

  • 草食系になってます。

  • 舛添 憲司 - アナリスト

  • ああ、そうですか。だいぶ何か僕もリクルートとかやってて、すごい何か違うなと思うんですけども、例えば若い人。例えば研究のほうも多分そうだと思うんですけども、この辺について、何かあまりにも社長が強すぎちゃうと、会社、若い人たちついてくるのかなっていうのがちょっと心配になるんですけども。

  • 長谷川 閑史 - 代表取締役社長

  • 某社も社長が代わられたようでありまして、私が長くいることの弊害をご指摘をいただきまして、ありがとうございます。

  • 実際に採用を私は直接は担当はしておりませんけれど、やはり一般的にいわれているような傾向は、新入社員の方たちは非常に素直であるし、いわれたことはよくおやりになるけれど、一方でわれわれ、私のような団塊の世代の走りでありますけども、それ以降ある程度の年代までが持ってたような、がむしゃらにやるとか、ガツガツやるとかいう気概はなかなかそれほどないというふうにいわれておりますが、そこの部分については、やはりわれわれ自身経営者としても、そういう人たちに合ったやはりカルチャーというものに変えていかないといけないということが、1つの風土の、新しい活気のある風土の創造、特にTPC、タケダ・ジャパンでやりたいといった理由の1つであります。

  • 後ほど大川なんかからも、もし補足があれば申し上げますけれど、われわれといたしましては、その活力を上げていくためのいろんないま仕掛けをしておりますが、卑近な例でいえば、採用につきましても従来の国内からだけではなくて、もう多くの会社がおやりになってますけど、ボストンのジョブフェアにも行きますし、シンガポールにも行きますしですね。あるいは、意識的に日本に外国人の人を採用して、大川のところでのCSNの研究所のヘッドはイギリス人を今度採用いたしましたしですね。

  • そういうことをやることによって、少し刺激を与えていかなければいけないということと同時に、もう1つは日本人の合ったやり方としては、ある程度行き詰まった時には若い人にフリーダムを与え、ボトムアップも、トップダウンだけじゃなくてボトムアップということも考えていかなきゃいけないなっていうことで、今その仕組みを始めているところであります。

  • 舛添 憲司 - アナリスト

  • 例えばマネジメントとして、コストをコントロールするのは非常に大切なんですけども、昔だとよく実験室で隠れ実験とか、そういうところから面白い研究って生まれてくる。この辺の自由闊達度っていうのはどうなんですか。

  • 企業側発言者不明

  • おっしゃるとおり、そこ非常に大事ですので、私たちの年代というのはそういうのをどんどんやってたんですけれども、やっぱり先ほど社長が申し上げましたように、なかなか今の方非常に真面目で、言ったことはやってくれるんですけれど、そういうことはなかなかやりたがらない。

  • ただ、最近キャリア含めてかなりの人が入ってきて、やはり自分たちが本当に情熱を感じられる、わくわくするような、そういうプロジェクトをやっぱりやりたいというのがありますので、これをぜひ1つの今後の成長の源泉としてやっていきたいということで、そういう仕組みにいま研究本部のほうで作りつつあります。

  • 具体的には、所長がオーナーになって、そういうプロジェクトを若い人、あるいはそういう考えがある人にやらせると。ただし、責任は負ってくださいということはありますけれども、そういう仕組みを取り入れて、新たなチャレンジをしてもらうという仕組みを考えています。

  • 長谷川 閑史 - 代表取締役社長

  • その点に関して、新しい藤沢にいま建設中の研究所は、もちろん今はやりとはいえオープンラボのようなやり方もありますし、コミュニケーションスペースもたくさん作っておりますし、それからバイオロジーとケミストがもう同じ領域については隣り合わせでいるとか、いろんな仕組みをしておりますから、そういった中から新たなコミュニケーションに啓発された創造性が、啓発されるような仕組みもやってますけど。あなた、どうぞ言ってください。

  • 企業側発言者不明

  • そうですね。先ほどNomadというのを申し上げたんですけど、やはり考えられた中での結果というのは知れてますので、やはり違う考えを持った人がそういう場所でいろんな議論をすることによって、新たなアイデアが出てくる。

  • あるいは日本だけではなくて、やはり海外にINDエンジンというのを作ったのは、やっぱりそういう目的もありまして、アカデミアと非常に強いネットワークを持っておりますので、そういうところからのアイデアをやはり日本に持ち込んで、日本でいろいろインキュベーションするとか、逆もあるんですけれども。そういう形で新たなイノベーションが生まれてくるというふうに考えております。

  • 舛添 憲司 - アナリスト

  • どうもありがとうございました。じゃあ、ワクワクを待ってますので。

  • 参加者側発言者不明

  • ご質問ありがとうございました。それじゃあ、いま最初に挙げられました最前列の。

  • 小野塚 昌之 - アナリスト

  • JPモルガン証券、小野塚です。2点あるんですけれども、リストラの件と、あと自社株買いについてなんですが。リストラについてはそのタイミングがなぜ今なのかと。半年前も同じような質問が出たと思うんですが、「プレバシド」のジェネリックが出た段階で考えて実行されるという考え方もあったと思うんですが、それが今になったというそのことが、社内で反対が相当あったのか、あるいは収益の落ち込み方が想定よりも相当厳しいので今になったのか。この点、どのように考えたらよろしいでしょうか。 それがリストラの件で、ただ規模感も何で10%なのかということについては、トップダウン的に中計期間中、営業利益3,000億円規模を死守したいという強い意志があって、この規模になったのか、ボトムアップという観点でPPIのフランチャイズ縮小というとこを積み上げたらこうなったのかという点についても、少し言及していただきたいのと、自社株買いについて。あ、いいですか。

  • 長谷川 閑史 - 代表取締役社長

  • それではリストラクチャリングのことについては、私の後、アラン・マッケンジーのほうからご説明をさせますが、基本的な考え方として、日本的な会社の経営のあり方どうこうという考えはありますが、私の考えでは、それぞれのマーケット、これはレーバーマーケットという意味でありますけれど、の状況に合わせたコンペンセーションの体系もとるし、リストラクチャリングもやることも考えていかなければいけないんではないかという基本的な考えがありますが、今回のリストラクチャリングについては、基本的にはTPNAの現地のマネジメントがこの状況を克服するに当たってどうしたらいいかということを考えて、自発的に切り出してきたものであります。

  • 後ほど彼がフォローアップしますが、もう1つの自社株買いでしたですね。

  • 小野塚 昌之 - アナリスト

  • はい、自社株買いについては、従来どおりアドホックで実施されていくという考え方なのか、あるいは今回キャッシュの使い道としては、かなりBDに力点を置かれていたので補足的になるとは思うんですけど、例えばBDで500億円計上されていて、期間損益で使われなかった部分を若干自社株買いに回すというような、一定の規律を持って実施するという考え方もあると思うんですけど、その点はどういう考え方で実施されますか。

  • 長谷川 閑史 - 代表取締役社長

  • BDについてはちょっと明確でなかったんですが、通常でありますと、100億円から200億円ぐらいのマイルストンのペイメント以外に、新たなディールメーキングとして置いているんですが、それプラス500億円をキャッシュフロー上は置いてあるということであります。

  • それで自社株買いにつきましては、現時点での当社の状況を考えますと、できるだけ余剰キャッシュを戦略的投資に使って、谷を、落ち込みを少なくすると同時に、将来の成長を担保するという形に使いたいという思いが強うございますので、ご質問にお答えいたしますと、自社株買いは今のところ視野に入れておりません。

  • 結果としては、それはあるかもしれませんけど、現時点では視野に入れておらなくて、むしろそちらを優先すべきであるし、そのぐらいの、あるいはもっと必要かもしれない、そちらの戦略投資に向けたいというふうに考えたと。アラン、Would you please follow up?

  • アラン・マッケンジー - 取締役海外販売統括職

  • (通訳済み)長谷川社長のほうから、タイミングについてはすでにお話がありました。今後、どういう形で進めていくかというタイミングについては、アメリカを中心としたリストラとなっており、TPNAで28%の削減、そしてTGRDは20%ということで考えています。

  • そういう決定については、社員の間で明確になるということでは、約2カ月ぐらいということで完了。おそらくは、この暦年の終わりまでには完了ということで考えています。ですから、迅速にリストラを行い、ビジネスへの妨害、影響がなるべく最小限になっていき、そして今のこの中期計画に書かれているプログラムの中でリソースをきちんと活用できるようにしていきたいと考えています。

  • いくつかモデリングということでは、販売については少しモデルを変えています。典型的なアメリカのモデルとしては、大規模な営業部隊がいて、それが重複するような形であることもある。そして、そういう同じような形の営業部隊、そして違う営業部隊が同じドクターのところに行くということも従来はあったわけですけれども、今後はもっと柔軟にと考えています。

  • プロモーションをやって、その影響が売り上げにすぐ響くということ、その構造が変わりつつあります。支払機関のほうが非常に力が強くなっているということもありますので、プロモーションのリソース、営業部隊についてもやれば効くところにすべて注ぎ込んでいきたいと考えています。

  • ですから、1つのサイズで大丈夫、どこでもということではなく、今後はもっとフレキシブルな形で、どういうところにプロモーションをかければ売り上げの伸びにつながるのかを考えて、それを実施していく、それもローカルなレベルで。一般的なところではなく、国全体のということではなく、ローカルに注視して考えていきたいと考えています。

  • 小野塚 昌之 - アナリスト

  • 話だと、ボトムアップで上がってきた数字でということで、トップダウン的に金額をリストラ費用ボンと決めたっていう感じではないということですよね。

  • 長谷川 閑史 - 代表取締役社長

  • それはやっておりません。

  • 参加者側発言者不明

  • ご質問ありがとうございました。あ、どうぞ、じゃあ左端の。

  • 三島 - アナリスト

  • UBS証券の(三島)です。「Alogliptin」と「アクトス」の合剤なんですけども、いったん申請を取り下げておられて、これは「Alogliptin」の再申請と同時に復活するものなんでしょうか。

  • それと併せて、「アクトス」のジェネリック、合剤も含めて2012年末に出てくると、「サキサグリピチン」とか「ジャヌビア」とか、ほかのDPP4のものが合剤を開発してくる、そういう可能性ってあるんでしょうか。

  • 企業側発言者不明

  • 「アクトス」の合剤については、同時に6カ月の審査期間でいま進めているイグザミン試験で安全性が確認されれば、同時に承認がとれるというふうに考えております。

  • アラン・マッケンジー - 取締役海外販売統括職

  • (通訳済み)2番目の質問に関してです。他のDPP4のメーカーがピオグリタゾン、もしくは他のTZDと合剤ができるかと。答えはイエスです。

  • ただ、これは私たちのパテントカバーの外です。したがって、現在の私たちのパテントのアサンプションとは別なので、別のアレンジメントをしなければなりません。

  • 三島 - アナリスト

  • 和解したジェネリックの会社はDPP4を持っていないんで、「アクトス」とほかのSU剤とかの合剤、「メトフォルミン」とかになると思うんですけども、それ以外の合剤、DPP4の合剤は2012年末でブランドメーカーから出てくる可能性はないという理解でいいんでしょうか。

  • アラン・マッケンジー - 取締役海外販売統括職

  • (通訳済み)はい。したがって、彼らは臨床試験をやらなきゃいけない。どのようなDPP4のメーカーであっても、TZD、例えばピオグリタゾンの合剤を作るとするならば、パテントがもし切れていなかったら、もしくは今パテントの和解が得られている場合には、フルブローンで完全な臨床試験をしなきゃいけない。安全性と有効性を確認しなければいけません。

  • 三島 - アナリスト

  • その臨床試験っていうのは始められるんでしょうか。競合相手は、その臨床試験を始めるタイミングっていうのはどういうふうになるんでしょうか。

  • 企業側発言者不明

  • 基本的にそのパテントライフの問題のご質問だと思うんですけれど、そのプロテクトされている間というのは基本的にできないというふうに考えておりますけれども。

  • 長谷川 閑史 - 代表取締役社長

  • だから、あのね、質問にお答えするのは、多分われわれが知る限りにおいては、DPPのコンペティティブマニュファクチャラーが現在「アクトス」等の合剤の開発を進めているということは、まだ気がついていないと、知らないということで、お答えはいいんでしょう。

  • アラン・マッケンジー - 取締役海外販売統括職

  • (通訳済み)ほかに何か活動ありますか。あなた、知ってますか。DPP4の他のメーカーが始めてますか、そういった活動。いや、私たちは確実には知りません。ただ、その可能性はあるということを私たちは知っています。

  • 三島 - アナリスト

  • 最後に。今回のジェネリックの6社との和解でもって、「アクトス」のジェネリックが2012年の8月に出てきた時に、ほかのDPP4の合剤も臨床試験を始められるっていう可能性はあるんでしょうか。

  • 企業側発言者不明

  • 試験そのものは、多分できるという状況だと思います。ただ、いつの時点で出てくるかというふうな部分が、先ほどの一番のキーだと思いますので、試験そのものとはちょっと分けて考える必要があると思います。試験そのものは、きちんと後で確認をしますけれども、試験そのものはできないことはないはずです。

  • 長谷川 閑史 - 代表取締役社長

  • ということは、だからわれわれもちょっと正確に認識しておりませんけれど、可能性は否定できないということです。

  • 参加者側発言者不明

  • はい、ご質問ありがとうございました。じゃあ、最前列、女性の方。

  • 佐藤 - アナリスト

  • ありがとうございます。シュローダーの(佐藤)と申します。できましたら、大川様にお答えを頂戴したいんですけれども。

  • 中計の中で糖尿病、経口糖尿病治療薬というのが大きな柱として研究のテーマとしても残り、また近未来の収益源もそちらになるかと思うんですけれども、経口糖尿病治療薬が将来どういった市場になるかを考えた時に、「875」のこの絵ですけれども、片や肝臓なり、片や腸なり、片や膵臓なりということで、いろんな部位にいろいろな作用で効くようなお薬が実際に市場に出回ることになります。

  • そうなると、どういう世の中になるんでしょうか。例えば、4剤、5剤と併用するかっていうと、おそらくそれは行われないと思いますし、実際にはインシュリン分泌能が壊れているのか、それとも受け止めるほうが壊れているのかというのは、ちゃんとした調べをすることなく投薬されていると思うんですね。

  • 何がだんだん縮小していって、それを置換する形で「875」というのはどういった住みかを見つけるんでしょうか。

  • 大川 滋紀 - 取締役研究開発統括職

  • 1つは、私ども考えておりますのが、やはりいま合剤のお話あったんですけど、なかなかヘモグロビンA1cの低下にしても、本来満たすべきところまで落とすというのはなかなか難しい。やはりそういう意味では、やはり強力な作用を持つものというのは、1つチョイスとしてやっぱり残るんだろうと。合剤のことを考えても、やはり強力なA1cのリダクションというのはやっぱり必要になりますので。

  • その時に従来のS剤とか、あるいはピーパーも少し体重とか、その辺りでは完璧ではありませんので、そういう副作用のないものが1つ残るんだろうと。

  • もう1つはやはり、じゃあどうして糖尿病になってるのと。先ほどちょっとベータ細胞の疲弊とか、あるいはもうそのファンクションがなくなって、ベータ細胞自体がもうなくなっちゃっているという場合には、やはりもう再生的なものとか、あるいはベータ細胞の保護ですね。薬剤を投与することによって、どんどん疲弊して、ますます糖尿病自体が悪くなるということがありますので、そういうものをプリベンションする薬剤というのが残っていくんだろうということで、私どもはそういうところを狙ってやっていきたいと。

  • 将来的には、ベータ細胞の再生の辺りも視野に入れてやっていきたい。つくばで従来からずっとそういう研究をしておりますので、そういうものが成果として出てくれば、糖尿病の治療パラダイムとしていいものが提供できるんではないかな、というふうに考えております。

  • 佐藤 - アナリスト

  • ヘモグロビンA1cをちゃんとコントロールの、正常の範囲内に収めるためには複数投薬を受けるのが自然だし、その組み合わせとして考えやすいのは安全性であり、なおかつ低血糖を起こさないと。その要件さえ満たしていれば、市場の中には何らかの立ち位置を見つけることができると。

  • 大川 滋紀 - 取締役研究開発統括職

  • そうですね。組み合わせも含めて提案できれば、というふうには思いますけれども。少し糖尿病のメカニズムに関しても、やっぱり基礎研究もう少し必要だと思いますし、S剤にしても実際どういうメカニズムで膵疲弊が起こっているかとか、その辺りも調べていかないといけないと思っておりますし、従来からそういう積み重ねはいろいろとありますので、そういう解析を通じて最も望ましいメカニズムの薬剤を提供できるんではないか、というふうに考えております。

  • 佐藤 - アナリスト

  • ありがとうございます。もう1つの質問が、今日ハイライトされた5品目ですけれども、これは御社のパイプラインの中から最も有望視されている5品目なんですか。それとも、たまたまタイミング的にデータを出せるタイミングにあったから上がってきた5品目なんですか。

  • 大川 滋紀 - 取締役研究開発統括職

  • 基本的には後期のパイプラインにあるものを選んでおります。その中で、もちろん会社としても期待のある化合物を選んだのは事実でございますけれども。

  • それともう1つ、確かに段階によっては少しまだご提示できないものもありますので、もう少し初期のフェーズⅠ、Ⅱにあるもので有望なものはあると思っておりますけれども、それはまた適宜開示できる段階でご報告をさせていただきたいというふうに思っております。

  • 佐藤 - アナリスト

  • ありがとうございました。

  • 参加者側発言者不明

  • ご質問ありがとうございました。まだ十分時間ございます。ご質問くださいませ。じゃあ2番目の方。

  • 三田 万世 - アナリスト

  • モルガン・スタンレーMUFG証券の三田です。2つお願いします。

  • 1つは「アクトス」のパテントの件なんですけれども、この和解、一連の和解、最近新しく和解された会社はオーロビンドだと思うんですけれども、残っているのはテバという理解でよいかと思うんですが、この和解についてはある程度、もちろんずいぶん吟味されてたものだと思うんですけれども、会社としては想定されていたことなのか、それとも結構突然和解勧告があって進んだので、ややサプライズだったのか。その辺り少しバックグラウンド教えていただければと思います。

  • それから、先ほどのご質問にありました、「ジャヌビア」と確か「アクトス」の合剤、メルクがもうフェーズⅢをやっていて、2011年の申請予定だったと思うんですけれども、これはやはり何らかの訴訟になり得るというふうに考えておいてよろしいんでしょうか。

  • アラン・マッケンジー - 取締役海外販売統括職

  • (通訳済み)最初の部分の質問について、7社との和解についてです。これはパラグラフ4を出した各社で、最初の3社はファーストファイラーとして最初に提出し、そしてその後、各社が和解し、オーロビンドが最後となりました。ですので、残っているのはテバ社だけです。ほかとはちょっと状況が違っています。

  • テバの場合は、最初はマーケット参入に当たってはリトル8ストラテジーということを考えていました。これは特許侵害ではないということを主張し、パラグラフ4は必要ないというアプローチでした。しかし、最終的にはFDAのほうの判断で、パラグラフ4が必要だということになりました。

  • ですから、テバ社だけがまだ残っています。この2~3日の最新の状況では、まだパラグラフ4は出していないし、南部ニューヨークの地区連邦裁で係争中です。6月に審理が始まる予定でしたが、これが延期されています。何らかの和解のアプローチをテバがとろうとするのか、あるいはパラグラフ4ということでやろうとするのか。この辺についてはまだまったくわかっていません。以上が今の最新の状況です。

  • 長谷川 閑史 - 代表取締役社長

  • それからもう1つだけ、和解の勧告がサプライズであったかどうかということでありますけれど、これにつきましては、われわれは合剤のパテント、2016年にエクスパイアするものについて自信を持っておりますが、どのパテントもパーフェクトではないし、また訴訟が必ずしも100%勝てるという保証もないし。そういった段階で、ジャッジがこのような勧告をされたことを慎重に評価をした上で、われわれとしてはここでジャッジの勧告を聞いて和解に動くほうが、リスクヘッジとかいろいろ考えた上で妥当だという判断の下に和解を個別に進めてきたわけであります。

  • 三田 万世 - アナリスト

  • ありがとうございました。もう1つよろしいですか。2つ目の質問なんですけど、アメリカの制度改革の影響を織り込まれた中計だというふうにうかがったんですが、どのぐらいの規模の影響を今年、来年、再来年みたいな形であるのか。

  • あと、例えばいろんな影響がある、製品によって影響が違うと思うんですが、「Vectibix」ですとか「アクトス」はどういうようなポジショニングになるのか、影響があまりないのかということも含めて、お願いできれば。

  • 長谷川 閑史 - 代表取締役社長

  • じゃあそれ、井上事業戦略部長、答えてくれますか。だいたいどのくらいの織り込みをしているか。それから、「アクトス」、「Vectibix」と個別の質問に答えられるかどうかちょっとよくわからないんだ。

  • 井上 益光 - 事業戦略部長

  • すみません。アメリカのヘルスケアの影響ということで、まずヘルスケア改革の影響ということでお答えさせていただきたいと思います。

  • 「Vectibix」は当社は日本だけですので。

  • 三田 万世 - アナリスト

  • 「ベルケイド」です。間違えました。すみません。大変失礼いたしました。

  • 井上 益光 - 事業戦略部長

  • はい。まず、この終わりました2009年度、もうすでにスタートをしていますメディケイドのリベートの強化ですね。この影響をもう1月から3月の分ですが、決算に織り込んでおります。これが約1,500万ドル、15億円ぐらいですね。これを織り込んでおります。

  • 10年度につきましては、その部分がフルフル1年分効いてくるということに加えて、パブリックヘルスケアサービスという、こういう政府が低所得者向けに提供しているこの病院、この指定が拡大して値段が下がるだろうということで、「ベルケイド」とか、それからTPNAで売ってる製品すべて入れまして、約セールスの1.7%、額にして9,000万ドルぐらい見込んでいます。

  • その後は11年度からドーナツホールの患者さんの負担の50%、これを製薬会社が負担する。これが出てきたり、さまざまな強化が11年から始まります。そこで私どもとしては、だいたい3.5%から4%ぐらい、これを11年度以降の影響として、ネットセールスの3.5から4、これを見込んでいます。

  • 先ほど社長の説明にもありましたように、患者さんの拡大、数の拡大、これは14年ぐらいから出てくると考えますが、13年までは当然織り込めなかったということですし、15年度についての目標といったところに返ってくるというところも、そういう3,200万人も増えるというものを織り込んだものではありません。

  • 三田 万世 - アナリスト

  • ありがとうございました。

  • 参加者側発言者不明

  • ご質問ありがとうございました。時間が迫ってまいりまして、最後の質問とさせていただきたいと思いますが。すみません。先に挙げられました一番端の方、よろしくお願いいたします。

  • 漆原 良一 - アナリスト

  • すみません。では、簡単に2つおうかがいしたいんですけど、野村證券の漆原と申します。

  • 1つが、インドの工場で薬を作られるという話をされてたんですけれども、これは例えば「SYR-322」をインドで作る。あるいは、インドで作って世界に安くばらまくとかですね。あるいは、ミレニアムの抗体医薬に関しまして、外注で作る計画だったというお話も聞いたんですけれども、これもインドで作る可能性があるのかどうか。この点が1点目です。

  • 2つ目が、「アクトス」の事業というのは12年8月以降、あるいは12月以降、御社としては「アクトス」を作ることをやめてしまうんでしょうか。このインドの工場を使って、「アクトス」を安く作って、そのまま事業として継続するという考え方あるのか、ないのか。この2つをお願いいたします。

  • 企業側発言者不明

  • インドの活用につきましては、先ほど社長から、研究・開発・製造・IT、この4つの面で積極的に活用していくと申し上げました。製造については、特にやはりこの医薬品事業の生命線であるこの品質というものを第一義に考えておりますから、検討はしておりますけれども、原材料の購入、それから製剤の委託とか、そういったところから始めて徐々にやっていきたいということで、今のところ「アクトス」を向こうで生産をするとか、そういったところまでは発展しておりません。

  • むしろ、もう研究開発、CROの力とか高まってきておりますし、それからITはご承知のとおり非常に安いコストでできますので、それが今中期計画の間に利益を維持していくための大きなツールになることは間違いないですが、製造に関してはまだまだということでご理解いただきたいと思います。

  • 漆原 良一 - アナリスト

  • 「アクトス」の事業は継続されるんでしょうか。ジェネリックが12年8月とか12月以降に出てくるわけですけれども、御社として「アクトス」の事業すべてやめられてしまうという考え方でいいんでしょうか。

  • 企業側発言者不明

  • いやいや、やめません、それは。

  • 漆原 良一 - アナリスト

  • そのまま継続してやられるということでいいですか。

  • アラン・マッケンジー - 取締役海外販売統括職

  • (通訳済み)私どもの計画は、承認されたオーソライズド・ジェネリックスに対しての戦略があります。これに関しましては、パートナーはまだ決定されていない。あるいは、また製造もまだ決められていないわけですけども、しかしながらオーソライズド・ジェネリックの戦略をパテント切れの後でも続けるつもりであります。

  • 参加者側発言者不明

  • それじゃあ、続きまして酒井さん。

  • 酒井 文義 - アナリスト

  • すみません。クレディ・スイスの酒井です。1つだけ。

  • ミレニアムなんですが、買収されてから2年経過されました。で、今日がん領域のご紹介いただいて非常に役に立ったんですけれども、まず社長の評価としては、統一された金額に見合うだけのいま成果が上がってきているのか。それから、今日ご紹介いただいたパイプラインなんか確かに充実はしてきてますけれども、まだフェーズⅠの段階のものが多い。これを加速してスピードアップさせるような戦略というものが、果たしてあるのかどうか。

  • また、一方で絞り込む必要もあるじゃないかと思うんですが、この辺のオンコロジーの戦略。つまり、2012年までにはナンバー3に入りたいとおっしゃったこの戦略に対して、今どういうようなお考えがあるのか。ちょっとその辺をお聞きしたいんですが。

  • 長谷川 閑史 - 代表取締役社長

  • 後半のストラテジーの部分については、ドクター・ダンサイアに後でフォローしてもらいます。

  • ミレニアムの買収が投資金額に見合ったかどうかというご質問に対しては、私どもは内部で継続的な評価、企業価値の評価をずっと、それがわれわれが望んだとおりになっているかどうかの評価をしておりますが、今までの段階では十分投資に見合った評価があったというふうに考えておりますし、何度も申し上げますように、インタンジブルのアセットをずいぶんわれわれはこれで獲得できたわけでありますから、そこの部分を入れなくても十分に今の段階では投資に見合っているというふうに考えております。

  • (通訳済み)では、ダンサイアさんのほう、お願いいたします。

  • デボラ・ダンサイア - 社長兼CEO

  • (通訳済み)はい、ご質問ありがとうございます。私、同様です。パイプラインは確かに早期にあると思いますが、戦略といたしましては、この「ベルケイド」を加速化し、新しい効能を追加取得することによって収益を上げていきたいと思います。

  • また、非常に高度に差別化する製品をできるだけ早く市場に出したいというふうに考えています。

  • それから、「TAK-700」ですけれども、これはその17、20のリアーゼ阻害であります。これは前立腺がんのものですが、こちらに関しまして加速化することによりまして、その、バラトロンのフロントランナーとのギャップというのをできるだけ縮めていきたいと思います。

  • 早期のパイプラインのプロジェクトにおきましてですけれども、われわれは非常に堅牢に、厳しいゴー・ノーゴーの基準というものを設けていて、果たして化合物が十分な有効性というのを示して、そしてまたきちっと化合物が市場に出た時に償還をとれることができ、そしてまた勝算があるかということを十分に見てきてます。

  • ということで、ゴー・ノーゴーを決めるに当たりましては、非常に高いハードルを設けております。ですので、早期のこのパイプラインのプロジェクトにおきましても、そういったことを行って、そしてできるだけ早期に差別化ができる化合物に対しまして資源を回していきたいと思っています。

  • また、ポートフォリオを例えば後期の化合物をもって拡大していきたいと思います。

  • それから、IDMファーマを買収することによってメバックが出てきているわけであります。これは小さい会社ですけれども、しかしながらもうヨーロッパにおいてはローンチしましたね。それからSGNA35においてもあるわけです。そして、これはホジキンス病において。で、これは非常によいデータをいま現在治験から得ています。これはシェアードサイエンスからのものですけれども。

  • 例えばリラップス、再発のホジキンスリンフォーマにおきましてのピボタルなデータというのはフェーズⅡで出てきていますので、ここでは非常に後期のパイプラインにおきましてはギャップを縮めるものであると思います。

  • そして早期のものに関しましては、そのゴー・ノーゴーの基準というのを高くハードルを設けています。

  • 企業側発言者不明

  • やはりその質にこだわったといいますか、スピード、それから量から質ということで、やはりその競争力、本当に競争力があるのか。あるいは、競争力という言葉はあんまりよくないかもしれませんけど、医療現場で本当に必要とされるドラッグかどうかということを、各ステージゲートで評価するとともに、各臨床のプロジェクトに関してはプラリタイゼーションをPRCと呼んでいるんですけど、パイプライン・レビュー・コミティで本当に厳しい状況でやっております。

  • その時にR&Dだけではなく、マーケットあるいは製品戦略も含めて、いろいろな観点からそのプロジェクトを評価して、これはわれわれとして自信を持って進められるというものについてはバジェットしますけれども、そうでなければもう、先ほどありましたけど、峻別してターミネートするということも含めて、今そういう仕組みを取り入れておりますので、あまり数、数といってしまうと、なかなか。

  • 結局、1つ1つのプロジェクトはオール・オア・ナッシングですので、本当にいいものをちゃんと選んでいくということが大事だと思っておりますので、そういう仕組みを取り入れてやっております。

  • 参加者側発言者不明

  • ご質問ありがとうございました。本当にたくさんのご質問、ありがとうございました。先ほどございましたように、お答えしきれなかったご質問もございました。改めて製品戦略をはじめ協議いたしまして、お答えさせていただきます。弊社コーポレートコミュニケーション部のほうに改めてお問い合わせを頂戴しまして、お答えさせていただこうと思っております。

  • 本日は大変長時間、ご一緒いただきましてありがとうございました。今後ともご指導賜りますよう、よろしくお願いいたします。ありがとうございました。

  • 注-- このトランスクリプトで(通訳済み)と注釈がついている部分は、イベント中にライブで通訳者によって通訳されたものです。通訳者はこのイベントをスポンサーする企業によって提供されました。