使用警語:中文譯文來源為 Google 翻譯,僅供參考,實際內容請以英文原文為主
武田 國男 - 代表取締役 取締役会長
皆さん、大変ご無沙汰しております。長谷川社長にバトンタッチいたしてからは、この説明会、私欠席させていただいておりましたけれども、先日ミレニアム社の買収発表以来、皆様の中から買収価格が少し高いのではないかというご意見がちらほら上がっているやに聞きましたので、この今回の説明会が始まる前1~2分をちょうだいいたしまして、私の思っていることをお伝えしたく、のこのこと参上したわけでございます。
申し上げるまでもありませんけれども、製薬会社の使命というのは患者さんの苦しみを取り除く、あるいは和らげることにあると、私は思っております。現代医療の中で、人間を死に至らしめる病の中で最大のものは、やはりがんではないでしょうか。この病を克服する、あるいは苦しみを少しでも和らげることこそ、患者さん、ひいては社会に対する貢献そのものであると、私は常々思っておる次第でございます。
私はこういう思いからしばらく前、と申しましても4~5年前でございましょうか。武田が挑戦し次の柱を作るならば、ぜひがん領域にしてくれと。そこにおります北澤常務に頼んだわけでございます。
それが実現すれば、武田は世界の人々に対して今よりずっと大きな貢献ができる。また、日本の社会ががん克服を通じて世界に認められることになる。そうなれば、日本という国の存在感も高まって国益にもつながっていくのではないかと、私は考えた次第でございます。
そして、この夢を実現するために、がん領域におけるプラットフォームというべき、基礎技術やマーケティングを含めたノウハウなどをできるだけ早く強化、確立する必要があったわけでございます。それが今回の買収でございます。
今回のディールは長谷川社長が先頭に立ち、東奔西走のエネルギッシュな行動力で実現させてくれたものでありまして、私が言うのも何でございますけれども、本当によくやったと私は心よりそう思っておる次第でございます。
皆さん、私たちの決意をご理解いただいた上で、夢の実現に向けた武田の経営を見守っていただきたいと、切に切にお願い申し上げる次第でございます。
今後とも引き続きご支援とご鞭撻をいただきますようお願いいたしまして、私からのご挨拶に代えさせていただきます。どうもありがとうございました。
司会
それでは続きまして、長谷川社長より経営方針についてご報告申し上げます。
長谷川 閑史 - 代表取締役社長
先週決算発表をいたしました際に、記者発表でも若干申し述べたおりますので、だいたいのこ様子はおわかりの上で、多分手ぐすね引いていろいろご質問を用意して待っていただいていると思いますので、説明のほうはできるだけ簡単にさせていただきたいと思いますが、私のほうから概略を15分から20分ぐらいでお話をして、その後、高原のほうから計数のお話をし、岩崎製品戦略部長がパイプラインの状況をお話しして、全部で当方からの説明は40~50分で終わるということで、残り30~40分をQ&Aという形でやらせていただきたいと思います。
それでは、ちょっと1ページ、スライドの1ページお願いします。
これはもう皆さんに何度もお見せしておりますので、このスライドに関しては2点だけ申し上げておきます。
従来は当社独自の定義に基づく自社医療用品医薬品売上高ということを申し上げておりまして、このスライドの右上のところに書いておりますのは、従来は自社医療用医薬品と言っておりましたが、これはTAP社が50・50の連結--、会社であって、連結対象になってないためにわざわざそういう言い方、わかりにくい言い方をしておったんですが、TAPをスプリットオフいたしまして、その必要がなくなりましたので、今後は連結医療用医薬品売上高という形で、そのまま1.4兆円とそれから2兆円を当社の2010年、2015年の目標というふうに置き換えたいと思います。これは目標の変更というふうにはおとりをいただかないようにしていただければと思います。
連結医療用医薬品売上高の中には仕入れ品は入れないという形で、今後これの実現を目指していきたいと思います。
それからもう1点申し上げておきたいのは、これ何度も何度も言っておりますけれど、世界的製薬企業の創生というビジョンの実現に向けての基本戦略は、あくまでも自前成長、オルガニックグロースでありまして、どうしても足りないプラットフォームテクノロジーでありますとか、地域のカバーでありますとか、あるいは領域のプレゼンス、ファンクションでありますとか、そういったものをこれからの時間をかけて蓄積--、構築していくのに、時間と効率から考えたら買収したほうがいいという、そういう場合に限って積極的に買収に行くというのが基本戦略であり、これまで行いました買収もすべてその考え方でやってきたつもりであります。
したがいまして、今後どうするんですかとすぐ皆さんから聞かれるんですけれど、当面これまで足りなかった部分について、ほぼ買収によって取得するものについては一段落したというふうに、私自身は認識しておりますが、あとのヨーロッパの問題等については、多分ご質問があると思いますので、その時にお答えをさせていただきたいと思います。
じゃあ、次。ご覧のスライドは「06-10中期計画」の重点施策のうちでありますけれど、パイプラインの強化に関わる07年度以降の成果でありまして、ここにご覧いただいたとおりであります。特に当社が次世代の中核領域と位置づけるがん領域において、さまざまな取り組みを行ってまいりまして、今年だけでもアムジェン社の日本のオペレーションの買収と、13品目のうち12品目は日本だけの開発販売権でありますが、1品目はグローバルの共同開発、共同販売権の獲得、そういったことをやりましたし、またCell Genesys社からのがんの、前立腺がんの治療ワクチンであります「GVAX」というのを現在フェーズ3の状況にありますけれど、そういったものを導入しております。
中枢につきましては、もう昨年来お話ししておりますように、当面はルンドベック社のフェーズ3およびフェーズ2にあります抗不安・抗うつ剤の導入をして、いま共同開発をやっておりますので、それの上市を急ぐとともに、自社の研究からのヒト臨床への進展をできるだけ加速して行うということにしたいと思っております。
次、お願いします。遂行状況については、これ、高原経理部長から説明をいたしますので、これはもう割愛させていただきます。
それから、次の4、スライドで、2007年度実績と2008年の見込みということでありますけれど、これにつきましても数字だけを見ても何でこうなっているかということを、先週の金曜日の発表の内容について詳しく分析しておられると思いますけど、おさらいになりますが、これも後ほど高原のほうからご説明をさせていただきますので、私のほうからは割愛をしたいと思います。
2008年度の、次ですね。重点基本方針ということで、この3つの基本方針、3極における成長軌道の確保と自社研究開発のさらなる強化、事業運営体制の強化と人材育成の強化というのを、3つを掲げておりますが、それを少しご説明したいと思います。
まず、3極における、次のスライド、ああ、これだな。3極にける成長軌道の確保でありますけれど、最大の課題はやっぱりアメリカとヨーロッパでありまして、アメリカにおきましては米国事業再編のメドがつきまして、4月30日にアボット社とのTAPスプリットオフのディールのサインをいたしまして、ディールそのものをクローズドいたしました。
現在、新しいCEO、新TPNA社のCEOのアラン・マッケンジーが中心となりまして、インテグレーションのプロセスを進めて、積極的に進めているところでありまして、一応、現在の目標では7月1日にはフルインテグレートされた新TPNAが新しく発足をするという予定であります。できれば早くできるに越したことはないんですけれど、相当大きな組織のインテグレーションでありますので、2カ月ぐらいはかかるんではないかというふうに踏んでおります。
それから、ミレニアム社の買収でございますけれど、これも先週お話を、発表、記者発表いたし、プレスリリースいたしましたように、コミッティッド・デリバー--、デリバリー・コミティッドというのも含めますと、もう90%を越しております。
ただ、どうせそれがつくのを待つ間、クローズを待つということであれば、テンダーオファーのピリオドはいったん打ち切りましたけれど、さらに営業部で3日間延長するということで、先週の金曜日と今週の月、火、現地時間をテンダーオファーの新たなる3日間として、現在行っているところであります。それで90%を超えることはもう絶対に間違いありませんので、それが終わりましたら14日の日にショートホームマージャー、いわゆる簡易合併という形でミレニアム社の合併を実施するということになります。買収を実施するということになります。
それから日本につきましては、国内のシェアナンバーワンの堅持ということをこれまで、ちょっと順番がいろいろ違っているな。その次行こうか。ここはもういま説明したからいいね。
じゃあ、その次。ミレニアム社の話についても、いま少し説明を始めましたが、ミレニアム社につきましては、当社の武田グループのオンコロジービジネスの中核を担う会社との位置づけを考えております。ミレニアム社は当社がオンコロジーにおけるプレゼンスとして必要としながら、現在まだ十分に確立ができてない開発、それから販売、それからもう1つは、あそこは製造機能を持っておりませんけれど、製造委託先を支援しコントロールをする機能、そのようなものを持っております。
特に開発につきましては、「VELCADE」をヒト臨床の開始から承認まで4.5カ月という極めて短期間で、がんの薬の場合はそういうこともあり得るわけでありますけれど、短期間で承認を得ているという開発の実績を持っておりますし、現在のパイプラインの製品の開発につきましても、ほぼ計画どおりに進めている。そういう実績のある会社であります。
また、販売面につきましても非常にユニークな製品でありますが、それにしてもオンコロジー、ヘマトロジストの間では相当高い販売のクオリティとしての評価を受けてる。そういう会社でありますので、当社の場合はこの会社の買収によりましてパイプラインの強化、あるいはそれは市場にすでに出てる「VELCADE」を含めてのパイプラインの強化。
それから、「VELCADE」はファーストライントリートメントを今年の1月に申請をして、6月の20日でしたか。トゥドゥファデートのFDAからのレスポンスを待っているところでありますけれど、データを見れば、相当ポジティブなFDAからのレスポンスがあるんではないか、というふうに期待をしているところであります。現在の環境でありますから、最終の返事を聞くまではわからないわけでありますけれど、それがうまくいけば、さらにセールスの伸長に加速化できると。
今年のファーストクォーターだけを見ましても、昨年の同期から比べればもう四十数パーセント伸びていて、前の2007年のフォースクォーターから比べると13%ぐらい伸びておりまして、これはそういうファーストラインの追加のラインエクステンションがない状況でこれだけでありますので、それだけでもミレニアム社がガイドラインとして出してる320から345というガイドラインは、トレンドからいけば超えるわけでありますけれど、ファーストラインの承認が予定どおりとれれば、われわれとしてはさらにアップサイドが期待できるんではないかというふうに思っておるところであります。
また、今後は当社の研究、日本における中央研究所あるいはサンディエゴ、あるいはケンブリッジ、そういったところから出てきますがん領域の製品につきましては、ミレニアム社が開発を担当する。一方、ミレニアム社からの研究から出てくるがん領域以外の製品については、アメリカのTGR&Dが基本的に開発を担当する。
そういった意味でのクリアなすみ分けをした上で、事業の運営を行ってまいりたいと思いますし、もちろんのことでありますけれど、ミレニアム社の社長は現在の、現在といいますか、買収前のDeborah DunsireというM.D.のCEOが今後も引き続きその任に当たり、私にレポートを作るという形を継続いたしますし、これからシナジーを出していける状況にあるというふうに考えております。
その前の1つだけちょっと見せてくれる? ここで1つだけ申し上げておきたいのは、ミレニアム社と武田のシナジーっていうのがタイトルに出てますけど、私どもがこの今回のアクイジッションで期待しておりますのは、コストシナジーは全然期待しておりません。
若干のアドミニストレーションのオーバーラップを整理統合していくという部分はあるにしても、基本的にはシナジーというのは、研究のプラットフォームテクノロジーも違いますから研究のアプローチも違います。そういった意味でのシナジー、あるいは開発、それからCMCモニタリング、販売、そういった点では実際の私どもの実績がほとんどありませんので、そういった意味でのシナジーというふうにおとらえをいただきたいと思います。
それから次、これですね。ミレニアム社との緊密な連携のもとで、さまざまながん治療のアプローチをする中から、武田グループの強みに基づいた研究ターゲットを取捨選択するとともに、がん領域における最適の研究ポートフォリオを構築し、今年度以降、年間数個のINDを継続的に創出する研究基盤を作るというのが、当面の課題であります。
がん領域の開発パイプラインにつきましては、ご覧のようにミレニアム社の買収だけではなく、米国アムジェン社から、これは黄色で表示をしておりますが、その製品も含めてパイプラインそのものについては相当短期間の間に強化をされてきたわけでありますけれど、特にがん領域における製品開発の難しさ、リスクの多さから考えますと、これで決して十分というわけではありませんので、ここには詳しくは表示はしておりませんけれど、前臨床段階においては当社の研究所からも相当有望なものがヒト臨床のほうに近づいてきつつありますので、そういったものを積極的に加速度的に進めることによって、さらなるパイプラインの充実強化を図っていくということであります。
それから、次に「VELCADE」の話は先ほどちょっと申し上げましたので、多くは申し上げませんけれど、私もこの製品のプロファイル、あるいはコンペティティブのエンバイラメント、競争状況を見ました場合に、アメリカでもそう遠くないうちに、いつ頃とはちょっとまだ詳しくは申し上げられませんけれど、アメリカだけでも10億ドルの製品にすることは可能であるというふうに思っております。
次、お願いしますね。第2の方針であります自社研究開発のさらなる強化でありますけれど、利益貢献度の高い自社品を自社の研究努力から継続的に生み出すことが、自前成長という研究開発型の製薬企業としての最も大事な基本でありますし、研究者がそれぞれ持てる力を最大限に発揮するよう努めるとともに、武田本社研究所を武田サンディエゴ、武田ケンブリッジ、ミレニアム社と、こういったところと健全な競争関係を作ると。そこから新たな創造性を刺激して新たなものを作っていくという、私が4~5年前考えてた形がほぼ整いました。
それぞれが違ったプラットフォームテクノロジーを持ち、得意分野も異なりながらも、お互いのプラットフォームテクノロジーを相互に活用することによって、それぞれの研究テーマの進捗を加速することができると同時に、買った会社には相当のオートノミーを与えると同時に、何年までにどれだけのINDの申請を達成することといった厳しいゴールも与えております。
それが研究の開発、研究費の投下と研究者の人数との比率で見て、どこが一番効率がいいか。そういったことも見ながら、お互いが競い合わさせると。一方では、それぞれが持ってない技術については、研究者の交流を行うことによって、そのそれぞれの技術を学び合う。そういったことから、先ほど申しましたような研究の加速化も図っていく。そういったことを考えているわけであります。
それともう1つの課題であります2011年度以降の売り上げ成長に貢献する研究開発の加速度、付加価値の最大化でありますけれど、このスライドでお示しをしておりますように、相当後期の、臨床後期のパイプラインも充実をしてまいりました。
ただ、たびたび皆さんからも指摘されておりますように、「Prevacid」が2009年の後半、それから「アクトス」、それからさらにはカンデサルタンの場合は幸か不幸か、アメリカの場合はアストラス・ゼネカス社に100%の販売権を与えておりますので、もちろん輸出利益という点では影響を受けますが、売り上げ利益のかなりの部分はライセンシーのアストラス社のほうにいっております。
そういった関係で、またなおかつアストラス社がいろいろ事情がありまして、本来のこの製品のポテンシャル、日本やヨーロッパで発揮しているポテンシャルをアメリカでは発揮できておらない。
こういう状況にあるし、それを解決するいろんな可能性について、両者の間でさんざんぱら追求をしてまいりましたが、先方さんの事情でなかなかそれもできないという状況でありまして、それが結果としてはアメリカにおける特許切れのダメージを少なく、当社にとっては少なくするという皮肉な結果になっておりますが、そういった製品の特許切れがありますので、2011年、12年、13年、その辺の売り上げが落ちるんではないかというのが、皆さんの中の何人かの方々が懸念をしておられる事態でありますけれど、私どもマネジメントチームとしましては、そこの売り上げを絶対に落とさないという形で何としてでも、この11年、12年を乗り切りたいということで、いま懸命にいろんな施策を講じておりますが、具体的にどうなるという形をコミットメントという形では、現時点ではまだお話はできませんけれど、ご覧いただいてわかりますように、相当後期のパイプラインも充実し、また前に進んでまいりましたので、その可能性は少しずつ上がってきてるというふうに、私自身は認識をしております。
次、お願いします。第3の方針は事業運営体制の強化でありますけれど、強化はグローバル市場において存在感のある世界的製薬企業を目指すことを選択いたしました際に、武田流の事業のグローバル化はいかにあるべきかということを、もうずっと考えてまいりました。
その結果、われわれが達したグローバル化とへの基本的な考え方が、このスライドにも書いてありますけれど、要は自前成長を基本戦略としつつ、不足する製品や基盤技術の補完、充実、さらには未進出市場の解消等に際して、時間をお金で買うことが最も効率的な場合には企業買収を積極的に検討し、実行していくというものであります。
同時に、必要な投資を行う場合には、当社としては従来からスタンダードをまったく変えているつもりはありませんで、あらゆる局面における費用対効果を考え抜いた上で、優先順位の高いものから全力で実施をいたします。会長の冒頭の発言にもありましたミレニアム社のプレミアムにつきましては、高すぎるというご意見をお聞きしておりますが、私は相当ひねくれ者でありまして、そういうふうにいわれると結果で示しますと。もうよけいファイトが湧きますので、結果をよく見ておいてください。
それから、もう1つは日本で磨き上げてきた効率性の高い販売生産体制などを中心に、当社の従業員がグローバルにベストプラクティスを学び合い、浸透させることによって、武田流の独自の効率的な体制を構築していくと。
そういった意味からも、TPNA社、今度TPNA社のCEOになりましたアラン・マッケンジーは、私とすでにもう20年以上仕事をしている仲であります。初めはTAP社の副社長と、それからセールストレーニングのディレクターか何かやっておりました。そういうところからスタートしておりまして、彼自身が武田流のマネジメント、それに輪をかけたようなアボット流のタイトマネジメントを身にしみて感じておりますので、身につけておりますので、恐らく新しいTPNA社は相当引き締まった感じでの、従来以上に引き締まった感じでの運営になるというふうに、私自身も楽しみに見ておるところであります。
それから、もう1つは研究開発型の企業の原点ともいえます、これも会長が申しておりました世界の患者さんのニーズに応える画期的な新製品、それもアンメットニーズの高い領域に何とか出していくという足掛かりが、ここでがん領域にできましたので、これを何とか早く実現をして、相当中期の夢でありますけど、2020年にはがん領域ではベストスリーに入っていると思われるような形にぜひしたいと。多分、その頃私はどこかでその結果を楽しみに見ているという状況になっていると思いますけれど、それは武田としてはぜひ実現したい夢であります。
こういった観点からも私自身が身にしみて感じたのは、アメリカにおけるマネジメントはCEOのトップダウンで相当大胆な意思決定をスピーディにやって実行していきます。これを日本の組織でやろうとしても、私がそういう意思決定を早とちりも含めて即断即決はできるんですけれど、やって引っ張っていこうとすると、日本の組織、社員がついてきません。
したがって、それをやろうとするのは相当無理であるということを、私自身もしみじみと感じましたので、アメリカでビジネスをやる時はそれでやったらいいんだけれど、日本でやる場合には、あるいは日本人を引っ張っていく場合には、やっぱり中長期を見つめた非常に緻密な計画をきちんと立てて、これをこうやって実行していけばここにたどりつけるんだよと。もしうまくいかなかったら、コンティンジェンシーをこういうふうにやりますよと。
こういったことをきちっと示して、みんなに納得をさせてチームワークでやっていくというのが、日本人のベストの結果を出させる一番いい方法だというふうに、私自身は強く感じておりますので、今後もそれを当社の経営のあり方のバックボーンとして進めていきたい、というふうに思ってますし、またアメリカの会社のようにCEOが変われば昨日まで言ってたことが今日はコロッと変わるということのないように、特に医薬品の研究開発は長い期間を要しますだけに、一貫性、継続性というものを大事にしてやっていきたいと思います。
それから次にお願いしますが、株主還元の促進でありますけれど、中長期的な観点に立ちまして安定的な配当をしていくということは申し上げておりますが、すでに金曜日に発表しておりますのでご承知かと思いますけれど、今回の場合も基本的にこの中期計画期間中に、純利益の45%を配当にしていくという形で、徐々に配当性向を上げていくという基本方針は変えませんが、今回ミレニアム社の買収によりまして、インプロセスR&Dでありますとか、あるいは無形固定資産の償却だとか、そういう特殊要因が生じてまいりましたので、それらを配当方針に反映させるのは妥当でない。
むしろ、キャッシュフローベースで見たほうがより株主の皆さんの要求にお応えするし、経営者としても妥当であろうと判断をいたしましたので、2007年度につきましては当初公表しておりましたとおり、168円の年間配当を実施いたします。それは利益の40.1%、この先ほど申しましたような償却前で40.1%、2008年につきましては170円、これは41.9%ということになりますけれど、を実施していくということを予定しております。
また、自社株買いにつきましては、すでに発表しておりますように、これまで買い戻しをいたしました株のうちのほとんど、これは単位未満株の端株処理に必要な分として数十万株残しますが、それ以外はすべて償却をするということで5月23日にそれを実行する。6.2%ぐらいだったと思いますけど、比率からいくと、そのぐらいの株を償却をいたします。
また、先週同じく発表いたしましたように、5月12日、本日から新たに1,800万株もしくは1,000億円、どちらかが早く到達したほうで打ち切るということでありますけれど、新たな自社株買いのシェア・バイ・バックの実施を行っております。
最後に2009年度から2010年度のガイダンスでありますけれど、現時点では高原のほうからも後ほど申し上げますけど、まだ最終的にいろんな償却の方法とか確定してない部分があります。会計監査人との間での話が最終的にきちっと固まってない分もありますので、現時点ではそういった前提でのあらあらのガイダンスという形で、ここに述べさせていただいたような形を現時点、本日のガイダンスという形で皆さんにお伝えをしたいと思います。
残りはQ&Aで補わさせていただきます。どうもありがとうございました。
司会
続きまして、高原経理部長より決算の概要をご報告申し上げます。
高原 宏 - コーポレートオフィサー 経理部長
高原でございます。それでは、ただいまより2007年度の連結業績および8年度の見通しにつきまして、ご説明させていただきます。
2007年度の連結業績につきましてはご覧のとおり、売上高は17期連続の増収、純利益は3期連続の増益ということでございますが、これはいずれも過去最高というふうになっております。研究開発費が前期から大幅に増加したことにより、営業利益は16期ぶりの減益、経常利益は3期ぶりの減益となっております。純利益につきましては、ご承知の前年に移転価格税制に基づく更正処分に関する追徴税571億の負担がございましたので、前年からは196億円、5.9%の増益でございます。
次に売上高の増減の内訳につきまして、ご説明いたします。医療用医薬品の売上高は前年から662億円、5.8%の増収となっておりまして、国内で147億円の増収、海外で514億円の増収となっております。ヘルスケア事業の売上高は新製品の「アクテージSN錠」や、「スコルバEX」シリーズの寄与などもございまして、前年から31億円の増収となっております。
続きまして、仕入品を除く連結医療用医薬品売上高でございますが、全体では1兆798億円で前年から693億円、6.9%の増収となっております。米州での増加を中心に、日米欧亜の4極すべてにおいて前年から増収となっております。
次に、TPNA社の売り上げでございますけども、「アクトスファミリー」が前年から4億1,800万ドル、17.7%の増収となりましたことに加えまして、「アミティーザ」も1億2,200万ドルの増収となりましたことにより、全体で4億9,500万ドル、18.9%の増収です。MBSでは円高による為替のマイナス影響は85億ほどございましたが、前年から494億円、16.1%の増収となっております。
次に国際戦略4製品の状況でございますが、医療用医薬品の定義の見直しを行いましたので、TAP社の持分法適用会社の売上高は含めない連結ベースの売上高を表示しております。この点が、今までから変わっております。基本的にTAP社の統合を前提に、今期から連結ベースに売上高は合わせたということであります。
ビオグリタゾンおよびカンデサルタンにつきましては、日本、海外ともに順調に拡大いたしましたが、ランソプラゾールおよびリュープロレリンにつきましては、TAP社向け輸出の減少や欧州でのランソプラゾールの特許切れの影響などによりまして、減収となっております。
続きまして、営業利益の増減内訳につきましてご説明させていただきます。売上総利益率が前年から1.2ポイント上昇いたしましたことにより、売上総利益は前年から707億円、6.9%の増益となっております。研究開発費につきましては、米国アムジェン社やルンドベック社からの導入費用の発生などにより、全体で825億円、42.7%増加しております。管理販売費につきましては、日米欧3極における販売関係費の増加を中心に236億円、6.3%の増加となっております。
以上の結果、営業利益は前年から354億円、7.7%の減益となっております。
次に、純利益の増減内訳につきましてご説明いたします。持分法による投資利益はTAP社の減少を中心に前年から95億円減少いたしました。加えて、その他の営業外損益が37億円減少いたしました結果、経常利益は486億円、8.3%の減益となっております。前年の追徴税の影響もございまして、純利益では196億、5.9%の増益となっております。
続きまして、2008年度の業績の見通しについて、少し丁寧にご説明したいと思います。
2008年度の業績見通しにつきましては、会社分割による米国TAP社の完全子会社化、および米国ミレニアム社の買収による影響を織り込んでございます。連結業績見通しのご説明の前に、まず両社の連結子会社化に伴う会計処理および損益影響の概略について、ご説明いたします。
対象となる資産価値金額やその配分額、および償却方法等の会計処理につきましては、今後第三者である外部専門家の資産評価や会計監査人による監査受検を経て確定いたしますので、現時点では確定数字ではございません。当社としての見込みでございます。そういう前提でお聞きいただきたいと思います。
それでは、まずTAP社の会社分割に関する会計処理でございますが、TAP社の会社分割により当社はスライド左側のアボット社所有の「Prevacid」、および「TAK-390MR」などのパイプラインの50%部分を買収いたしまして、スライド右側の当社が持っておりましたLupron事業の50%をアボット社に譲渡いたします。「Prevacid」の価値につきましては、税引き前にグロスアップした金額で無形固定資産に計上し、価値が存続する一定の期間で償却いたします。
また、獲得したパイプライン価値につきましては、インプロセスR&D費用として2008年度に一括して費用に計上いたします。
一方、Lupron事業等の譲渡益を特別利益として2008年度に計上いたします。TAP社の会社分割は均等価値による分割でございますので、当社とアボット社が獲得する価値を等しくするための価値調整が発生いたしますが、この調整につきましては、今後5年間にわたって実施していくことになります。
具体的には、会社分割時に仮の負債を貸借対照表に計上いたしまして、8年から12年までの5年間にわたって、「Prevacid」などの製品ならびに開発品の動向に応じた一定の金額をアボット社に支払ってまいります。この支払いにつきましては、BSのみの会計処理でございますので、支払い時における直接的損益への影響はございません。最終年度である2013年に、現時点で計上いたしました仮負債と実際に支払った金額との差額を精算いたします。以上が、TAP社の会社分割に関する会計処理の概略でございます。
続きまして、ミレニアム社の連結子会社化に関する会計処理についてご説明いたします。発行済み株式の100%を取得した場合の買収総額88億ドルの配分を、スライドで表示しております。すでに上市されております「VELCADE」、およびインテグリーンの税引き前の価値68億ドルを無形固定資産に計上し、各々の製品ごとの償却期間にわたって償却いたします。
パイプラインの価値12億ドルは、インプロセスR&D費用として2008年度に一括費用を計上いたします。なお、このパイプラインの価値には、現在FDAに申請中でございます「VELCADE」のファーストライン・インディケーションに関する価値が含まれております。テンダーオファー成立日にミレニアム社が保有しております現預金などの資産、および負債のネット価値9億ドルはそのまま貸借対照表に計上し、損益の影響はございません。
これらの結果、のれんが23億ドル発生いたしますが、これにつきましては20年間で償却することとしております。以上が、ミレニアム社の連結子会社に関する会計処理の概略でございます。
次に、両社の子会社化に伴いまして発生いたします、無形固定資産の償却費やインプロセスR&Dなどの2008年度業績への影響について、ご説明いたします。
なお、影響額につきましては、会社分割のクロージング日、これ4月30日です。テンダーオファーの成立日、これは5月9日を前提にいたしまして、それぞれ残りの11カ月分の影響を表示しております。無形固定資産償却として、TAP社で3億ドル、ミレニアム社で7億ドルの発生を見込んでおります。無形固定資産の償却費は税金分をグロスアップして費用化し、税効果を考慮いたしますので、償却費に対応した税金のマイナスが法人税等調整額として発生いたします。
ミレニアム社にかかるのれんの償却費が1億ドルで、無形固定資産およびのれんの償却費は販売管理費として処理しております。インプロセスR&D費用につきましては、TAP社で5億ドル、ミレニアム社で12億ドルを見込んでおります。加えて、TAP社ではLupron事業などの譲渡益6億ドルを特別利益として計上いたします。
次に、両ディールに伴う08年業績への影響につきましてご説明いたします。なお、前提となるドルレートは100円としております。
売上高につきましては、合計で1,800億円の増収効果を見込んでおります。TAP社につきましては、「Prevacid」の現地売上高が連結売り上げに取り込まれることなどにより、1,300億の増収効果がございます。また、ミレニアム社につきましては、「VELCADE」の米国売上高などによりまして、合計で500億円の増収効果を見込んでおります。
営業利益につきましては、インプロセスR&D費用や無形資産の償却費などの負担により、約2,000億円の減益要因でほぼ全額がミレニアム社の買収に起因するものでございます。
経常利益につきましては、TAP社からの持分法投資利益がなくなることや、ミレニアム社買収に伴う手元現金の減少による運用収益の減少、約140億などによりまして、2,500億円の減益要因になると見込んでおります。
純利益につきましては、TAP社はLupron事業などの譲渡益を計上することから、100億円の増益、ミレニアム社は1,800億円の減益となっており、合計で1,700億円の減益要因になると見込んでおります。なお、今後の見通しといたしましては、TAP社につきましては50対50の価値配分でございますので、損益には中立的であると考えております。したがって、シナジー効果群が増益要因になると考えております。
この理由から、純利益は2008年度から、営業利益、経常利益も2009年から、TAP社のケースは増益要因になると、われわれ考えております。ミレニアム社につきましては2011年、あるいは12年以降からの増益要因に転じるものと見込んでおります。
次に、2008年度の連結業績見通しにつきましてご説明いたします。業績見通しの前提となる為替レートはドル100円、ユーロ155円としております。TAP社およびミレニアム社の子会社化による影響を織り込みましたことから、売上高は1,952億円、14.2%増収の1兆5,700億円を見込んでおりますが、利益面は営業利益、経常利益、純利益ともに40から50%の減益となる見通しでございます。
EPSにつきましては54.1%の減少でございますが、当社が経営指標としております特別損益および企業買収に伴う特殊要因を除いたEPSは、6.7%の成長を見込んでおります。以上でございます。
司会
続きまして製品戦略部長、岩崎より、研究開発の状況についてご説明申し上げます。
岩崎 真人 - 製品戦略部長
製品戦略部の岩崎でございます。私のほうからは、当社の2007年度のパイプラインの状況、トピックスについてご紹介を申し上げます。
当社では成長の源泉である研究開発パイプラインの拡充と、新製品の早期上市に向け、自社研究の強化、製品付加価値の最大化、および導入・アライアンス活動の推進を3本柱として、ご覧の4つの疾患を重点領域と位置づけ、経営資源を集中投下しております。そして続きまして、各領域ごとにパイプラインの状況をご紹介申し上げます。
まず最初が生活習慣病領域でございますが、この領域は当社の現在および将来のビジネス基盤を支える最も重要な領域であります。特に糖尿病領域におきましては、当社は非常に強いプレゼンスを持っているわけでありますけれども、この領域においてDTP4阻害薬であります「SYR-322」を、昨年末にFDAに販売許可申請を行いました。
当社は「アクトス」とDTP4の2つを持ち得る、それも一番最初に持ち得る会社でございますので、この2つのパイプラインを用いまして、米国における持続的成長のために、またヨーロッパ、アメリカにおける--、日本における糖尿病領域でのより強いプレゼンスの強化に向けて、グローバルリーダーとしてのポジションを強化していくことになります。
次、お願いいたします。生活習慣病領域において、もう1つ大切な部分がCVの領域でありまして、カーディオバスキュラーでありますが、当社は高血圧治療薬としまして、昨年7月に新世代のARB、「ブロプレス」の後継品というふうに考えられますけれども、「TAK-491」を米国および欧州で第3相臨床試験を開始しています。
この「TAK-491」でございますけれども、最強の降圧効果を有することに加え、糖尿病患者さんに最適な強いメタボリックな作用を有しているARBと考えておりまして、米国では「アクトス」で構成した、構築したフランチャイズを生活習慣病領域へと発展させていきますし、欧州および日本では、やはり「ブロプレス」の後継品として、すみません、日本では「491」はいま主力、メインのものとは考えておりませんけれども、「ブロプレス」の後継品として新しいARBを上市していくことになります。
高血圧の治療薬というのは、皆さんご存じのように、単剤ですべての患者さんのコントロールができるような領域ではございませんので、当然合剤、各種合剤を検討していきます。また、上市時におきましても、でき得る限りいろんな合剤を併せて上市するプランも検討している状況であります。
はい、次お願いします。領域Ⅱががん・泌尿器科疾患の領域であります。リュープロレリンの「リュープリン」のLCMの一環としまして、昨年3月にフランスにおいて6カ月製剤の承認を取得しております。先ほど社長の長谷川のほうから紹介がありましたように、当社は現在の強みである生活習慣病領域に加えて、このがん領域、今後非常に大きな高い成長が見込まれるこの領域において、リーディングカンパニーとしてのポジショニング、ポジションの確立に向けた取り組みを強化しております。
現在、ご覧いただいている当社のパイプライン、これに「VELCADE」をはじめとする新規性に富んだミレニアム社の品目が加わることで、当社のがん領域のパイプラインが一段と厚みを増してくると期待しております。
また、開発ステージ後期にあるアムジェンから導入した「Vectibix」、それから「AMG706」、ならびにCell Genesys社から導入いたしました前立腺がんワクチン「GVAX」については、後ほど詳しくご紹介申し上げます。
領域Ⅲの中枢神経疾患、骨・関節領域について、ご紹介させていただきます。自社研究開発品といたしましては、本年2月に不眠症治療薬「Ramelteon」を厚生労働省に申請いたしました。同薬は米国ではすでに「ロゼレム」の製品名で、当社の100%子会社でありますTAP社より--、TPNA社より販売しております。また、欧州においては、昨年3月に申請済みでございます。
アライアンス面では、昨年9月にデンマークのルンドベック社と米国、日本における気分障害、不安障害治療薬の共同事業事業化契約を締結しております。契約対象の1つであります「Lu AA21004」は昨年12月、うつ病患者さんを対象とした第3相臨床試験を開始いたしました。この臨床開発試験は複数の試験から構成されておりまして、登録患者数は2,000を超える予定であります。
「Lu AA21004」は、現在販売されております抗うつ薬とは異なる新規骨格、および異なる作用機序を有しており、効果も強く、安全性にも優れていることを期待しております。
領域Ⅳでございますが、消化器疾患およびその他の領域であります。昨年12月、米国において当社が創生いたしました「TAK-390MR」を、当時持分法適用関連会社であったTAP社がFDAに申請を行いました。また、日本におきましても第2相臨床試験を開始しております。本薬が承認されることによりまして、TAP社がこれまで米国市場で築き上げてきた消化器疾患領域のフランチャイズを、さらに強化できるものと期待しております。
それでは、ここで武田のがん領域パイプラインに新たに加わりました「Vectibix」、「AMG706」、がんワクチン「GVAX」の3つの製品を紹介いたします。
「Vectibix」はアムジェン社より導入した上皮細胞成長因子受容体、EGFRの阻害剤で、完全ヒトモノクローナル抗体であります。先行品であるキメラ抗体、Erbitux、またほかに開発中でありますヒト化抗体と比較しましても、完全なそのヒトモノクローナル抗体でございますので、安全面で優れるものと期待しております。
転移性の大腸がんを対象とした第3相試験において、Best Supportive Careへの上乗せにより、単独群と比較して無増悪生存期間、これは腫瘍増悪および死亡までの期間において、約46%の改善が認められております。有効性面でも期待ができると信じております。
次が「AMG706」でありますが、「AMG706」は血管内皮増殖因子受容体1-3の受容体でありますけれども、VEGFR1-3をターゲットとする血管新生阻害薬で あります。アムジェン社から全世界を対象として導入したものであります。選択性が高く、経口投与が可能であるという特徴を有しています。
血管新生阻害薬はすでに3剤が承認を受けており、大腸がん、腎がんをはじめとする多くのがん種に対する効果が実証されています。「AMG706」はより低い血中濃度でVEGFR1-3を阻害し、血小板由来増殖因子受容体、PDGFRに対しても優れた阻害作用を有していますので、選択性が高く、1日1回の経口投与で効果が見られるということになります。
第2相臨床試験においても重篤な副作用は見られておらず、甲状腺がんや消化管間質腫瘍に対する単独での抗腫瘍化効果も確認されております。現在、肺がんを対象とした第3相臨床試験を実施中です。
最後に「GVAX」であります。「GVAX」はCell Genesysから導入した腫瘍由来、腫瘍細胞由来のがんワクチンです。幅広いがん抗原を標的として、患者さんのがんに対する免疫システムを活性化することにより、抗がん作用をもたらします。
「GVAX」というのはいわゆるテクノロジーの名称でありまして、当社が導入いたしました前立腺がんのワクチンであります「GVAX」は、2種類のヒト前立腺腫瘍細胞株を、顆粒球マクロファージ・コロニー刺激因子を産生するように遺伝子操作を加え、その上で放射線照射によりヒト体内での増殖能をなくしたものです。
Cell Genesys社では、本薬ががん抗原を限定せずに幅広い前立腺がんの抗原を標的としていることから、あらゆる前立腺がん患者さんを対象としたがん治療ワクチンとして開発を進めています。現在、第3相臨床試験を2本実施中でありますが、2007年度中に630名の患者登録を終了し、開発を継続しております。2009年後半には、最終解析結果が得られる予定でいます。
もう1つのスタディでありますVITAL-2というスタディがあるわけですけれども、これにつきましては2009年前半に約600名の患者登録を終了し、中間解析結果が得られる予定でいます。以上でございます。
司会
それでは、皆様からご質問をお受けしたいと思います。本日は海外からの参加者もいらっしゃいますので、併せてご質問をお受けしたいと思います。大変恐縮でございますが、挙手をお願いいたしますので、御社名、それでお名前を教えていただければと存じます。それではよろしくお願いいたします。
漆原 良一 - アナリスト
野村證券の漆原と申します。1点だけ教えていただきたいんですけれども、「SYR-322」の審査状況なんですけれども、現状、FDAとのやりとりで何か問題に、審査の状況で問題になるようなものとか、ものがあるのかどうか。その点だけ教えていただけますでしょうか。
企業側発言者不明
従来から申し上げておりますように、昨年の12月に申請をして、ご指摘のとおり、今FDAとのやりとりが始まったとこですが、現時点で特段問題点というふうには私ども意識しておりません。順調に審査が進んでおるという理解でございます。
漆原 良一 - アナリスト
わかりました。ありがとうございます。
参加者側発言者不明
「TAK-390MR」についてなんですけど、クリニカルトライアルがいよいよ来てて、臨床試験は10本もないですね。それで大半がプラシボが対象薬で、差別化どうするか。販売戦略は何なのか。承認された後の計画、少し話していただけますか。
企業側発言者不明
ご指摘のとおり、臨床開発の対象薬、かなりの部分をインアクティブプラセボコントロールで実施しております。ただ、それに加えて、私どもの「Prevacid」との比較試験というのを、はい、実施しておりまして、アブストラクトでご覧いただいていると思いますが、少なくとも「Prevacid」に比べたら有効性で優れている点がいくつか見出されているというのが現状でございます。ですから、この点が差別化として市場へ遡及できるんではないか、と考えております。
舛添 憲司 - アナリスト
ドイツ証券、舛添です。3点あるんですけども、まず1点目が売り上げなんですけども、終わった期のとこを見ると、結局計画に未達ということになっているんですが、これ国内、海外のところでもう少し細かい、どこが未達だったのかとか、何か特別な要因があったのかというところをいただきたいんですけれども。
高原 宏 - コーポレートオフィサー 経理部長
中間公表の時、1兆4,000億というふうに申し上げたと思います。250億ほど未達になってます。内訳は国内で100億、それから米国で150億の未達要因です。
特別な要因があったかという話でございますけども、1つは国内のほうは薬価改定の影響もあって、これの買い控えの要素も多少あったんだと思います。それから、海外のほうにつきましては、これは為替の影響もいくぶんかございました。中間の段階では下期110円というふうに申し上げましたけども、結果的には109円ほどで終わりましたので、20億~30億の為替要因が入ってます。
それから、TPNAのほうの「アクトス」で6月に若干大きく売り上げが伸びましたけども、一部流通在庫が適正な水準をちょっと超えているという要素がございまして、これをこの下期に適正水準まで戻したと。この2つの要因でございます。
舛添 憲司 - アナリスト
2点目が、「SYR-322」と「アクトス」のあの(フクソ)コンビネーションなんですけども、これは順調に進んでいて、今年半ばぐらいに申請という形でよろしいんですか。
企業側発言者不明
合剤のお話ですよね。はい、順調に進んでます。
舛添 憲司 - アナリスト
わかりました。それとあと、ワトソンのほうから工場のほうが一件落着したような感じのことが出たんですけども、これでいよいよ「アクトス」と「メトフォルミン」の1日1回、出そうな感じですか。
企業側発言者不明
ええ、そういう理解です。やっとワトソンの工場、GMPの視察をクリア、ごく最近しましたので、これでもって私どもの製品も承認が間もないというふうに考えております。
舛添 憲司 - アナリスト
もう1~2カ月というタームで見てってよろしいですか。もっと短い?
企業側発言者不明
いや、1~2カ月を短くするというのは難しいと思いますが、そのスパンだというふうにご理解ください。
舛添 憲司 - アナリスト
わかりました。どうもありがとうございます。
山口 秀丸 - アナリスト
シティグループの山口と申します。今期のミレニアムとTAPののれん代処理について、蒸し返すつもりはまったくないんですけれど、一応9年3月期から在外子会社の決算処理を日本流に戻すんだと。向こうのを使わないで、日本は日本でやるんだという仕組みに変わっているようなんですけど、これによる影響というのは本件についてはまったくなかったんですか。日本流にやってもこうなるんですか。
高原 宏 - コーポレートオフィサー 経理部長
日本流にこの4月以降はしてます。具体的にどこが変わっているかといいますと、のれんの償却が、先ほどのスライドでもミレニアム社の場合、年間100億というインパクトが出てます。これは日本基準と米国基準とのギャップでありまして、日本基準では20年以内で定額償却となっておりますんで、これを考慮して費用化しているものであります。
山口 秀丸 - アナリスト
あと、ミレニアムに関して、ミレニアムのこと詳しい方もかなりおられるんでしょうけども、知らない人もまだおられると思いますので、買収が完全に決まったら、このミレニアムデーみたいなものを設けていただいて、投資家に直接もうちょっとミレニアムの内容をご紹介いただける機会というのを作っていただけるかどうか、というのはいかがでしょうか。お願いしているんですけど。
企業側発言者不明
ええ、貴重なご意見としてちょうだいして、真摯に考えたいと思います。海外からもそういうリクエストをちょうだいしていることもございましたので、検討させていただきます。ありがとうございます。
山口 秀丸 - アナリスト
あと、最後にファンダメンタルなところで、「アクトス」についてはやはりスローダウンが実際に起きていると。グリタゾン系がやはりスローダウンしていると。一方で、「322」もありますけれども、DTP4が上がっているという、このアメリカの状況を、もちろん「322」が出てくればそこにシフトするっていう手もあるんでしょうけど、このグリタゾンの成長をもう1回上げるという施策というかですね。そういったものというのはございますでしょうか。
長谷川 閑史 - 代表取締役社長
四半期別に見ますと、07年度の第1、第2四半期は25~26%ぐらい確か伸びてて、それが第3四半期に15%ぐらいあって、第4四半期に8.3ぐらいになってましたかね。そんな経過で推移をしていると思いますが、確かに第1、第2四半期は、先ほど高原もちょっと申しましたように、例のドクター・(ニッセン)の記事が出て、パイプラインが急に膨らんだという状況がございまして、処方箋の伸びに見合った状況ではなかったわけでありますから、それが結果として第3、第4四半期である程度意図的に私どもも調整をしてきて、最後にそれでもまだ足りないから、3月末に流通の適正在庫にするために意図的に100ミリオン近くを縮小した、ということをやった結果であります。
じゃあ、処方箋の伸びで見ると、処方箋が本当にあまり伸びておりませんので、これをどう回復する施策があるのかといわれると、そういうマジックがあるわけではありませんが、1つはご承知かどうかわかりませんけど、4月1日に5%ほど値上げをしております。それからもう1つは、ペリスコープで初めてアテローム性の動脈硬化について抑制効果があるというのを、経口糖尿病薬として初めて臨床試験で証明をしておりまして、それがパッケージインサートの中には記載はできるでしょうし、できればレベリングにでも追加できれば、また少しは変わってくるかなと。
そういったファクターも含めて、何とか2桁の成長はこの08年度も実現をしたいと。そういう形で現地のほうも実行計画を組んでおります。そういうことです。
山口 秀丸 - アナリスト
ありがとうございました。
参加者側発言者不明
研究開発費の動向ですね。今期じゃなくて来期、2010年3月期、だいたいどの辺に収まるか。それで中長期的に3,000億超えそうな雰囲気があっていて、あんな品目数あって、がんが高くて、それでだんだん膨らんでいくような気がしますけど、いかがですか。
長谷川 閑史 - 代表取締役社長
それにつきましては、現在ミレニアム社の買収をほぼ実現ができるという前提で、いろいろ見直しはしておりますが、基本的なガイドラインとしては、今年あるいは来年のような一過性のインプロセスR&Dでありますとか、償却を除いて、だいたい20%ぐらい、売り上げの20%ぐらいで推移をしていくつもりであります。
ただ、年によってはそれを若干超えるかもしれませんけど、大幅に25%とか、そういうふうなところまで上げないで工夫をしながらやっていくと。そういうふうに今のところでは、ガイドラインとしては考えてます。
酒井 文義 - アナリスト
クレディ・スイスの酒井です。1つ、まずちょっと「アクトス」のことなんですけれども、フラクショナルな問題をどういうふうに、骨折ですね、グリタゾンの。JAMAにも出てたと思うんですが、この影響をどういうふうにお考えになっているのか。これについて、まず最初お聞かせください。
企業側発言者不明
ご報告のとおり、このピオグリタゾン、アバンでもそうなんですけど、女性にはやはりある程度のそういうリスクは、われわれも報告してますし、報告されています。今回、男性にもというデータがあったんですけど、そこは少しデータ自体が明確ではありませんで、それについてはわれわれのデータはサジェスチョンしてませんし、ちょっと異議があるところでございます。その辺は当局にも意見を出しているところでございます。
酒井 文義 - アナリスト
FDAに出したということですか。
企業側発言者不明
ああ、あのEMEAです。
酒井 文義 - アナリスト
EMEAのほうですか。わかりました。あと、今期の業績の見通しでいただいている13のスライドなんですが、この中で今期TAPの売り上げ、1,300、これ億円ですね、円単位。それから、ミレニアムの売り上げ500億円、これは増収効果としてご覧になっているようですけれども、このまずTAPの内訳ですね、1,300億円。
これ何が入っているのかということと、それからミレニアムの売り上げの計上基準なんですけれども、これ何をミレニアムの売り上げとして計上されるのか。「VELCADE」のJ&Jのシップメントとか、この辺も確か入ってきてると思うんですけれども、こういうものは全部除いてネットの売り上げを今後計上していくのか。その辺ちょっと教えていただけますか。
高原 宏 - コーポレートオフィサー 経理部長
まず、TAPの1,300億の要因ですけども、これは今回のディールに伴って、売上高にどういう影響を与えたのかというのを表示してます。これ、具体的に1,300の数字は、TAP社の現地の売上高に変わりますんで、従来の日本からの輸出高と現地の売上高の差ということになります。ただ、これ11カ月分の予想ですんで、そうご理解ください。
それから、ミレニアム社の500億につきましては、当初売り上げは、「VELCADE」の売り上げプラスライセンスのロイヤリティでミレニアム社がJ&J、ほかからもらっている部分ですね。これも入れて、これプラス500という数字を増分として表示しております。
酒井 文義 - アナリスト
そうしますと、すみません。今年のアメリカでの「Prevacid」の売り上げというのはいくら実質、ネットでご覧になっているんですか。
高原 宏 - コーポレートオフィサー 経理部長
「Prevacid」の売上高は、07年の実績は2,252ミリオン、08年度の見通しは10%台半ばの減というふうな見通しにしております。
酒井 文義 - アナリスト
わかりました。ありがとうございます。
志村 裕久 - アナリスト
UBS証券の志村です。すみません。4点ございます。まずちょっと細かいお話で、今回ミレニアムとTPAの、TAPの、すみません、買収に関わるのれん代のディスカウントレートはどのぐらいされているのか。IPRDの前提になるところはフェーズ3の場合、どの程度まで入っているのか、それまず1点お願いいたします。
高原 宏 - コーポレートオフィサー 経理部長
ディスカウントレートというのは、割引率を何パーセントで見てるかというお話でしょうか。
志村 裕久 - アナリスト
はい、そうです。
高原 宏 - コーポレートオフィサー 経理部長
はい。TAPの件は、最近の米国の金利低下を若干考慮いたしまして、8%程度で見ております。
志村 裕久 - アナリスト
ミレニアムのほうはいくらで?
高原 宏 - コーポレートオフィサー 経理部長
ミレニアムのほうは、これまだ当社の試算ですけども、だいたい10%程度でいま見ております。
志村 裕久 - アナリスト
2点目なんですけども、社長、欧州の話は質問が出たら答えるということなんで、欧州のほう、どう考えているのか、お願いします。
長谷川 閑史 - 代表取締役社長
中間業績の時にも申し上げましたように、欧州で本当は中堅ぐらいのところを買収することによって、一挙にいろんなインフラの不足を解消したいっていう形でいろいろやりましたけど、なかなかそれぞれの会社の事情があってうまくいかないので、決してあきらめはしなくて、可能性は追求はしますけれど、可能性は極めて低いと。
したがいまして、もう1つの方針であります自前成長の方針に戻って、現在いろいろ進めておりますけれど、自前成長といってもすべての国において、これもスクラッチで立ち上げるということではなくて、ローカルなアクイジッションも含めた可能性を現在追求しているということであります。
志村 裕久 - アナリスト
3点目が今期、あるいは今期以降の前提の中で、米国のかなりペイヤーの状況が、かなりいろんな面でかなり厳しくなっておりまして、今回ミレニアム、TPNA含めた武田への影響をどういうような形でいま織り込んでいて、今後そのペイヤーの状況がさらに厳しくなった時、この生活習慣病そのものがどの程度業績にネガティブにインパクトを与えるか。そこら辺のちょっとご教示をお願いできますでしょうか。
長谷川 閑史 - 代表取締役社長
いや、それ、こちらが教えていただきたいぐらいでありまして、そのようことについて具体的に、もちろんペイヤーの状況でありますとか、マーケットの状況を予測しておりますし、現実には2006年の1月でしたか。(「パワーアップD」)が実行されて以降、8%ぐらいになりましたけど、2007年については2~3%の成長にしかなってないという状況で、これは反動の意味があったわけであったわけでありますけれど、今後、じゃあ2008年、9年、どうなるかということについては、今の景気の動向、あるいは大統領選挙の結果によってどう変わるかわかりませんので、ちょっと今の段階でどういうふうに断定的に見てるかということは申し上げかねますが、ただ成長のパーセントとしては、1桁せいぜい半ばぐらいでいけばいいとこかな、というふうには思ってますけど。
志村 裕久 - アナリスト
最後なんですけども、海外比率が50%になって、かなり米国の比率が高くなっている中で、今後取締役の考え方として、外国人の採用という面に関しまして、どういう形で考えてらっしゃるのか。以上、最後です。
長谷川 閑史 - 代表取締役社長
外国人を取締役に加えるかどうかということですか。あっ、それは可能性として今までもずっと考えてきてましたし、これからも考えますけど、いずれそういう時代が来るだろうし、そうしなければいけないだろう。世界的製薬企業というのを標榜しているからには、そういう形でのガバナンスの変更も考えていかなきゃいけないなと思ってます。
田村 円香 - アナリスト
シュローダー、田村と申します。まず、ミレニアム社についてお願いします。長谷川社長からご説明いただいた役割、日本、サンディエゴ、ケンブリッジからのオンコロジープロジェクトはミレニアム社が。これは米国においてはと理解すべきですか。それとも、ゆくゆくはグローバル開発も視野に入れてらっしゃるんですか。
長谷川 閑史 - 代表取締役社長
基本的に開発についても、それから販売についても、米国においては実質、実際の業務をミレニアム社が行うと。開発のグローバルの戦略についても、基本的にはミレニアムにイニシアチブをとらせたいと思いますが、それを受けて日本やヨーロッパとハーモナイゼーションをした上で、それぞれが実行をしていくという形になりますし、マーケティングにもついても基本的にはそのように考えております。
田村 円香 - アナリスト
ありがとうございます。リテンションということなんですが、期間はありますか。
企業側発言者不明
特段期間というのはございませんが、私どもはやはり現在のミレニアムの成長を維持するためには最低1年、2年はリテンションをお願いしたいという形で、現地のマネジメントを通じて今のハイパフォーマーの方々に今回の買収について説明をして、リテンションプログラムをも含めて皆さんから納得をいただいていると。できるだけ長期に滞在してほしいと。仕事を続けてほしいというふうに考えております。
田村 円香 - アナリスト
ありがとうございます。あとTAPについておうかがいしたいんですけれども、「Prevacid」のアメリカの販売権を一定期間償却されるということですけど、特許期間から逆算すると3分の2ぐらいが今期の業績に入って、小っちゃいほうが来期、それで終了と。それでよろしいでしょうか。
高原 宏 - コーポレートオフィサー 経理部長
のっけからのご説明をいたしますと、無形資産の部分を特許権の部分とブランド等のそれ以外の部分に分けております。特許権の部分については言うまでもありませんけども、特許満了までの残り19カ月で償却するという考え方です。ブランド等の部分につきましては、特許満了から3年程度期間を考慮しております。
田村 円香 - アナリスト
あと、シナジーはどのぐらい入れてらっしゃるんでしょうか。
高原 宏 - コーポレートオフィサー 経理部長
シナジーは3年間で400億というふうに申し上げておりますし、このようなシナジーがその後も継続するとわれわれは考えてます。
田村 円香 - アナリスト
ありがとうございました。
中沢 安弘 - アナリスト
はい。三菱UFJ証券の中沢と申します。私から2点ございまして、1点目が先ほどもちょっと質問ありましたけど、終わった期のフォースクォーターの売り上げの失速、特に国内のところ、かなり各製品、もともとの計画よりも未達だったなと思っている、2%、3%ですね。サードクォーターの電話会議の時にちょっとガイダンスいただいた、某流通業者との契約の変更、その影響でサードクォーターから伸び鈍化してましたけど、その影響がフォースクォーターも引きずってたということはないでしょうか。
だとすれば、それはいつから回復のメドが出てくるのか。それを教えていただきたいんですが。
高原 宏 - コーポレートオフィサー 経理部長
確かに、その要素は第3クォーターから第4クォーターにかけて入ってます。だいたい50億~60億で、これはもう今期の一過性の話ですから、この08年以降は引きずらない要素です。
中沢 安弘 - アナリスト
今年度の国内医療用はだいたいどのぐらい伸ばすご予定なんでしょうか、今回ご予算では。
長谷川 閑史 - 代表取締役社長
まず、2007年の国内についてずいぶんご心配のようでありますが、私自身はそう心配をしておらないわけでありまして、先ほど言いました流通の形態を変更しようとしたけれど、結果としてはやらないことになって、仮パイプラインにフルになっていたやつを結局また引き戻したという要素が、いま高原が説明した要素であったわけでありますけれど、もう1つは過去数年間、相当国内が頑張ってまいりまして、昨年新しい本部長になりまして、マーケットの実態をよく見て、あまりむちゃくちゃな無理はするなということもある意味では指示をしておりまして、いつまでも何年もそういう状況を、少し背伸びをした状況を続けますと、どこかで歪みが来ますから、そういったところを少し見直しをして、2008年度がきちっとしたスタートが切れるように、そういった点も考慮して売りも少し見直そうと。
たまたま薬価改定の前の買い控えということもありますが、これはもう2年に1回の定例のことでありますので、パターンとしてはちゃんと読めているわけでありますから、そういった内部でのいろんな話し合いも含めて、結果としてこうなった。したがって、私としてはまったく心配はしておりませんけど。
中沢 安弘 - アナリスト
今年は市場、2~3%ぐらい伸びる予想になっているようですが、それぐらいは。
長谷川 閑史 - 代表取締役社長
いや、もうちょっと、5%強伸びる予定にしてますけど。
中沢 安弘 - アナリスト
わかりました。ありがとうございます。あと、すみません。もう1点が高原様からちょっと説明ありましたけど、ミレニアムの部分がGAAPベースっていうんですか。プラスに効いてくるのが2011年度、2012年度からという話、あったと思うんですが、その時にミレニアムのトップライン、利益はどのぐらいということなんでしょうか。そのぐらいの時期ですと、多分無形固定資産とか800億ぐらいまだあるんじゃないかなと思ったんですが、そのぐらいのレベルで考えてらっしゃるんでしょうか。
高原 宏 - コーポレートオフィサー 経理部長
もう少し小さくなっていると思いますけども、すみません、ちょっとこの辺はもう年度だけ、見込みの年度だけ申し上げるっていうことにしておりまして、数字のほうはちょっとご容赦いただきたいと思います。
中沢 安弘 - アナリスト
はい、ありがとうございました。
三田 万世 - アナリスト
モルガン・スタンレー証券、三田です。ちょっと細かい点、いくつかお願いしたいんですが、1つはTAPの売り上げのプラスの中に、「TAK-390」は入ってますかという質問です。
高原 宏 - コーポレートオフィサー 経理部長
「390」は今年度、もう上市の予定で計画に若干ではございますけども、織り込んでおります。
三田 万世 - アナリスト
ありがとうございます。それからTAP、それからミレニアムの買収でいろいろ税効果も少し出てくるというお話だったんですが、税率をどのように考えたらよいのか、ちょっと教えていただけますでしょうか。税率の変化というか、これからどのような。
高原 宏 - コーポレートオフィサー 経理部長
これから武田薬品全体のという意味ですか。
三田 万世 - アナリスト
ええ。
高原 宏 - コーポレートオフィサー 経理部長
この08年度に限ったら、やはりこの無形資産の償却なんかっていのは、税効果会計で一部無形資産の償却だけグロスアップして、期間損益の対応というテクニック使いますけども、基本的に08年度の部分は、これ損金にならない要素でありますんで、この08年度の税率はもう非常に高くなると思ってます、はい。
無形資産の償却負担が、09年以降は先ほど申し上げた無形資産として税効果会計を適用する部分だけになりますから、09年以降は正常な値になってくるというふうに考えてます。
三田 万世 - アナリスト
それは37~38%というような数字でよろしいですか。あと、いまフェーズ3にあります「TAK-491」、あと「ヘマタイド」、それとルンドベックの気分障害薬については、いつ頃の上市を考えてらっしゃるのか、期待されているのか、何かご示唆いただけますでしょうか。
岩崎 真人 - 製品戦略部長
いつ頃かということなんですけども、当然2015年のわれわれが目指しているラインがありますんで、そこに十分貢献できるようなタイムラインで、できるだけ早くというところでご勘弁いただけますか。
三田 万世 - アナリスト
ありがとうございました。
村岡 真一郎 - アナリスト
すみません。モルガン・スタンレー、村岡です。2人続いて申し訳ありません。
ちょっと新薬の考え方、「390MR」、まずなんですけれど、この間のアブストラクトを見ると、PKのデータとして何か2段で効くと。1発パンと上がって、もうしばらくして何時間後かにもう1回上がるから、そこがいいんだよ、みたいなことを書いてたんですけど、そこがマーケティング上の大きなプラスになると考えていいのか。なるとしたら、それは臨床的にどういう意味があるのか、ちょっとご示唆いただけませんでしょうか。
長谷川 閑史 - 代表取締役社長
少なくとも現地のマーケティングはそれが大きなエッジになると思ってます。それはアシッドサープレッションの期間が長くなるというふうに考えているようでありますけれど、そこまでしか私は聞いていません。
村岡 真一郎 - アナリスト
例えば次の日に胸焼けが、朝起きたら胸焼け少ないとか、そういうことなんでしょうか。
長谷川 閑史 - 代表取締役社長
いやいや、そういう具体的な臨床的にエビデンスをどうこうというわけではありません。
村岡 真一郎 - アナリスト
わかりました。あと、「SYR」の今度の出てくるデータなんですけれども、例えば「アクトス」との併用で、ヘモグロビンA1cがこれぐらい落っこったらうれしいなとかっていうのを勝手に想像するんですけど、例えば1.5ポイントぐらい落っこちるとすごいいいとかって想像するんですけど、そんな考え方していていいんでしょうか。
企業側発言者不明
確かに併用ですから、単剤以上の効果というのは私どもも期待してます。「アクトス」の併用につきましては、いくつか試験をやっております。今ご指摘のような1.5ポイントですね。これを超える効果というのも社内的には見ておりますが、現時点でADAでまだすべてのデータが公表できるという段階にはなってません。先ほどおっしゃっておられた、いま合剤の開発を鋭意進めております。その開発の中でも、「アクトス」の併用、当然いろんな臨床データが出ておりますので、総合的に併用の有効性、安全性を判断するには、今しばらくお待ちいただいたらいいかと思うんですけど。
村岡 真一郎 - アナリスト
9月のEASD辺りってことでしょうか。
企業側発言者不明
早ければ、ぜひその辺で公表したいと思っております。
村岡 真一郎 - アナリスト
わかりました。あと、すみません、先ほど営業戦略での、国内営業の話で、ちょっと私が誤解かもしれないんですけど、じゃあ「ブロプレス」の売り上げが今年どのぐらいになるのか。どのぐらいっていうか、マーケット上の位置づけ、どうなるのかっていうことがよくわからなくて。つまり、伸び率があまり少ないと、ARBナンバーワンの座を奪われちゃうリスクというのを考えなきゃいけないのかと思ったんですけど、それはその背伸びしすぎてたという言葉と合わせて、どう解釈すればよろしいでしょうか。
長谷川 閑史 - 代表取締役社長
背伸びしすぎたって、まあそういうニュアンスでおとりいただくことはちょっとあれなんですが、「ブロプレス」については、ナンバーワンの維持は、座の死守は絶対にやるというのが国内の営業を担当しております本部長のコミットメントでありまして、ただご承知のように、ARB全体が10.1%薬価が親ガメ子ガメ方式、新方式で引き下げられましたので、どこさんもそれを乗り越えて金額で伸ばすということについては、相当苦労をなさるんではないかと思います。(リョーバン)がひたひたと後から追っかけてきておられるのも十分承知でありますけれど、少なくとも本年度において、売り上げにおいて負けるということはまずない、というふうに思ってます。
村岡 真一郎 - アナリスト
どうもありがとうございます。
三好 昌武 - アナリスト
メリルの三好でございます。ミレニアムについて、少し教えてください。
無形固定資産で68億ドルという評価額になってられますが、先ほど長谷川社長から、「VELCADE」に関してはそう遠くないうちにワンビリオンの10億ドルだというふうにおっしゃられたわけですが、そのことを勘案しても、なお68億ドル、特許が何年までかというのは先日も議論させていただきましたですけども、それを踏まえても相当に高額だと思いますが、例えば特許が切れる前でどの程度の売り上げを例えば「VELCADE」に想定をされておられるのか。この68億ドルをジャスティファイするのが大変難しくて、ぜひアドバイスをいただけると助かるんですが。
長谷川 閑史 - 代表取締役社長
いやあ、アドバイスはあげられません。私どもはジャスティファイできると思ってやったわけでありますし、ましてや「VELCADE」が、2017年がアメリカにおける特許切れで、前回ここでちょっと醜態を見せまして、私が2017年じゃないかって言ったら、「いやいや、違う」という数字が出てきて、最終的にどなたかこちらに座っておられた方、あれ土木じゃないわ、何たらブックで確か17になってますよっていうことでうやむやに終わっちゃいましたけど、その後確認をして、少なくとも現時点での「VELCADE」の特許は、アメリカで2017年、ヨーロッパで2019年っていうことはその後確認はいたしておりますが、じゃあその特許切れまでにどのぐらいになるかということについては神のみぞ知るでありまして、それは三好さん、そんな、それは酷ですよ。
私だって、アメリカでもう「Prevacid」を発売した時のピーク時の売り上げは3億7,500万ドルだったんで、今でも覚えてますから。それがやっぱり10倍近く売れましたからね。こんなもん、あなた10年後に何がどれだけ売れるかっていう予測をせえと。こういうところで言えと。それはあなたたちの腕の見せどころであって、社長とか、こういう経営陣がそういうことを言ったら、その経営陣がちょっとやっぱりおかしいんじゃないかと思うぐらいのことでありますんで、ちょっとご勘弁して(複数の発言者)。
三好 昌武 - アナリスト
わかりました。
水野 要 - アナリスト
大和総研の水野と申します。「SYR-322」は業績予想には織り込まれてますか。
長谷川 閑史 - 代表取締役社長
いや、一部入ってますよ。
水野 要 - アナリスト
それで販管費の考え方なんですけども、従来のTPNAの販管費の想定の中のマーケティング費用などというのは、TAPの部分はちょっと無視して、従来のTPNAの販管費というのの書き方というのは、去年までの「ロゼレム」にかけてたお金と、あと「アミティーザ」にかけるお金と、あと「SYR-322」にかけるお金など考えると、増える方向にあるのか、横ばいになるのか、その辺のガイダンスをいただけますか。
長谷川 閑史 - 代表取締役社長
いや、ちょっと頭の中で覚えてないんで申し訳ないんですけれど、少なくとも「ロゼレム」のDTCが減った分は減るんですが、その分について、「アミティーザ」も一部DTCをトライアルでやっていまして、それの結果評価を今やっておりまして、その結果どうするかという状況でありますが、それが仮にないとすれば、DTCの部分は減りますけれど、その分を「390MR」、あるいは(フユクサスタッド)のプレローンチの費用とかを考えた場合、増えるのか減るのかっていうのはちょっとそこまで詳しく見ておりませんので、どうしてもいるんであれば、後ほどお答えさせていただきます。
水野 要 - アナリスト
ありがとうございます。あと、ミレニアムとTAPの方々の従来のコンペンセーションの中に、アボットもしくはミレニアムの株のストックオプションがあったと思うんですけれども、今後はどのような形でのコンペンセーションなんでしょうか。
長谷川 閑史 - 代表取締役社長
ロングタームインセンティブ、ストックオプションも含めたロングタームインセンティブについて現在考えておりますけれど、ミレニアム社のストックオプションについては全部バイアウトをいたします。で、武田のロングタームインセンティブに置き換えると。TAP社についても同じであります。
水野 要 - アナリスト
ありがとうございます。
桜井 - アナリスト
カリヨン証券の桜井と申します。ミレニアムの買収の件について、1つおうかがいしたいんですが、ミレニアム自身がネットオペレーティングロスのキャリーフォワードが、確か1.5ビリオンぐらいあったと思うんですが、この部分についてはどのように計算されているんでしょうか。
高原 宏 - コーポレートオフィサー 経理部長
この点につきましては、米国の税法でチェンジ・オブ・オーナーシップというルールがありまして、50%以上オーナーシップが変わった時は(ノル)が使えないという制限がございます。これの今、調査をやってる最中であります。これ、かなり詳細な調査がいるということで、いま非常に前向きに、積極的にこれやっております。
桜井 - アナリスト
はい、ありがとうございました。
司会
そろそろお時間になりつつあります。
長谷川 閑史 - 代表取締役社長
じゃあ、ちょっと1つだけ。じゃあ、先ほどから出てます、これは未確定値ですんでどうだといろいろ申し上げてますけど、じゃあいつになったら言ってくれるんだって、多分あなたは言わないからさ。ファーストクォーターの結果を発表します7月の終わりにアーニングレポート、ファーストクォーターのアーニングレポートをする時にはきちんとした確定数、した数字で申し上げますということを、彼と私の間で約束してますから、そういう形になるだろうと思います。
司会
(技術的問題)よろしゅうございますでしょうか。それでは、これにて武田薬品工業株式会社の平成19年度決算説明会を終了させていただきます。本日はお忙しいところ、まことにありがとうございました。重ねて御礼申し上げます。