Mizuho Financial Group Inc (MFG) 2008 Q4 法說會逐字稿

完整原文

使用警語:中文譯文來源為 Google 翻譯,僅供參考,實際內容請以英文原文為主

  • 前田 晃伸 - 取締役社長

  • みずほフィナンシャルグループの前田でございます。

  • 先週の記者会見の後に、一部のメディアからは、攻めの経営が海外ビジネスで裏目に出たと書かれましたが、何をおいても、昨今のサブプライム問題を契機とする金融市場混乱の中で、業績予想の大幅な下方修正を重ね、当グループ全体で関連損失が日本一という、まことに恥ずかしい結果となりましたこと、本当に遺憾でございます。

  • 投資家の皆様にご迷惑をおかけしたことはもちろん、資本政策の展開スピードに、一時的ではございますが、ブレーキがかかったことや、証券の戦略的合併スピードに影響が出てしまったことは、経営として、リスク管理、資源配賦を見直すなど、大いなる反省をしなければならないと思っております。

  • 想定以上に広がった金融市場の混乱に対して、前回、皆さんにこの場でお約束したとおり、みずほといたしましては、銀行部門の安定的な収益力を背景に、見通せる限りのリスク対応、損失処理を昨年度じゅうに進める方針を貫き、手を打ちました。

  • 既にみずほ証券のリトスラ策並びに銀行部門の保有する証券化商品等についてのヘッジ対応など公表済みでございまして、本日の資料にあります詳細な開示内容をごらんいただければ、今年度の反転回復に向けて、おおむね再建体制が整ったことがおわかりになると思います。

  • さて、本日は、決算発表の内容を中心に、3ページの目次に沿って説明を進めてまいります。

  • 初めに、昨年度の総括としてポイントをご説明させていただきますので、5ページをごらんいただきたいと思います。

  • まず、2007年度の決算を総括いたします。

  • 収益状況でございますが、スライドの上段のグラフを左から順にごらんいただきますと、厳しい事業環境を背景に、顧客部門収益は減益となる中で、機動的な運営によりまして、市場部門収益が拡大した結果、3つの銀行を合算いたしました業務純益は、期初の予想を上回りまして、前年比で約2%の増益となりました。

  • 一方で、中小企業向け貸出等におけます与信関係費用の増加に加え、金融市場混乱の影響によりまして、銀行・証券子会社におきまして、6,450億円の巨額の損失を計上したこともあり、連結当期純利益は前年度対比で49%減益の3,112億円という大変残念な決算となりました。

  • 資本政策に関しましては、左の下のグラフをごらんいただきますとおり、規律ある資本政策の推進によりまして、資本の質・量の改善を進めるとともに、右端にございますとおり、残る資本政策上の課題であります民間優先株の希薄化影響抑制に向けた自己株式の取得・消却に着手するなど、株主還元につきましてもさまざまな形で進めてまいりました。

  • 次のページをごらんいただきたいと思います。

  • このページでは、定性的な観点から、この1年間を大きく3つに分けて総括しています。

  • 一言でまとめますと、環境変化への対応と将来に向けた事業基盤の再構築が課題の年であったと思います。

  • まず、事業基盤の面では、これまでも重点分野としてご説明してまいりました国内コア業務、特に国内リテール分野の強化と将来を見据えた投資銀行業務の選択と集中、グローバル展開の強化に向けた準備・施策に取り組みました。

  • また、サブプライム問題に端を発した混乱が続いたことに加え、国内の景気動向、金利シナリオなどの市場環境も変化しつつある中で、リスク・リターンを十分に意識した経営が一層重要となりました。

  • 今回、金融市場の混乱により、大幅な損失計上を余儀なくされたわけでございますが、これはリターンを得るためにとったリスクの制御管理の面において、急激な市場価格下落をもたらした証券化商品等の流動性リスクへの対応が不十分であったことに起因しておりまして、今回の事態を教訓とし、既にみずほ証券やみずほコーポレート銀行における海外投資銀行業務を中心としたリスク管理態勢、業務運営の見直しを進めております。

  • 最後のポイントは、会計基準の国際的な収斂の動きも踏まえ、かつ環境変化の中で見通せるリスクをより一層的確に決算に反映すべく、透明性の高い会計対応とともに、G7におけます金融安定化フォーラム等の提言を踏まえた徹底した情報開示を進めております。

  • なお、金融市場混乱による影響と対応につきましては、後ほどまとめてご説明したいと思いますが、ここからはまず2007年度決算の概要についてご説明いたします。

  • 8ページをごらんいただきたいと思います。

  • このページでは、まず業績概要をお示ししております。

  • スライド左側の表は、左が連結、右が3行、3つの銀行合算という立てつけになっております。

  • 表の1行目、業務粗利益、及び表の中ほどの業務純益につきましては、いずれも3つの銀行の合算ベースでは前年を上回りましたが、連結ベースでは、金融市場の混乱の影響を受け、みずほ証券が大幅な損失を計上したことを主因に、前年比で4,500億円を超える大幅な減少となりました。

  • これに加えまして、与信関係費用が前年比増加する中で、株式関係損益が大幅な回復を見せたものの、連結当期純利益につきましては、前年対比で約半減の3,112億円となりました。

  • 与信関係費用につきましては、景気の先行きが不透明な中で、みずほ銀行におきまして、低格付先を中心に格付の見直しを図ったことに加え、貸出債権の売却にかかわる損失等もございまして、連結ベースでは前年対比で400億円の増加となりました。

  • スライド左側の下にあります自己資本比率でございますが、自己株式の取得・消却や優先出資証券の償還等がありましたが、全体で11.69%を確保するなど、財務の健全性は引き続き高い水準を維持しております。

  • 次のページに進みます。9ページをごらんいただきたいと思います。

  • ここでは3銀行以外の主要グループ会社の業績概要につきまして、簡単にご説明をいたします。

  • スライドの左側にまとめておりますとおり、グループ証券会社につきましては、金融市場混乱の影響を背景に、みずほ証券を中心にトレーディング損益が大幅に悪化するなど、各社とも減益を余儀なくされました。

  • その結果、スライド右側にお示ししたとおり、業務純益の連結と3行合算の差、いわゆる連単差は、みずほ証券の大幅な赤字によりまして、前年対比で5,000億円弱の大幅な減少となりました。

  • 次のページに移ります。

  • ここから2ページは、昨年度業績を顧客部門と市場部門及び各グローバルグループの個別事業部門ごとに切り分けてお示ししておりますが、時間の関係上、右上の全体総括のところを簡単にご説明いたします。

  • まず、顧客部門についてでございますが、金利収支につきましては、2006年度中の政策金利引き上げの効果によります預金収支の改善が国内貸出金収支の減少を上回り、前年対比で約340億円の増収となりました。

  • 一方、非金利収支は、競争の激化や市場混乱の影響を受け、ソリューション、投信・年金保険手数料などの減少が響き、前年対比で約690億円の大幅な減収となりました。

  • 経費は、抑制的に運営したものの、成長分野への経営資源投下により、若干増加し、結果として、顧客部門の業務純益は約370億円の減少となりました。

  • 一方、市場部門・その他の業務純益は、金利動向を的確かつ機動的にとらえた結果、市場部門のバンキング収益が好調であったことから、約540億円の増加となりました。しかし、みずほ証券グループが大幅な減益となりましたので、連結業務純益は、前年対比ほぼ半減の約5,100億円となりました。

  • 1枚飛びまして、12ページをごらんいただきたいと思います。

  • ここでは貸出金の状況についてご説明いたします。

  • ごらんいただきますとおり、貸出金の期中平均残高は、国内では資金需要の低迷や厳しい競争環境の中で、取り組みを強化しております住宅ローンを中心とする個人ローンは微増いたしましたが、国内大企業向けを中心に法人向け貸し出しは減少しておりまして、国内全体での残高は伸び悩んでおります。

  • 一方、海外向け貸し出しは、非日系コーポレート向けや欧州におけます大型LBO案件引き受けを主因に引き続き増加しております。

  • ご参考までに、スライド右側には、海外貸し出しの地域別内訳、関連計数をお示ししております。

  • 次のページをごらんいただきたいと思います。

  • ここでは利鞘と資金利益の状況についてご説明をいたします。

  • まず、利鞘でございますが、貸出競争の激化によります影響を、市中金利上昇による預金利鞘の増加が上回りまして、左側のグラフ、真ん中の太線でお示ししております預貸金利回差は着実に拡大し、ゼロ金利解除直前の2005年度下期と比較いたしますと、18ベーシスポイントの改善となっております。

  • また、資金利益の状況につきまして、スライド右側に記載しております。

  • 市場部門におけます調達コスト増加等の影響もございまして、3行全体の国内外資金利益は伸び悩みましたが、グラフの黒い部分でお示ししたとおり、国内の預貸金収支は着実な拡大を続けております。

  • 次のページ、14ページをごらんいただきたいと思います。

  • ここでは対顧の非金利収支の状況についてご説明いたします。

  • 昨年度の実績は、前年対比で約12%の減少と、これまでの増加ペースにブレーキがかかってしまいました。

  • 大きな要因の1つは、シンジケートローンや投資銀行業務といった国内ソリューション関連業務などに見られる銀行間での激しい競争環境であります。

  • もう1つの要因は、金融市場混乱の影響でありますが、これは海外非金利におきます海外MBOビジネスの減少という直接的な影響から、国内の投信・保険販売手数料の減少という間接的なものまで、広い範囲にわたりました。

  • 特に、海外非金利につきましては、下期に入ってからの減少は大きくなっていることが、右側の表から見てとれると思います。

  • 次のページにお進みください。

  • ここでは経費の状況についてご説明いたします。

  • ごらんいただきますとおり、3行合算の経費につきましては、成長分野への経営資源投下を継続したこともございまして、前年対比微増の約8,600億円となっておりますが、一方で業務粗利益も増加いたしましたので、経費率は若干低下し、50%を切る水準となりました。

  • スライドの右側にあります内訳を見ますと、人件費につきましては、従業員数の増加により、給与・賞与の支払いが増えたものの、年金資産の期待運用利回り改善によります退職給付費の負担の低下もございまして、トータルでは、前年対比で約150億円の減少でございました。

  • 一方で、物件費につきましては、国内リテールを中心にお客様との営業接点の強化、サービスの向上を図るために、戦略的に店舗・ⅠT等の投資を継続したことなどによりまして、約200億円の増加となっております。

  • 次のページにお進みください。

  • ここではアセットクオリティの状況についてまとめております。

  • まず、与信関係費用ですが、左側のグラフにありますとおり、昨年度は3行合算で925億円の費用計上となりました。

  • グラフの下に銀行別の計数を記載しておりますが、国内の倒産件数も増加傾向にある中で、中小企業業績の二極化が進展していることや、一部大口先によります要因もございまして、みずほ銀行の与信関係費用が大きく増加いたしました。ただ、3行合算ベースの与信費用比率につきましては12ベーシスポイントと、引き続き低水準にとどまっております。

  • スライド右側の不良債権残高につきましては、3月末で1兆2,000億円、貸倒引当金を控除したネット不良債権比率も0.83%と、いずれも低水準にとどまっております。

  • 次のページをごらんいただきたいと思います。

  • ここでは有価証券のポートフォリオの状況についてでございますが、軟調な株式市場の影響から、株式の含み益が大きく減少したことや、証券化商品などにおける評価損拡大の影響から、ポート全体の評価差額、いわゆる含み益は大幅に減少いたしました。

  • 日本国債のポートフォリオにつきましては、左下のグラフでお示ししたとおり、保守的な運営の継続によりまして、平均残存期間は2年程度で推移しております。

  • 一方、スライド右上にごらんいただきますとおり、特に外貨建て債券を中心に、下期の金利低下局面をとらえた機動的な金利感応度運営に努めた結果、国債等債券損益の大幅な改善を実現し、市場部門におけます好調な収益実績につながっております。

  • なお、海外を中心とした信用収縮の環境のもとで、銀行部門におけます証券化商品投資に、株式投資にはヘッジファンドなどを含むファンド投資を合算した残高、3月末現在で5兆2,000億円となりまして、9月末対比では8,000億円減少するなど、慎重なポートフォリオ運営に努めております。

  • 次のページをごらんください。

  • ここではリスク管理の高度化に関し、総合リスク管理の状況と部門別RAROCにつきましてポイントをご説明いたします。

  • まず、スライド左上には、当グループのリスクキャピタル配賦運営におきます、各リスクカテゴリーに対する配賦リスクキャピタルの状況をご参考までにお示ししてあります。グラフにありますとおり、今年度上期からストレスシナリオでの影響を勘案し、価格変動リスク見合いの留保枠を追加設定するなど、慎重なリスクキャピタル配賦運営を行っております。

  • また、その下にお示ししたとおり、アウトライアー規制の試算結果につきましては、自己資本に対する割合も8.8%と、引き続き十分コントロール可能なレベルにございます。

  • スライドの右側には、昨年度より持ち株会社において導入した指標であります部門別RAROCの実績について、グラフでお示ししております。ここでは、横軸にリスク量、縦軸に税引前当期利益を、部門別にプロットしており、左上に行くほどRAROCが高い水準にあることを示しております。

  • なお、昨年度におきましては、みずほ銀行の法人部門では、ソリューション関連の収益減少にクレジットコスト要因が加わり、低調な結果となりました。

  • また、金融市場の混乱による大幅な損失計上を背景に、みずほコーポレート銀行の国際部門やみずほ証券グループは、モニターの表の枠の外となる極めて低調な実績となりました。

  • この金融市場混乱の影響と対応につきましては、次のセクションでまとめております。

  • 20ページをごらんいただきたいと思います。

  • まず、このスライドでは、金融市場混乱が私どもみずほに与えた影響をまとめております。

  • スライド左側には、損益影響を記載しておりますが、大きく分けますと、みずほコーポレート銀行を中心とした銀行部門で2,320億円、みずほ証券で4,130億円、トータルでは6,450億円の巨額な損失を計上する結果となりました。

  • また、このうち項番の1、6、7、8の合計約4,300億円が連結業務純益への影響として、それ以外の約2,100億円がその他の経常費用の中に含まれております。

  • スライドの右側には、各損失項目に対応する主要なポイントや解説、関連する資料のページを記載しております。

  • 皆様ご存じのとおり、この4月にG7の場で示されましたグローバル水準での先進的開示例を踏まえ、開示情報の充実と透明性を高めるため、広範かつ網羅的な開示を行っております。

  • 具体的には、別冊資料の補足説明資料の冒頭部分に、金融市場混乱影響にかかわるデータを詳細にまとめておりまして、先日の決算発表時に開示した重要情報に加え、銀行部門におけます海外アセットバックCPの買取資産の内訳や、LBOなどの売却予定貸出金の地域別内訳、みずほ証券におきますクレジットデフォルトスワップの相手先の格付や参照債権の内容、外貨建て証券化商品の格付別・地域別情報、さらには円建て証券化商品の内訳等も追加で補足記載しておりますので、後ほどごらんいただければと思います。

  • ここでは、スライド右側について、幾つかのコメントをさせていただきます。

  • まず、項番の1でお示ししたとおり、銀行部門の外貨建て証券化商品は9,000億円以下に減少し、そのうち4割の対象資産につきまして、流動化スキーム等によりますヘッジ取引を行っております。

  • また、項番2にありますとおり、主に欧州の証券化商品につきましては、新規投資を行わずに撤退する方針を決定しておりますので、ヘッジを実施していない投資対象の3月末の評価損に対して、投資損失引当金を計上いたしました。

  • 次に、項番5でございますが、海外LBO案件の売却予定貸出金が一部売却を進めて、減少はいたしましたが、いまだに約8,000億円残っております。

  • こうした銀行部門に残っておりますリスクにつきましては、市場動向を注視し、会計上の対応に加えて、ヘッジ等も機動的に使いながらコントロールしてまいります。

  • 他方、項番7でお示しいたしましたとおり、みずほ証券の証券化商品残高は約1,000億円程度にまで減少しておりまして、こちらにつきましては大きな山は完全に越えたと考えております。

  • 続いて、今回の市場混乱影響に対する具体的な対応についてご説明いたします。

  • 次のページをごらんいただきたいと思います。

  • ここでは金融市場の混乱に対しまして、まず会計の透明性を高めるために行った対応についてご説明いたします。

  • 第1は、左上に記載いたしました証券化商品等の時価評価であります。

  • これは昨今の著しい市場環境の変化に対応するために、2010年度から適用されます金融商品に関する会計基準を早期に適用したものであります。これまで時価のない有価証券として、取得原価で計上していたものにつきまして、評価が著しく困難な場合を除き、その他有価証券の95%が時価評価されたことになりました。

  • 次に、左下にありますSPCの連結であります。

  • 先ほどご説明いたしました損益影響に既に織り込み済みでありますが、3月末におきまして、国際会計基準も踏まえ、みずほが実質支配力を有すると判定した証券化SPCの3社を、会計上、新たに連結いたしました。

  • 第3に、右の上にあります欧州クレジット投資に対する投資損失引当金の繰り入れであります。

  • 背景には、既にご説明申し上げましたとおり、投資損失引当金計上によりまして、含み損を実質的に処理した対象3,000億円の投資商品の内訳を開示しております。

  • 最後に、先ほど触れました右下にあります売却予定貸出金への対応であります。

  • 表にお示しいたしました優先順位に従いまして、現在の市場価格等を勘案し、約500億円を売却損失引当金として計上いたしております。この結果、対象元本に対する引当率は6.3%と、12月末の水準から大きく引き上げております。

  • なお、このうちLBO、MBO案件だけをくくり出しますと、引当率は7.5%となっております。

  • また、一部でございますが、市場価格インデックスによるヘッジ手法も導入しております。

  • 次のページをごらんいただきたいと思います。

  • 対応の第2は、市場混乱影響を最も大きく受けましたみずほ証券におけますリストラの断行であります。

  • この内容につきましては、4月末、みずほ証券の決算発表に合わせて、事業改革プログラムとして発表しておりますが、ポイントは、今後も不透明な市場環境が継続すると見られる中で、リスクテークを身の丈に合った水準に抑制しながら、メリハリをつけた経営資源の配分により、地道に、かつ安定的な収益基盤を再構築していくことにございます。

  • そのために、既に実施済みのみずほコーポレート銀行からの増資によって資本基盤を安定させるとともに、業務内容の見直しやリスク管理態勢の強化に取り組み、またロンドン子会社やみずほ証券本体における人員削減、組織の簡素化を通じ、経費削減に取り組んでいます。

  • 具体的な計数で申し上げますと、人員につきましては、今年度内に希望退職等の施策を通じ、国内で約300人、約15%相当の人員削減を実施いたします。

  • また、経費につきましては、みずほ証券連結ベースで、前年度対比で2割の削減を行います。

  • 一方で、業務推進につきましては、リスクテークを身の丈、すなわちコア収益の範囲内に抑制しつつ、地道に投資銀行の手数料収益や対顧ディールフローの取り込みに注力し、安定的な収益基盤を確立することに主眼を置きます。

  • それでは、第3の対応として、リスク管理態勢の強化についてご説明いたしますので、次のページをごらんいただきたいと思います。23ページでございます。

  • 今回の混乱におけます極端な市場流動性の枯渇と急激な価格下落というストレス的な事象の発生を踏まえ、当グループにおきましても、これまでの平常時を前提としたリスク管理では十分に把握しきれなかったリスクへの対応強化を進めております。

  • 1点目は、グループのリスク管理のかなめでありますリスクキャピタル配賦運営における対応であります。

  • 先ほども触れましたが、価格下落に対する一定額のリスクキャピタルを別枠で留保することに加えまして、みずほ証券でも既に昨年下期から同様に保有証券化商品の損失処理対応を目的としたリスクキャピタル配賦を行っております。

  • また、これに加えて、結果として課題となっておりました同社におきますリスクテークを見直し、コア収益力に見合う水準にリスク枠を設定することで、リスク量の適正化を図っております。

  • 2点目といたしましては、ストレス事象下におけますリスクキャピタルによります管理の限界も踏まえた対応として、証券化商品等の保有残高につきまして、投資上限額設定の見直しを行い、あわせてストレステストを実施することといたしました。

  • なお、スライド一番下の箱に記載した保有外貨建て証券化商品への今後の対応方針は、既にお話ししたとおりで、リスクヘッジも利かせながら、基本的には残高を圧縮していく方針であります。

  • それでは、次のテーマでございます。成長を支える収益力の強化に向けた取り組みに移りたいと思います。

  • 25ページをごらんいただきたいと思います。

  • 初めに、ここからは事業戦略展開の2つの柱、すなわち国内リテール分野での体制拡充と、事業環境の変化を踏まえたグローバル競争力向上への布石についてまとめております。

  • まず、スライドの左側でございますが、私どもが従来から経営資源を優先的に配分しておりますリテール分野におきまして、戦略商品であります「みずほマイレージクラブ」の会員数が既に546万人に達し、また住宅ローン残高も堅調に推移するなど、これまでの施策がゆっくりとでありますが、着実に実績となって表れてきていることがおわかりいただけると思います。

  • 個人顧客との接点の強化に向けた施策につきましても、積極的に展開をいたしております。

  • まず、個人顧客に特化したタイプの店舗でありますパーソナルスクエアは135カ店まで、みずほ銀行のロビー内に設置したみずほインベスターズ証券のご相談ブースでありますプラネットブースは134カ店まで展開しております。

  • また、資産運用コンサルティングの担い手でありますフィナンシャルコンサルタントは2,800名に達しており、3年後には4,000名程度までに増やしていきたいと考えております。

  • 次に、スライド右側のグローバル競争力向上への布石について説明いたします。

  • グローバルコーポレートグループは、金融市場の混乱の直撃を受けまして、多額の損失を計上することとなりました。

  • 投資銀行業務は、みずほ証券を初めとして、選択と集中を明確にし、運営体制の抜本的な改革を進めております。

  • また、ご心配をおかけしておりますが、みずほ証券・新光証券の合併に関しましては、来年の5月の合併を目指して、万全の準備作業を進めるように指示をいたしております。

  • 投資銀行業務やグローバル展開は、リスク管理が十分に備われば、その顧客ニーズや市場の成長性、さらには当グループの持つ競争力の観点から、国内リテール分野と並んで、みずほの将来の成長に向けて布石を打つべき重要な分野だと考えております。

  • この中でも、アメリカでFHCにつきましては、銀行・証券連携によります総合的な投資銀行ビジネスを目指し、人員面を初めとする体制整備を進め、今月には米国みずほ証券が米国企業の社債発行案件におきまして、邦銀グループで初めて共同主幹事となるなど、厳しい市場混乱状況にもかかわりませず、着実に成果を上げております。

  • また、グローバル展開につきましては、特に中国を初めとするアジア等の成長市場を中心に、引き続き海外ネットワークの拡充や海外の有力金融機関との提携等を通じ、戦略的かつ機動的に取り組んでおります。

  • 次のページをごらんいただきたいと思います。

  • もう1つの事業戦略上の重点は、みずほのモデルをフルに活用したグループ会社間の連携の推進であります。

  • みずほでは、2つの銀行が持つ広大な顧客基盤に対して、グループとして、いかに高い顧客満足度を達成し、ここから収益を上げることができるかが課題でありまして、そのために、ここに挙げたような銀行・信託・証券といったグループ会社が緊密な連携を推進しながら、お客様に最適な商品、サービスを提供しております。

  • スライドの右側は、中でも信託機能を通じたグループ連携についてお示ししております。

  • 既にみずほ銀行のすべての本支店がみずほ信託銀行の信託代理店として、各種信託サービスを提供させていただいておりますが、今年度は戦略的にみずほ銀行・みずほ信託銀行間の距離をより近くいたしました。

  • 具体的には、ウェルスマネジメントの連携を一層推進するねらいで、中ほどの図でお示ししたとおり、みずほ銀行に総合コンサルティング部という新たな組織を設置し、みずほ信託銀行から人材を迎え入れると同時に、逆方向にも人材を派遣することで、信託のノウハウを共有することを目指しております。

  • 次のページをごらんいただきたいと思います。

  • 27ページでございますが、このスライドでは、顧客セグメント別に事業を分けたみずほ独自のビジネスモデルを生かして展開しております、各グローバルグループの具体的なコア事業戦略の概要をお示ししております。

  • 時間の制約上、次のページ以降にございます個別事業部門ごとの戦略の詳細につきましては説明を省略させていただきますが、私どもは、これらの各施策を着実に進め、グループ連携を一層推進していくことで、収益力の強化に努めてまいります。

  • それでは、少しページを飛びますが、今年度の業績予想の説明に移ります。

  • 41ページをごらんいただきたいと思います。

  • ここではスライドの左側を使いまして、今年度の連結業績予想につきまして、ポイントをご説明申し上げます。

  • まず、連結業務純益につきましては、次のページでさらに詳しく解説いたしますが、市場部門を保守的に見込んだことによりまして、3行合算の収益が落ち込む一方で、多額の損失を計上いたしましたみずほ証券の業況が回復することを見込み、前年対比で3,900億円増加の9,000億円の予想といたしております。

  • また、与信関係費用につきましては、大企業セクターでの戻入が落ち着いていく一方で、悪化する中小企業の景況感等を背景に、前年度対比で約370億円増加の1,200億円を予想しております。

  • また、株式関係損益は、株価動向をにらみながら、引き続き株式売却を進めますが、前年度対比で大幅な減少の800億円だけ利益と見込んでおります。

  • さらに、一番下の点線の箱にお示しいたしましたような要因を踏まえまして、連結当期純利益につきましては、前年度対比約2,500億円増加の5,600億円と予想しております。

  • なお、来年3月期の普通株式への配当金につきましては、今年度と同額の1株当たり1万円を予想しております。これは、既に発表しております端株等の無償割当を実施した後の水準は、1株当たり10円となります。

  • 次のページをごらんいただきたいと思います。

  • ここでは連結業務純益の予想につきまして、部門別の詳細をご説明いたします。

  • この計上の前提となります今年度の金利シナリオは、スライド右上に記載のとおり、政策金利の引き上げはなく、市場金利もフラットで推移すると織り込んでおります。

  • それでは、簡単に部門別の説明をいたします。

  • まず、顧客部門でございますが、金利収支につきましては、金利の上昇を見込んでいないために、ほぼ横ばいとしております。

  • 一方で、非金利収支につきましては、投信・保険といった重点分野を初め、前年度に大きく落ち込みました各非金利項目で、昨年度の環境要因や今年度の市場の成長性、さらには努力要素も織り込んだ上で、約500億円の増加を見ております。

  • 他方で、前年度に期待運用利回り改善で貢献いたしました退職給付費用が、今年度は利回り低下で増えることや、成長分野への戦略投資負担も増加するために、業務純益といたしましては、前年対比でほぼ横ばいになると見ております。

  • 市場部門・その他につきましては、前年度が長期金利低下局面をとらえた大幅な増益となりましたが、今年度はフラットな金利推移を前提としておりますので、前年度対比では730億円の減少と、保守的に見込んでおります。

  • 最後に、連単差として、差額表示いたしました3銀行以外の子会社等の貢献部分でございますが、昨年度多額の損失を計上したみずほ証券の業績回復を主因に、前年度対比では約4,600億円の大幅な改善と見ております。

  • それでは、最後のテーマであります資本政策に移ります。

  • 44ページをごらんいただきたいと思います。

  • みずほは、公的資金完済以降も、2つの規律、すなわち安定的な自己資本の充実と着実な株主還元の拡大を見据えながら、資本政策を進めてまいりました。

  • 具体的には、ボトムライン収益の積み上げに加えまして、優先出資証券を活用することによりまして、安定的な自己資本の充実を図ること、さらには自己株式の取得・消却、あるいは安定的な配当増によりまして、着実に株主還元を拡大していくことでございまして、このスライドでは、昨年4月以降の具体的な施策をまとめております。

  • また、スライドの一番下に記載いたしました株式報酬型ストックオプションにつきましては、みずほの経営陣が企業価値の向上をより一層意識し、業績の向上により一層励むことを通じ、株主の皆様への貢献が図れるものと考え、役員退職慰労金制度の廃止に合わせて導入を決めたものであります。

  • 次のページをごらんいただきたいと思います。

  • ここでは資本政策の課題への対応の1つといたしまして、資本の質・量への改善の取り組みにつきましてまとめております。

  • スライドの左側のグラフでは、みずほの自己資本の状況を示しておりますが、足元、為替換算調整のマイナス要因もございまして、Tier1の総額が多少目減りして見えますけども、これまで着実に資本の質と量が改善したことがおわかりいただけると思います。

  • その下には自己資本比率をお示ししておりますが、バーゼルⅡベースでTier1比率が7.4%と改善いたしております。

  • 資本の質と量の改善という課題につきましては、これまで同様、まずはボトムライン収益を民間優先株への対応に充てることによりまして、実質的に資本の質を改善していくとともに、優先出資証券の規律ある活用を通じ、成長資本を維持し、さらなる収益力拡大による資本の質・量の改善を進めます。結果として、中期的には、ハイブリッド比率の抑制を図っていく方針であります。

  • 次のページをごらんいただきたいと思います。

  • ここでは、残ります資本政策上の重要課題であります、民間優先株の希薄化対策についてご説明いたします。

  • スライドの左側に転換型民間優先株、すなわち5年前に発行いたしました、総額9,437億円の第11回第11種優先株式の概要についてお示ししております。

  • この民間優先株につきましては、今年7月の取得請求期間の開始に伴います潜在的な希薄化影響を前倒しで抑制する観点から、昨年9月に既に1,500億円の自己普通株式の取得・消却を実施いたしました。昨年度は業績の下方修正もございまして、残念ながら、さらなる追加の取得はできませんでした。

  • 今年度につきましては、業績回復の予想を背景に、先週15日に新たに1,500億円を上回る、上限とする取得枠を設定し、6月から11月の期間の中で普通株の取得を進めること、さらに、今年度中のめどといたしまして、約4,000億円という水準感を皆様にお示しいたしました。

  • 私どもといたしましては、今回の1,500億円を含め、今後、市場環境や収益動向を踏まえながら、残る希薄化対策の約8,000億円について、今後2年間程度で完了させることを目指してまいります。

  • 次のページをごらんいただきたいと思います。

  • ここでは、私どもの今後の資本政策及び配当政策の考え方について簡単に述べさせていただきます。

  • まず、基本的な考え方につきましては、リスク・リターンの向上を通じ、収益力を拡大することによりまして、自己資本の充実を図るとともに、ROEの改善を目指してまいります。

  • 具体的には、スライド中ほどにお示ししたとおり、2つの軸、すなわち成長戦略を支えるための資本基盤の強化と、配当や自己株式の取得といった株主の皆様への利益還元を意識した運営となります。

  • まず、資本基盤の強化につきましては、成長戦略への資本の配賦も意識しながら、ボトムライン収益を着実に増加させることによりまして、中期的なTier1比率として、バーゼルⅡベースで8%程度の達成を目指してまいります。

  • また、株主利益還元につきましては、当面は自己株式の取得・消却を通じた希薄化対策を優先しながら、同時に銀行業を中心とする金融グループとして、安定的な配当支払いを行っていきたいと考えております。

  • 以上で足早に説明を進めてまいりましたが、最後に一言申し上げて結びといたします。

  • 49ページをごらんいただきたいと思います。

  • ちょうど半年前にワシントンで開かれましたIMFの会合で、私が複数の欧米の銀行のトップの方と意見交換をいたしましたが、そのときは、今後、海外の金融市場がこのように急速に悪くなるという声はむしろ少数派でございました。

  • しかし、その後の短期間で想定を超えた価格下落という負のスパイラルによりまして、今はその彼ら自身の多くが未曾有の傷んだ資産を残したまま、第一線から引いてしまいました。

  • 先週の記者会見でも、私は経営の責任につきまして、経営者といたしましては、再建するほうが果たす責任は100倍大きいと申し上げましたとおりで、裏を返しますと、欧米の銀行は簡単に再建できる状況ではないと、今の時点では考えております。

  • 他方で、私どもみずほ証券やみずほコーポレート銀行がFSCなどの基盤を充実し、海外ビジネス拡大に向かう中で、この予想を超えたリスク拡大、特にこの第4四半期には、資産処分圧力によります異常なまでの値つかずの状態によりまして、大きな損失の計上となりましたことは大変遺憾でございますが、こうした影響は、米銀等に比べますと、もちろんリスク量もわずかでございますし、戦略を大きく変更するものではございません。

  • むしろ、ご説明したとおり、これまでに見通せる限りのリスク対応や処理によりまして、再建策にめどをつけましたので、経営の果たすべき責任は、整々とこれらを今後への教訓として取り組んでいくことと考えております。

  • さらに、財務面からは、損失を当期の収益力で吸収したものの、リスク管理という点で、海外ビジネス、証券業務に大きな課題を残しました。

  • 今後、持ち株会社の経営管理として、より効率的な資本配賦、リスク管理の手綱を締めることは言うまでもございません。

  • お示しいたしましたスライドのとおり、これまでもみずほは幾度も危機をてこに、再建から成長へと進化を遂げてまいりました。

  • 引き続き地道な営業努力の拡充によりまして、まず国内リテール分野の成長を最優先課題とし、着実に連携を通じたグループ力を伸ばし、その先、今回の教訓を背景に、十分な基盤整備のもとで、本当に力のある強い証券戦略、グローバル戦略を通じた成長をじっくりと描き、安定的に収益が出せるビジネスモデルをつくっていきたいと考えております。

  • また、資本政策の総仕上げとして、資本の質の向上、さらには今後の希薄化回避のための規律ある政策を継続して実行してまいります。

  • 今回の自社株買いの枠設定や今後のめどは、経営の意志をあえて公表させていただいたつもりであります。

  • このためにも、銀行業本業での収益を安定的に向上させ、真の邦銀復活に向けた皆さんの期待におこたえし、資本政策できちんと還元し、将来への布石を着実に打って、リスク管理を進化させます。こうしたことが、激変するビジネス環境の中で、私がねらいます本当の攻めの経営の姿でありまして、王道を歩むみずほの経営の原点だと考えております。

  • 以上で私の説明を終わります。

  • ありがとうございました。